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キヤノン、1/3型167万画素3CCDのHDVカメラ「XL H1」
-同社初のHDV機。20倍ズームレンズ付きで100万円


11月下旬発売

標準価格:105万円


 キヤノン株式会社は、レンズ交換式のHDVカメラ「XL H1」を11月下旬に発売する。手ぶれ補正機能搭載のHD20倍ズームレンズ「20×ズーム XL 5.4-108mm L IS」がセットになっており、価格は105万円。月間生産台数は3,000台を予定している。バッテリパック「BP-950G」や、ワイヤレスコントローラ、ACアダプタ、ストラップ、マイクユニット、16MB SDカード、D端子コンポーネントケーブルなどが付属する。

 '98年2月に1号機「XL1」を発売した、レンズ交換が可能なデジタルビデオカメラ「XL」シリーズの最上位モデルで、HDV規格の1080iと、DV規格の記録と再生に対応。同社初のHDVカメラになる。同社では、「ハイグレードな映像が要求されるプロのニーズにも応える高性能なビデオカメラに仕上げた」としている。

 撮像素子は、新開発の1/3型総画素数約167万画素CCDを使った3板式。有効画素数はHDVとSDワイドモードで約156万画素、SDの4:3モ-ドで約117万画素。3枚のCCDのうち、G(緑)-CCDを水平方向に1/2画素分ずらして配列する倍密度画素配列処理により、総画素数を実質1.5倍に高め、水平解像度約800本を実現。「HDV規格対応のビデオカメラとして最高レベル」としている。

 映像エンジンも新開発の「DIGIC DV II」を採用。「カメラメーカーとして蓄積してきた画づくりのノウハウやデジタル処理技術などをワンチップに集約」(同社)、高精細で高画質な映像記録を実現したという。なお、DV規格でも、従来機種に比べ高精細な映像記録が可能としている。

 さらに、小型化と省電力化を実現した新開発のHDコーデックLSIを搭載。HDV規格の24F/30F記録と音声4ch記録に初めて対応している。HDV記録、DV記録の標準モード/ワイドTVモードのいずれの記録形式でも、通常の撮影モードの60iに加え、24Fモードと30Fモードの3種類の撮影モードから選ぶことが可能となっている。

 XL H1は、従来のXL同様に同社独自の「XLマウント」を採用。SD撮影時には、従来のXL専用の交換レンズのほか、オプションの「EFアダプターXL」(63,000円)を利用して、「EOS」シリーズ用のEFレンズ群(EF-Sレンズには非対応)にも対応できる。

 また、新機能として、レンズマウントの取り付け基準面からCCD撮像面への距離を調整し、ズーミングの際に発生するボケを補正可能な「フランジバック調整機能」を搭載した。調整方法は、自動と手動の2種類から選択でき、本体にレンズ10本分のフランジバックデータを保存することも可能。

 さらに、HDVカメラとして初めて、HD-SDI(Serial Digital Interface)出力端子を装備し、ダウンコンバートしたSD-SDI出力もサポートする。そのほかにも、タイムコード入出力端子や、GENLOCK入力端子、ファンタム電源対応のXLR端子を2チャンネル装備するなど、業務での利用を想定した仕様となっている。

 液晶ファインダーは、前後左右に調整できるモニター兼用のワイド2.4型約21.5万画素液晶。ファインダー内にセンターマーカー、水平マーカー、セーフティーゾーン、アスペクトマーカーといった指標を表示することができ、ゼブラパターンは7段階で表示可能になった。さらに、フォーカスアシスト機能として、被写体の輪郭に強調をつけて表示するピーキング機能や、映像の中央部を約2倍に拡大して表示するマグニファイング機能も装備した。

 画質調整機能も「XL 2」に9種類の項目を追加した、23種類の画質の設定と調整が可能。階調の特性を調整するガンマ値や撮影時のカラーを調整するカラーマトリクスでは、TVモニターで見るのに適した「NORMAL」と、映画フィルムに近い質感を得られる「CINE1」、35mmフィルムに変換するのに適した「CINE2」の3種類から、新たに選択ができるようになった。また、高コントラスト時のハイライト部分を自動的に抑える機能として、従来モデルの固定ニー特性選択に加えて、自動でニー特性をコントロールするオートニー機能を新設している。

 さらに、ノイズリダクションでは、夜間など光量の不足した撮影時のノイズを低減する「NR1」、空や肌などの平坦部のノイズ成分を低減する「NR2」の2種類のパラメータを用意。これらの画質調整パラメータは、カスタムプリセット情報として、本体に6セット、メモリーカードに20セットまで保存することができるほか、本体とメモリーカードの間で情報をコピーすることも可能となっている。

 ホワイトバランスも「オート」や、2種類の「プリセット」、マニュアルで設定する「セット」に加え、2,800Kから12,000Kまで100K単位で任意の値を入力できる「色温度設定」も行なえる。

 本体にはSD/MMCカードスロットを備え、「XL」シリーズで初めて、カード静止画撮影も可能になった。静止画の記録解像度は1,920×1,080/1,440×1,080/848×480/640×480ドット。1,920×1,080ドットで約5枚/秒、連続30枚の撮影が行なえる。

 ボディには、マグネシウム合金とブラック塗装を採用し、高剛性に加え、重厚感と硬質感を演出している。本体の外形寸法は約226×496×220mm(幅×奥行き×高さ)、重量は本体のみ約2,435g(ファインダーユニット、同梱マイク装着時)。XL2の225×496×220mm(同)、約2,410g(同)とほとんど変わらない。付属のバッテリーパック「BP-950G」で、連続約4時間55分撮影可能(実撮影時間約2時間35分)。

 また、オプションとして、Windows XP用ソフト「CONSOLE」(70,350円)も用意。PCとIEEE 1394で接続して、23種類の画質調整項目を細かく設定するカスタムプリセットの調整とプリセットファイルの管理をPCで行えるほか、波形モニターや、ベクトルスコープをPC画面に表示することができる。また、PCからXL H1を操作するカメラコントロール機能、撮影した映像をHDDに取り込む機能なども利用できる。

 付属する新開発のレンズ「HDビデオレンズ20×ズームXL 5.4-108mm L IS II」は、蛍石レンズ、高屈折率ガラス、非球面レンズの採用により諸収差を補正し、全面マルチコーティングやゴーストを低減する新開発の「SRコート」を使用。検出が難しい低周波の手ブレも検知するという「スーパーレンジ光学式手ブレ補正機能」も搭載している。

 F値はF1.6~3.5。XL H1装着時の焦点距離は、35mm判換算で38.9~778mm(16:9)、47.7~954mm(4:3)で、最短撮影距離はワイド端で20mm、テレ端で1m。濃度2段階切換式NDフィルターを内蔵し、フィルター径は72mm。外形寸法は97.5×157.4mm(直径×長さ)、重量は約960g(本体のみ)となっている。

□キヤノンのホームページ
http://canon.jp/
□ニュースリリース
http://cweb.canon.jp/newsrelease/2005-09/pr-xlh1.html
□製品情報
http://cweb.canon.jp/dv/lineup/xlh1/index.html
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【2004年9月15日】【EZ】DV史上最高峰のカメラ「キヤノン XL2」
~ 今だからこそDVでハイエンド、の心意気 ~
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20040915/zooma171.htm 【2004年7月13日】キヤノン、シネルックを実現したレンズ交換式DVカメラ
-ワイドモードや、24p記録に新対応
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20040713/canon.htm

(2005年9月15日)

[AV Watch編集部/furukawa@impress.co.jp]


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