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シャープ、フルHD対応AQUOSに57/37V型モデル
-応答速度4ms。40型以上シェア25%を目指す


LC-57GE2

10月21日より順次発売

標準価格:152万2,500円(57V型)
       54万6,000円(37V型)


5モデルのフルHD対応AQUOSをラインナップ

 シャープ株式会社は、液晶テレビ「AQUOS」の新モデルとしてフルHD対応の57V型「LC-57GE2」と37V型「LC-37GE2」の2モデルを追加、10月21日より順次発売する。57型は12月1日より発売され、価格は152万2,500円。37型は10月21日より発売で価格は546,000円。

 新モデルの追加により、同社のフルHD(1,920×1,080ドット)対応AQOUSは、65/57/45/37型の4サイズ、5製品に拡充される。



■ LC-57GE2

LC-57GE2

 「LC-57GE2」は、1,920×1,080ドットの新57V型ブラックASVパネルを搭載。新開発のカラーフィルターを採用することで、コントラスト比1,500:1を実現し、黒の階調性を大幅に向上した。

 また、新たに1ドットを2つのセルに分割して、セル単位で階調表現をコントロールする「マルチ画素(MPGC)技術」を採用し、人肌など中間色の再現性を向上し、視野角に応じた色調変化と白浮きを低減した。視野角は176度。輝度は450cd/m2

 MPGCでは、1ドット内の2つのセルを別駆動とし、独立制御。暗部では1セルの発光を抑えることで、バックライトに起因する白浮きなどを低減。色表現や階調の向上に加え、視野角の違いによる色の変化を抑えている。


マルチ画素技術で肌色の再現性と視野角を向上 左は従来の液晶、右がマルチ画素の新パネルの拡大部。2つのセルの1つの発光を抑えることで、階調表現や視野角の向上を図っている

 また、液晶パネルの特性改善に加え、「新QS(Quick Shoot)技術」を搭載し、液晶テレビとして世界最速という応答速度4msを実現した。4msというスペックは、「画面の複数ポイントの実測値の平均」とのことで、パネル自体の応答速度は非公開。

 新QSでは、一定の間隔で黒表示データを書き込み、残像感を抑えるいわゆる「黒挿入」を進化させており、スキャン速度を高速化したほか、挿入するフレームもグレーに変更することで、残像感を大幅に低減した。

4波長CCFLと赤色LEDを使ったハイブリッド・バックライトシステムを採用

 また、バックライトには、AQUOS Gシリーズで採用した4波長バックライトに赤色LEDを加えた「ハイブリッド・バックライト・システム」を採用。青/緑/赤/深紅の4波長にLEDによるピュアレッドを加えることで、色再現範囲をNTSC比で95%に拡大。パネルのマルチ画素化とあわせて、さまざまな人肌の表現力が大幅に向上したという。

 赤色LEDの採用理由については、「肌色などの中間階調の表現を優先し、赤色を選択した。1色のみとしたのは、コストと消費電力の兼ね合い。LEDは従来のCCFLと比較して、約3割のコスト高となる。また、LEDの採用による消費電力増は約50Wだが、周辺回路の改良などで40W程度の上昇に留めた」という。


NTSC比約95%の色再現域を実現 コントラスト比は1,500:1に向上

 映像エンジンはIP変換回路やノイズリダクション、スケーリング、アンベールコントロール(輪郭補正)、カラーマネジメント、アクティブコントラストなどを内蔵した1チップ高画質LSIを内蔵。RGB 10bitパネルドライバの採用により、階調表現を高めている。部屋の明るさにあわせてバックライト輝度を自動制御し、最適な映像再生を行なう「インテリジェント明るさセンサー」も搭載している。

 チューナーは、地上/BS/110度CSデジタルと地上アナログを各1系統装備。入力端子はHDMI×1、DVI-I×1、D4×2、S映像×2、コンポジット×4、センタースピーカー入力など。出力端子はモニター出力(S2映像)、光デジタル音声×1、ヘッドフォンなど。またi.LINK(TS)×2やEthernetも装備する。

 スピーカーは、8cm径のウーファ×2と、2.5cmツィータ×2。アンプは10W×2chの1ビットデジタルアンプを搭載する。消費電力は585W。スピーカー/テーブルスタンド装着時の外形寸法/重量はは1,652×435×941mm(幅×奥行き×高さ)、重量は75kg。本体のみの外形寸法/重量は1,408×831×153mm/60.5kg。テーブルスタンドやリモコンが付属する。


■ LC-37GE2

LC-37GE2

 37V型の「LC-37GE2」は新開発のフルHDパネルを採用。パネル解像度は1,920×1,080ドット、コントラスト比は1,200:1、視野角は176度、応答速度は6ms。

 新パネルでは57V型と同様にMPGC技術を導入。マルチセル化により、自然な肌色表現や階調表現の向上、視野角向上などを図っている。バックライトは赤/緑/青のRGBに、深紅の波長を加えた4波長バックライトを採用し、赤色の再現性を向上している。

 インテリジェント明るさセンサーや、全段で10bitデジタル処理を行なう「1チップデジタル高画質LSI」を搭載。スピーカーはサイドスピーカー型で6.5cm径フルレンジ×4と、2cm径ツィータを装備。10W×2chの1ビットデジタルアンプを内蔵する。

 チューナは地上/BS/110度CSデジタルと、地上アナログ各1系統装備。入力端子はHDMI×1、DVI-I×1、D4×2、S映像×2、コンポジット×4、センタースピーカー入力などを装備。出力端子は光デジタル×1、モニター出力×1、ヘッドフォン出力×1。i.LINK(TS)×2や、Ethernetも装備する。

 スピーカー/テーブルスタンド装着時の外形寸法/重量は1,087×304×653mm(幅×奥行き×高さ)/29kg。ディスプレイ部のみは930×110×577mm/21kg。テーブルスタンドやリモコンが付属する。


■ 40型以上でシェア25%を目指す

奥田隆司 取締役 AVシステム事業本部長

 発表会では、シャープ 取締役 AVシステム事業本部長の奥田隆司氏が、AQOUSの製品戦略を解説した。奥田本部長は、2005年には国内テレビ市場で液晶テレビがブラウン管を台数ベースで追い越すなど「テレビといえば液晶という流れが本格化している」と市場の動向について分析。

 さらにハイビジョンカメラの普及やデジタル放送の視聴世帯拡大に伴い、「本格的なデジタルハイビジョン時代が訪れている」とし、薄型テレビの人気も2005年上期では37型以上の構成比が20%を超えたことから、大画面化はさらに進むと予測。

 「30型まではフルHDでなくてもデジタルハイビジョン放送を楽しめたが、より大画面化が進めば、フルスペックHDでハイビジョン放送をそのまま表示することが重要となる」とし、37型以上の市場に「フルスペックHDで業界最多」という5モデルをラインナップ。40型以上の市場で現在10%弱のシェアを25%まで拡大する目標を掲げた。

 なお、57型のパネルについては、現在一枚のガラス基板から2枚のパネルを切り出しているが、「第2工場が稼動すれば、より効率的に採れるようになる」と説明した。

□シャープのホームページ
http://www.sharp.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.sharp.co.jp/corporate/news/050920-a.html
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http://av.watch.impress.co.jp/docs/20050112/sharp.htm

(2005年9月20日)

[AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]


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