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Blu-rayを推進するBlu-ray Disc Assosiation(BDA)は5日(現地時間)、2006 International CESにおいてプレスカンファレンスを開催。映画やゲーム業界、PCメーカーの代表などが一堂に会し、Blu-ray Discの優位性をアピールするとともに、市場投入への準備の進行が報告された。
パイオニアの上級副社長で、BDA US Promotion Commiteteeの議長を務めるAndy Persons氏は、CESにおける製品発表やコンテンツ投入計画発表などを説明した。「全ての規格化作業が終了した」と報告し、「Blu-ray Discの序章が始まった。BDで、映画やゲーム、ITなど全てのホームエンターテインメントをHD化していく」と述べ、“Blu-ray Disc is Real”と表現した。 続いて、「ワイルド・ワイド・ウェスト」や「メンインブラック」シリーズの監督を務めるバリー・ソネンフェルド氏が登壇。BDへの支持を表明。「支持する理由はBlu-rayという名前がいい」などユーモアを交えながら、画質や容量などのBDの特徴の魅力を語った。 PC業界からはDellのマイケル・デル会長が参加し、大容量などの特徴を挙げBDの支持を表明した。
ゲーム業界からは、Sony Computer Entertainment Americaから平井一夫CEOが参加。PS1のCD-ROM、PS2のDVD-ROMのサポートから、次世代プラットフォームとなる「PLAYSTATION 3」では、BD-ROMを採用することを説明。支持理由については、2層50GBの大容量と転送速度を強調し、PS3の1080p出力による「HD World」をアピールした。 さらに、Playstation 2のDVD再生機能が、DVDビデオ普及への起爆剤となった事例を紹介。Playstation 2のゲームタイトルについても、「初年度はCD-ROMが74%、DVD-ROMは26%だったが、5年後にはCD-ROMは5%、DVD-ROMが95%となった」とし、BDにおいても、同様の普及が見込めるほか、「Blu-rayによる高速な転送レートと大容量はクリエーターの想像力をそのままに再現できる」と述べ、ゲームクリエーターに積極的にBDを訴えていくことを強調した。「Blu-ray Discは次世代のスタンダードになる。BDを搭載したPLAYSTATION 3は2006年に起きる革命の一つ」と、BDとPLAYSTATION 3をアピールした。 ■ PLAYSTATION 3では次世代HDMIを採用 また、会場にはソニー・コンピュータエンタテインメントの久夛良木健CEOも現れ、PLAYSTATION 3とBlu-ray Discについてコメントした。しかし、PLAYSTATION 3の発売時期については明言を避け、価格についても「ノーコメント」だった。
PLAYSTATION 3における、BD-ROMサポートについては、「BD-ROMの規格化完了をずっと待っている。AACSやBD+などのBDAの外での課題が幾つか残っているので、それらを待って、完全にBD-ROMが再生できる形にもっていく」という。 また、PLAYSTATION 3の発売に向けて、もう一つ規格化の動向を気にしているものがHDMI。現行のHDMIでは帯域上の制限などもあり、各色8bitでの伝送となっているが、3日にはHDMI関連の7社が、最大各色16bit伝送に対応する次世代HDMIを、2006年前半のリリースを目指して開発していることを明らかにしている。 「内部で16bit処理しても、出力時に8bitになってしまうのは意味がない。マッハバンドの発生などの欠点もある」とし、「できれば16bit欲しいが、最低でも12bit。帯域を2倍にした次世代のHDMIは、我々が強く要望していたもの」と説明し、PLAYSTATION 3で次世代HDMIを採用することを明らかにした。 □関連記事 ■ 会場では各社がBD関連製品を展示
また、5日より開幕した2006 International CES会場でも各社がBD対応製品を出展している。ソニーは、型番「BDP-S1」が付与された、新デザインのBD-ROMプレーヤーを展示。今夏の発売を予定しており、価格は1,000ドル以上の見込み。 松下電器は、DIGAと共通イメージのデザインを採用した薄型BD-ROMプレーヤーを出展。北米市場では今夏の発売を予定。価格は未定だが、「1,000ドル以下は難しい」という。 ハードウェア的にはかなり製品版に近い状態で、今後ソフトウェアの完成度を高め、今夏の発売を目指す。会場では16~20MbpsのH.264/MPEG-4 AVC映像を収録したBD-ROMの再生デモやBD-Jを用いたインタラクティブ機能のデモが行なわれている。なお、日本市場においては、プレーヤーの製品計画は今のところ未定で、年内のレコーダ発売を目指しているという。
シャープはBD-ROMプレーヤー「DV-BP1U」を参考出展するとともに、今夏にプレーヤー発売を予告している。薄型の筐体が特徴で、「薄型のデザインは最終製品でもいかしていきたい」という。レコーダは日本市場が先行し、北米向けは2007年となる見込み。 DV-BP1Uは、720p/1080iでの映像出力に対応。DVDの再生も可能で720p/1080iへのアップコンバート出力も可能となっている。プレーヤーの価格については、「発売時の市場動向による」としている。
日立は、HDDを内蔵したBD-R/REレコーダのプロトタイプを参考出展している。同社のハイビジョンレコーダをベースにしたプロトタイプだが、CEATEC展示モデルよりも薄型化している。 このままの形での製品発売はないが、年内の日本市場投入を目指し、BD/HDDレコーダを発売予定。また、BD-ROMプレーヤーの発売については今のところ計画はないという。 また、Broadcomは、同社のチップセットを利用したBD-ROMプレーヤーのリファレンスデザイン「97438」を展示。Samsungのブースでは内蔵型のBD-R/REドライブや外付け型でトップローディングタイプのBD-R/REドライブなどが出展されている。
□2006 International CESのホームページ(英文) (2006年1月6日) [AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]
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