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東京都がアニメ産業の振興と育成を図るために毎年実施している「東京国際アニメフェア 2006」が、東京・ビッグサイトで開幕した。会期は3月23日から3月26日まで。なお、一般公開日は25日と26日で、当日入場料は大人1,000円、中高生500円。 アニメフェアは、アニメーションを中心とした総合展示会。ソフトメーカーや放送局、アニメスタジオなどが今後放映、およびDVDなどでリリース予定の新作タイトルをプロモーションしている。
■ 「攻殻機動隊 S.A.C.」の続編が展示 中でも注目を集めるのは、プロダクションI.Gのブース。17日に製作発表されたアニメ「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」の続編「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX Solid State Society」のコーナーには多くの報道陣や関係者が集まり、注目度の高さを見せつけた。 コーナーでは、これまでのシリーズを振り返るダイジェスト映像が上映されており、その最後に初公開となる「Solid State Society」の映像が流れる。Solid State Societyの部分は、時間にして数分の短いムービーだが、映像的なクオリティはこれまでのシリーズと同様、非常に高く、期待を裏切らないものになりそうだ。
ストーリーは既報の通り、新人を迎えた新生公安9課が、超ウィザード級ハッカー「傀儡廻」(くぐつまわし)と対峙するというもの。しかし、映像の中で気になったのは新生公安9課の置かれている状況だ。 映像には「組織が拡大を遂げる中で、精神的な支柱を失った公安9課」という言葉が表示され、画面ではクロマ(草薙素子)と思われる女性に、仲間であるはずのバトーが銃を向けるという意味深なシーンも盛り込まれている。“精神的な支柱”とは、少佐(素子)のことなのか、荒巻課長のことなのかはわからないが、目の離せない作品になることは間違いなさそうだ。ブースにはほかにも、「Solid State Society」の設定資料なども展示されている。
また、攻殻機動隊 S.A.C.シリーズの監督を務める神山健治氏の新作アニメ「精霊の守り人(もりびと)」も発表された。詳しい内容はまだ明らかにされていないが、上橋菜穂子の小説「守り人」シリーズを原作にしており、水の精霊に卵を産みつけられ、精霊の守り人としての運命を背負わされた皇子が主人公。「愛や正義など、少し気恥ずかしいテーマに正面から取り組んだ作品になる」(神山監督)という。 さらに、TBSやBS-iなどで4月から放送されるテレビアニメ版の「×××ホリック」や、映画「立食師列伝」などを紹介している。
また、特設ステージではWOWOWの放送開始15周年記念作品として、夏からハイビジョン/5.1chサラウンドでオンエアされるアニメシリーズ「シュヴァリエ」の製作発表も行なわれた。オリジナル作品となっているが、原作、シリーズ構成などは日本SF大賞も受賞している小説家の冲方丁氏が担当。映像はプロダクションI.G、監督には「るろうに剣心」などで知られる古橋一浩氏を起用するなど、豪華なスタッフが特徴。
18世紀、革命前夜のフランスを舞台に、美貌の女装・天才騎士、デオン・ド・ボーモンの波乱に満ちた生涯を描くという。ちなみに、騎士デオンは実在の人物で、アニメも極力当時のフランスを忠実に再現した、歴史大河ドラマになるという。
■ コナミがアニメビジネスに本格参入 同じく、製作発表会場で注目を集めていたのがコナミ。ゲームメーカーとして知られる同社だが、2006年はアニメビジネスに本格的に参入する。その第1弾作品として、以前フィギュアニメとしてOVAリリースされた「おとぎ銃士 赤ずきん」をテレビアニメ化。そして島田フミカネ氏と黒星紅白氏によるイラストとフィギュアをベースにした、戦闘機と一体化する美少女達の物語「スカイガールズ」のOVA製作が発表された。
さらに、正式サービスが開始されたばかりのオンラインゲーム版「ときめきメモリアル」を原作としたテレビアニメもアナウンス。また、ゴシックロリータ服に身を包んだ3人の少女探偵が、超常現象や怪事件に立ち向かうアクション作品「セイントオクトーバー」も発表された。 コナミデジタルエンタテインメント、マルチメディアカンパニーの木下プレジデントは「コナミはこれまでもアニメに少し関わっていたが、2006年からはアニメビジネスを重要なものと位置づけ、本格的に参入する。今後コナミはゲームメーカーとしてではなく、総合的なエンターテイメントカンパニーとして、コンテンツを先行させ、その中にゲームやアニメがあるというスタンスで展開していく」と、事業戦略を説明した。 また、発表会には各タイトルの監督も登壇。作品の見所や意気込みなどを語った。「赤ずきん」の石山タカ明監督は「赤ずきんはその名の通り、童話をベースにしている。童話というのは理解するというよりも、目にして、その世界を心で感じることが重要だと考えている。どんな世界なんだろう、どんな冒険が待っているんだろうと、ワクワクする作品にしていきたい」と抱負を語る。
【2004年10月25日】コナミ、「フィギュアニメ」の制作発表イベントを開催 スカイガールズの石崎良明監督は「非常に魅力的なキャラクターを使った作品に参加できて嬉しい。美少女とメカという設定だけを見ると“よくあるアニメ”だと思われるかもしれないが、彼女たちの内面も丁寧に描くことで、クオリティの高い作品に仕上げていきたい」と話す。
「ときメモ」のアニメ化を仕切る高木宣弘監督は「オンラインゲーム版のキャラクターが多数登場する作品になる。コナミならではの魅力として、ゲームと連動して、ゲームをプレイしていればより楽しめる、アニメを見てゲームをするとより楽しめる、相乗効果で両方楽しめる作品にしていきたい」と決意を述べた。
「製作が始まったばかりで、タイトルも先日決まったところ」と語るのは、「セイントオクトーバー」の製作を担当するスタジオコメットの茂垣弘道代表取締役。「現場では作品の内容そのままに、“ゴスロリ少女探偵団”などと呼んでいた」と会場の笑いを誘いながら、「恐らく4作品の中では最も過激な内容になると思う。ぜひ期待して欲しい」と見所を語った。
□アニメフェアのホームページ
(2006年3月23日) [AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]
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