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日立、PDP/液晶TV、レコーダ「Wooo」を一新
-積極投資でPDPシェア拡大。レコーダはトップシェア維持


4月29日より順次発売

標準価格:オープンプライス


 株式会社日立製作所は、プラズマ/液晶テレビ6機種、HDD/DVDレコーダ「Wooo」シリーズ4機種の計10モデルを発表。同社の製品戦略や新製品の特徴などについて解説した。

 今回発表の薄型テレビ「Wooo9000シリーズ」では、42/37型PDP 4モデルと、液晶テレビ2モデルの合計6モデルをラインナップ。プラズマテレビでは、新しいALISパネル「1080ALISパネル」を搭載し、赤の発色を改善。さらに液晶モデルでは「IPSαパネル」の採用により、応答速度向上などが図られた。

 また、250GB HDDレコーダ内蔵モデル「HR」シリーズを用意。新たに搭載したHDトランスコード/トランスレート技術「XCodeHD」や独自のHDD制御技術「HPSM」の採用により、250GB HDDに500GB相当分の約50時間録画が可能となった。


プラズマ 品番 仕様 発売日 店頭予想価格
W42P-HR9000 42V型 デジタルWチューナ
1,024×1,080ドットパネル
250GB HDD/HDMI
4月29日 51万円
W42P-H9000 42V型 デジタルWチューナ
1,024×1,080ドットパネル
HDMI
5月15日 45万円
W37P-HR9000 37V型 デジタルWチューナ
1,024×1,080ドットパネル
250GB HDD/HDMI
4月29日 41万円
W37P-H9000 37V型 デジタルWチューナ
1,024×1,080ドットパネル
HDMI
5月15日 36万円
液晶 W32L-HR9000 32V型 デジタルWチューナ
1,366×768ドットパネル
250GB HDD/HDMI
4月29日 35万円
W32L-H9000 32V型 デジタルWチューナ
1,366×768ドットパネル
HDMI
5月15日 30万円

HDD/DVDレコーダ「Wooo」新モデル

 ハイビジョンレコーダでは、1TB HDD搭載モデル「DV-DH1000D」など4モデルをラインナップ。地上/BS/110度CSデジタルチューナはそれぞれダブルチューナ構成で、2番組同時録画機能「デジデジ2コ録り」に対応。

 新たに録画した番組をダイジェスト再生できる「いいとこ観」を搭載。また、設定したキーワードにあわせて録画を行なう「お気に入り自動録画」も備えている。


HDDレコーダ 型番 HDD容量 発売日 店頭予想価格
DV-DH1000D 1TB 5月下旬 約21万円
DV-DH500D 500GB 約16万円
DV-DH250D 250GB 約13万円
DV-DH160D 160GB 約11万円


■ ユビキタス社会の中心に“Wooo”

古川一夫社長

 発表会では、古川一夫社長が挨拶。日立はユビキタス社会の実現に向けて、同社の情報通信事業とユビキタスプラットフォーム事業部の事業を積極的に強化してきたことを説明。4月1日にスタートしたワンセグ放送を例に挙げ、「放送と通信が劇的に変化する時代こそ、日立が総合力を発揮し、新しい価値を創出できる場所と感じている」と状況を分析した。

 Woooシリーズについては「デジタル家電、ユビキタス情報社会の中心」と定義。「日立のテレビ事業は50周年を迎える。IBMから日立が受け継いだHDDの歴史も50年を迎える、情報通信からデジタル家電にHDD技術が移行し、それらが結集した形が新しいWooo。“WoooでRec=テレビで録画できる”新しい製品だ」と、同社の先端技術やHDD技術を強調した。

 さらに、「PDPパネルはFHP、液晶パネルはIPSアルファテクノロジ、HDDは日立GST製。あらゆるキーデバイスに日立グループの力を結集し、激戦の市場を勝ち抜く。Woooは最先端の技術を投入した世界最高水準の製品で、日立だからできる製品だ。日立の総合力はデジタル家電でこそ生きる。2006年を大いなる飛躍としていきたい」と意気込みを語り、「日立はグループの総合力を活かし、“コングロマリット・プレミアム”を実現する。着実でありながら、果敢に挑戦していく。テレビもレコーダも是非皆様に使って頂きたい自信作だ」と新製品をアピールした。


■ FHPの生産計画も大幅に前倒し。2007年夏に360万台体制を構築

ユビキタスプラットフォーム 江幡誠グループ長&CEO

 続いて、日立製作所執行役常務でデジタル家電を担当するユビキタスプラットフォームの江幡誠グループ長&CEOが、同社の薄型テレビ/レコーダ戦略について説明した。

 日立のテレビ事業50周年を振り返り、同社初の14型白黒テレビ「F-100」などを紹介。今後はパネルやLSIの進化とともに、「HDDを活かした製品で薄型テレビ市場をリードしていきたい」と“HDD”を重視していく姿勢を明らかにした。

 プラズマテレビの市場予測については、垂直解像度720ドット以上のHDパネルに注力しながら、HDパネルの市場で、現在約20%(PDP全体では11%)のシェアを、2008年内に約30%まで引き上げる。また、国内市場では、2006年1~2月に40%近いシェアを記録。「継続して国内シェア40%を確保していく」と目標を語った。


2006年は日立のテレビ発売50周年。HDDを前面に押し出して展開 プラズマはHDパネルに特化し、2008年度にHDパネルの世界市場シェア30%を目指す 国内のテレビセットではシェア40%を確保

 DVDレコーダの市場については、ハイビジョンレコーダに注力。その中でトップシェアを狙っていくという。2005年12月にはハイビジョンレコーダでシェア29%を記録、「トップの位置を守っていく」とした。

国内のレコーダ市場ではHDに特化。シェアトップを維持

FHP三番館の稼働も大幅前倒し

 また、市場の拡大に伴い生産体制も強化。プラズマパネルについては、FHP 三番館の早期稼働を目指す。当初予定より約3カ月前倒しし、10月に稼働開始。現在の年間120万台体制から、年間260万台まで強化する。さらに、三番館の第2期工事については、当初予定から約1年前倒しし、2007年夏に稼働。年間360万台体制を確立する。

 三番館の次の投資については、「2008年末から2009年の需要予測をみると、四番館への投資も当然必要になる。生産設備や場所などについて検討を進めており、今年の早い段階でお伝えできると思う」(FHP 井本義之社長)とした。

 液晶については、IPSアルファテクノロジの茂原工場を5月に稼働。32型換算で250万台/年体制を確立する。さらに、日立GSTのHDDの生産拠点として、中国深センの新工場を設立。1月より製品出荷を開始しており、2008年までに総額5億ドルを投資。同社HDDの約50%を同工場で生産する予定。

 これらの基本デバイスをグループ内で確保することで、内製化率はプラズマテレビで約61%、液晶テレビで約70%、DVDレコーダで約46%となったという。生産拠点の強化にも取り組んでおり、日本、マレーシア、中国、北米に加え、欧州でも新拠点の立ち上げを検討。場所については明言していないものの、東欧を中心に検討しているという。薄型テレビのワールドワイドの生産規模については2005年の120万台/年から、2008年には540万台/年まで拡大する。

 また、Wooo9000シリーズは、国内、北米、欧州、アジアで同社初となる世界同時立ち上げを実施。アジアを除く3地域は4月から、アジアは5月から製品を投入する。

薄型テレビ生産体制を強化 Wooo9000シリーズは世界同時立ち上げ


■ 過去最大の販促費で“Wooo”をアピール

 新製品については、ユビキタスプラットフォームグループ マーケティング事業部の吉野正則 部長が解説した。

 新Woooシリーズのコンセプトについて、「コンテンツ受動時のストレスを低減。観るスタイルを変えていく」と紹介。コンテンツを映画やドラマに代表される「情緒性、感動の高いもの」と、スポーツやニュースなどの「情報性」の2つに分けて、新Wooo HRシリーズでは「テレビ1台で全て録画して大画面で満喫するスタイル」として録画機能「WoooでREC」を提案。また、情報性の高いコンテンツについては、レコーダに搭載したダイジェスト再生機能「いいとこ観」により、ストレス無く視聴できることを紹介し、新製品の機能を説明した。

コンテンツごとの“視聴スタイル”改善に向けたWooo新機能

 なお、55型のプラズマテレビや、37/26型の液晶などでは、Wooo8000シリーズも引き続き併売。また、薄型テレビの販売促進には、2005年冬モデルの約4倍の広告、宣伝費を投入し、「過去最大」というプロモーションを実施する。

春の製品ラインナップ 過去最大の広告宣伝費を投入

黒木瞳さん

 広告キャラクターには、引き続き女優の黒木瞳さんを起用。発表会場では、新CMを披露するとともに、黒木さんと、黒木さんがCMで着用した装束を製織した重要無形文化財保持者(人間国宝)の喜多川俵二氏が登場し、Woooの魅力を語った。

 CM起用前からプラズマWoooのユーザーという黒木さんは、「機械が苦手な私でもボタン一つで録画できて便利。映像もキレイ」とアピール。CMで着用した装束については、「一目見て凄いと思った。すごい重そうに見えたのだけれど、着てみると凄く軽くて驚きました」とコメント。

 また、喜多川氏は、Woooの画質について、「織物の色は縦の糸と横の糸でできている。二色の糸で色を表現するので非常に難しい。特に赤は少し間違えると下品な色になってしまうが、Woooで観ると私の好きな色が出ている」と、Woooの画質を評価した。

CMで着用した装束も展示された 喜多川俵二氏 プラズマテレビのキャッチコピーは「録画も出来ないプラズマなんて」

□日立製作所のホームページ
http://www.hitachi.co.jp/
□ニュースリリース (テレビ)
http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2006/04/0404b.html
□ニュースリリース (レコーダ)
http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2006/04/0404c.html
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【2005年7月11日】日立、新「Wooo」シリーズを発表。「PDPシェア40%を目指す」
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【2005年8月24日】日立、デジタルWチューナ/HDMI搭載のハイビジョンレコーダ
-最上位モデルは1TB HDD。世界初の「ダブル地デジ」
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20050824/hitachi.htm

( 2006年4月4日 )

[AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]


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