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バイ・デザイン株式会社は、地上デジタルチューナ内蔵液晶テレビ「DFKシリーズ」の発表会を開催した。新製品とともに、同社の事業戦略を説明した。 ■ 液晶/プラズマテレビのBTOを目指す
同社の飯塚克美社長は、2003年6月の創業以来、同社の販売戦略などについて説明した。2004年の売上実績は4.8億円(国内4.4億円/海外0.4億円)だったが、2005年には56億4,000万円(同23.2億円/33.2億円)と急成長したことを報告。「こうなることを目指してはいたものの、ここまでくるとは思っていなかったというのが本音」と語った。 さらに2006年度は、前年比約3倍の「売上高150億円を目指す」とし、国内50億円、海外100億円という目標を掲げた。特に北米の活動を強化、「昨年は、北米最大手のエレクトロニクスのチェーンに、彼らのブランドでテレビをOEM供給した。さらに今年はホームシアターマーケットや、インターネット販売を強化していく。“eyefi”という新しいブランドで大型の液晶/プラズマを展開する」という。
「世界的なメーカーがひしめく日本は一番厳しいマーケット。市場の大きさや数では米国が中心になる」としながらも、日本でも積極展開を図る。2年前のノジマを皮切りに、ヨドバシカメラや、直販サイトを開設。2005年にはビックカメラ、ドン・キホーテ、西友、2006年には3月にイトー・ヨーカードー、6月からPCDEPOTなどに販路を拡大していることを紹介した。
また、自社ブランドのみならず、PCデポオリジナルの「o'zzio」や、ノジマオリジナルの「ELSONIC」などのプライベートブランド、OEMなど、様々な形態での薄型テレビ事業を展開していく方針とし、「液晶/プラズマテレビのBTO(受注生産方式)を目指すのがバイ・デザイン」と意気込みを語った。なお、現在の販路の比率は、50%が店頭での販売、20%が法人向け、30%がインターネット販売という。 同社の事業については、「最適なパネルやビデオプロセッサを選択し、日本で製品を企画。それを中国、台湾で製造する。ネットワークを通じて情報を集めて、企画、製造する典型的なファブレスメーカー」と紹介し、「先日、ブラジルでも日本方式のデジタル放送の採用が決定したが、早速“一緒にやろう”というメッセージがきている。ガーナなどアフリカ地域でもそうした声をいただいている。今年はヨーロッパの拠点作りや、北米が中心になるが、世界各国を視野に入れて展開していく」と説明した。 国内展開については、地上デジタルチューナ搭載の新「DFKシリーズ」を紹介しながら、「今後は、地デジチューナ搭載モデルが中心になっていく。日本で戦うためには中身“画質”が重要になる。ナショナルメーカーに負けない画質を求めていきたい」と、製品開発方針を語った。また、サポートについても、従来アウトソーシングしていたが、自前の体制を構築。「顧客の声を製品にフィードバックできる体制を整えたい」という。 ■ 「安い、早い、うまい」+「きれい」の4拍子を目指す
同社の伊豆田伸吾取締役は、バイ・デザインのテレビの世間の評価を「安い。早い。うまい」と紹介。価格の安さと、製品投入や値下げの早さなどを示したものだが、「“うまい”は画質でなくて、デザインについて。さらに、“安い”はデジタルチューナが無いから、という理由もあった」と、従来機種の問題点を振り返った。 新DFKシリーズは、こうした課題に取り組んだ製品という。「これから始まる本格普及期に地デジチューナは絶対に必要。大手メーカー製品と比較していただける製品を目指した。ただし、顧客のニーズを検証し、コストと機能のバランスを意識した。大手は3波共用チューナーを搭載するが、まずは地デジに対応。さらに、要望の多い番組表や光デジタル出力を備え、データ放送ブラウザなどを省いた」と、製品コンセプトを説明した。 今年の年末にかけては、デジタル対応モデルを拡大する方針で、「液晶だと現在15~45型、プラズマは42~50型とあるが、このバリエーションを増やすとともに、地デジに対応。価格帯によっては(地上/BS/110度CSの)3波チューナも搭載したい」という。 さらに、現在一部の製品のみで搭載している高画質化エンジン「d:engine」についても、採用機種を拡大していく方針で、「“安い。早い。うまい”に加え、“きれい”の4拍子そろった製品を年末に展開していきたい」とした。 ■ 価格競争に自信 なお、液晶テレビを中心とした価格競争について、飯塚社長は「kakaku.comの最安値は常に意識しているし、価格には自信がある。また、大手メーカーとどれくらいの価格差だったら、買ってもらえるのか常に考えている。サイズにもよるが2万円を一つの目安にしている(飯塚社長)」と、自信をみせた。 ただし、「今回も27型、37型については全然心配していないが、32型は大手メーカーが戦略的に赤字を被って下げてきているので、心配はある。われわれはきちんとマージンが取れる価格を出している。真っ向からの激戦は避けて、今年後半は、中小型や超大型などを強化する戦略もある」とした。また、先日国内市場再参入を発表した船井電機については、「北米では大きな存在だが、われわれもデザインや画質に自信がある。国内でも十分戦っていけるし、むしろ競合が増えることで市場の拡大も見込める」という。 □バイ・デザインのホームページ ( 2006年7月7日 ) [AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]
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