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キヤノン、「iVIS」で家庭用HDVカメラに本格参入
-「動画のキヤノン」へ。HDD/BDや、AVCHD対応も検討


8月2日発表


芦澤氏は「本日よりキヤノンはハイビジョンビデオカメラ市場に参入する」と宣言

 キヤノン株式会社は2日、同社初の家庭用縦型HDVカメラ「iVIS HV10」などビデオカメラ新製品の発表会を開催。新ブランド「iVIS」(アイビス)や、今後の製品展開、マーケティングについて説明が行なわれた。

 今回の新製品より立ちげ上げられた新ブランド「iVIS」や、マーケティング戦略について、キヤノンマーケティングジャパンの専務取締役 コンスーマイメージングカンパニープレジデントの芦澤光二氏が紹介した。

 ハイビジョン時代のビデオカメラとして立ち上げられたiVISは、「i(eye=瞳、愛) + VISion(映像)」を意味し、「見たままに撮影できること、感じたままに記録できること」が共通コンセプト。1,000ほどあった候補から選ばれたという。芦澤氏は「確かな目で映像をしっかりつかむという思いがこめられている」と述べた。


iVISの左にある赤い縦線は「キヤノンレッド」 新製品の「iVIS HV10」

 同社調査では、ビデオカメラで静止画がきれいなメーカーについて、キヤノンという回答が2004年に61%、2005年には64%に上ったという。芦澤氏は「静止画では、EOSやIXY、PIXUSなどナンバーワンブランドをいくつも持っているが、動画もナンバーワンに仕上げたい」と述べた。

 従来の「写真DV」といったキャッチコピーを使用しないことについて芦澤氏は「静止画も従来同様に十分アピールできるが、それ以上に動画を前面に押し出す」とし、「HDVカメラの発売は『動画のキヤノン』への橋頭堡」とした。

同社調査では、他メーカーに比べビデオカメラの静止画で好評 HDVカメラは「動画のキヤノン」への橋頭堡と宣言

 新製品のHDV対応「iVIS HV10」のボディカラーはグラナイトブラックとバーニッシュシルバーの2モデル。「通常、ビデオカメラの売れ筋は白だが、今回は7:3の割合でブラックの比率を高めており、ブラックは、最新鋭の技術を積んだという意識の表れ」という。

 ハイビジョン対応のビデオカメラの需要については、ハイビジョンテレビと合わせた同社のアンケートを用いて説明。ハイビジョンテレビ所有者でHDVカメラに魅力を感じる人が67%で、非所有者は53%だったことから、「一度ハイビジョン画質を体験するとビデオも欲しくなる」とし、ハイビジョンテレビの普及度にリンクすると分析。ディスプレイサーチが2006年以降にハイビジョンテレビが50%を超えるとの予測を受け、「ハイビジョンビデオカメラも2010年にビデオカメラのほぼ100%となる140万台まで伸びるのでは」とした。

同社調査などをもとに、ハイビジョンテレビと相まってビデオカメラのHD化が進むと予測

 ビデオカメラ全体の国内シェアでは、ハイビジョン対応製品の立ち上げにより、2006年秋に、現在の16~17%から20%まで拡大することを目指す。また、販売店も2005年の約2,500店から、3,000店まで増やすという。そのほか、2006年秋にはビデオカメラのうちハイビジョン対応モデルの割合を半数まで拡大するという目標も明らかにした。

国内シェア20%、販売店舗数3,000店を目指す CMには、カンヌ国際映画祭で話題となった映画「誰も知らない」や、映画「電車男」などに出演した清水萌々子を起用



■ AVCHD対応モデルも前向きに検討

HD CMOS(右)とKiss Digital Nで使われるCMOS(左)の比較

 新技術や特徴については、キヤノンのイメージコミュニケーション事業本部 副事業本部長の国吉孝氏が紹介した。

 HDVカメラ「iVIS HV10」では、同社のデジタル一眼レフカメラ「EOS DIGITAL」のCMOS技術を応用し、デジタルビデオカメラ用に新開発した「キヤノン HD CMOS」に加え、ハイビジョンに対応しながら小型化も図られた「キヤノン HDビデオレンズ」や、同社のHDVカメラの最上位モデル「XL H1」と同じ映像エンジン「DIGIC DV II」と、3つのキーデバイスが自社製。

 国吉氏は、「HD CMOSが目玉のデバイスだが、HDレンズ、DIGIC DV IIの3つのデバイスを手に入れて、すべてが手の内に入った。もともとレンズはデジタルカメラなどによりハイビジョンに近い物があったが、3つのデバイスで、総合的にキヤノンの力が発揮できたことで、ようやくキヤノンのカムコーダとしての出番が今まで以上に出てきた」と自信を見せた。

キヤノンのイメージコミュニケーション事業本部 副事業本部長の国吉孝氏

 記録メディアにHDVテープを選んだ点に関しては「最大の要因は記録時間で、通常のテープに1時間撮ることができるのは、子供のピアノの発表会や運動会などで利用するユーザーにとって重要なこと」(国吉氏)とした。

 一方、HDDや次世代DVDメディアへの展開については、「状況を見て、ハイビジョンモデルについてはHDDも検討し、Blu-ray Discについてもインフラの普及状況などを見る」(国吉氏)とするに留めた。

 また、「HDVのコーデックであるMPEG-2では、LSIやアルゴリズムなどから見てトータルで今回の画質を実現できたが、HDDではMPEG-2のほかにAVCHD規格のH.264で記録する方向もある。今の技術レベルでMPEG-2と同等の画質を確保できるかというのは微妙なところ」(国吉氏)するが、AVCHD規格への対応製品については、「賛同メーカーであり、もちろん前向きに検討する」(芦澤氏)とした。


□キヤノンのホームページ
http://canon.jp/
□ニュースリリース
http://cweb.canon.jp/newsrelease/2006-08/pr-hv10.html
□関連記事
【8月2日】キヤノン、同社初の家庭用縦型HDVカメラ「iVIS HV10」
-新開発の1/2.7型296万画素CMOSを搭載
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20060802/canon1.htm
【8月2日】キヤノン、片面2層8cm DVD-Rに対応したDVDカメラ
-本体重量410g。ワンハンド操作に対応
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20060802/canon2.htm

( 2006年8月2日 )

[AV Watch編集部/nakaba-a@impress.co.jp]


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