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株式会社スカイパーフェクト・コミュニケーションズ(スカパー!)は27日、社長定例会見を開催。中間決算に関する説明や、今後の事業展開について説明した。仁藤雅夫社長は会見の中で、新規加入増に向けた施策として、110度CSデジタル対応のテレビなどを対象に、11月から新たな仮視聴サービスを開始することも明らかにした。 連結損益の中間決算では、営業収益が425億3,300万円で前年比15億900万円増。経常利益はマイナス11億円を予想していたが、13億5,200万円の増益となった。税引後当期純利益はマイナス8億円の予想だったが、12億8,800万円のプラスとなっている。損益改善の理由として、仁藤氏はマーケティングコストや外注費の改善などを挙げた。 また、単体での業績内訳では、立ち上げて間もないオプティキャストが15億8,100万円の損失、スカパー・マーケティングがマイナス3億6,800万円と赤字だったが、DNCC(当期純利益5億3,400万円)やペイ・パー・ビュー・ジャパン(同1億7,200万円)、ケーブルテレビ足立(同1億2,000万円)が黒字となっている。 加入件数/解約率の推移では、サッカーのドイツワールドカップにより、6月の新規加入が前年比1万3,000件増の4万9,000件となったが、6月以外は軒並み前年割れとなっている。仁藤氏は「前年はアンテナ取り付け無料キャンペーンにより好調で、そのレベルからは下がったが、想定と同じ」とした。
通年の業績見通しについては、新規個人加入件数は53万件で変更はないが、内訳を修正し、純増数を1万7,000件減の18万9,000件とした。連結の営業収益は、光ファイバ網による多チャンネルサービス「スカパー! 光」の戸建向けサービスの遅れなどから、25億円減の875億円に修正されているが、当期純利益は15億円で変更はない。 また、26日に発表されたJSATとの経営統合に加え、「スカパー! 光」におけるNTTとの連携も強化し、水平展開の強化も図るとした。
■ 11月から市販テレビのB-CASカードで仮視聴が可能に
今後の事業展開については、コンテンツ強化の面で、サッカーJリーグの2007年~2011年の独占放映権を獲得したことを挙げ、「従来のワールドサッカー視聴者とは異なるファミリー層にも、ファミリー向けチャンネルと合わせたエリアマーケティングを展開する」とした。 また、スカパー! の10周年記念として、2006年世界バレーにおいて、全試合の約半分にあたる108試合を10月31日より無料放送するほか、11月に「泣ける映画100本」と題し、「子ぎつねヘレン」や「いま、会いにゆきます」などを放送。12月はモータースポーツや音楽ライブ、アニメ(劇場版ガンダム)、ドラマ(LOST シーズン2)などの一挙放送を行なう。
新規加入獲得への施策としては、11月から量販店などで販売される110度CSデジタルテレビにおいて、110度CSデジタルの仮視聴が行なえるサービスを開始することも発表。B-CASカードに変更を加えることで、ユーザーは一定期間、一部番組の視聴が行なえるという。仁藤氏は「11月販売分より順次開始し、全てのB-CASカードで仮視聴できるように切り替わる」とした。なお、従来の仮視聴サービスも継続して行なわれる。
さらに、11月から年度内の期間をめどにアンテナ取り付け無料キャンペーンを再び実施、124/128度の加入底上げを図る。仁藤氏は「今回は放送事業者と連携して実施するため、前年ほどのコストはかからない」と述べた。 また、12月よりWOWOWのコンテンツを放送開始する点についても言及。仁藤氏は、「これまではコンペティターとして、要らぬお金も使ってきたが、これからWOWOWとはいろいろな意味で連携する」と述べ、「今後は視聴者の声を反映し、パッケージングサービスなども出てくるだろう」とした。 そのほか、2008年夏から開始される、H.264フォーマットを利用したHD放送についても説明。2008年夏からの約10chは、ペイ・パー・ビューやプレミアムチャンネルなどで放送し、2009年秋開始の約20chは「HDベーシックパック」に追加されるという。
一方、4月開始を予定していた戸建向けサービスが約半年遅れのスタートとなった「スカパー! 光」についても、東京23区の新築マンションで50%以上のシェアを獲得。従来ターゲットとしていた大型マンションだけでなく、50戸以下のマンションでも適用しやすいように料金体系を改定、アパート管理会社などの取り込みを行なうという。 仁藤氏は「スタートは長い間遅れたが、10月下旬からNTTと共同でテレビCMなど本格的な販促活動を展開し、加入数の獲得に貢献するだろう」と述べた。
(2006年10月27日) [AV Watch編集部/nakaba-a@impress.co.jp]
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