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エコプロダクツ2006開幕。各社最新環境性能をアピール
-環境負荷への低減を強調


標準価格:会期:12月14日~16日

会場:東京ビッグサイト

入場料:無料


 製品の環境性能に焦点を当てた総合展示会「エコプロダクツ2006」が14日、東京ビッグサイトで開幕した。会期は16日までで、入場料は無料。主催は社団法人産業環境管理協会と日本経済新聞社。

 大手家電メーカーも多く出展。自社製品における環境への取り組みに関する展示が中心で、梱包をシンプルにしたり、再利用可能な材料の採用、稼動時の消費電力の減少など、各社それぞれ異なる視点から環境保護についての考え方を示した。



■ ソニーは緑一色ブースを展開

 ソニーは、液晶テレビ「BRAVIA」を中心とした、環境に関する展示を行なった。BRAVIAの最新モデルでは、従来モデルと比べて、年間消費電力を25%削減している点を強調。周囲の明るさに合わせて画面の明るさを自動調整する「明るさセンサー」の搭載により、無駄な消費電力を抑えて映像表示が行なえると言う。

エコを意識し、緑一色となったソニーブース 60V型リアプロ「BRAVIA」の消費電力は215Wで、36型ブラウン管テレビと同等程度 同社提供番組「世界遺産」を10台以上のBRAVIAで同時に再生「『残したい自然』を伝えるテレビ番組」として紹介

 Blu-ray Discのデモも実施。1枚のBDメディアに通常のDVD-Rで約5枚、CDで約35枚分のデータ容量が入るため、利用するディスク枚数が減らせることにより、省資源となる点をアピール。

 見た目でわかりやすく説明するため、BDメディア1枚とDVD-Rメディア5枚が釣り合う「不思議なてんびん」を展示し、BDメディアがより省資源であることをデモしていた。その隣には、Blu-ray Discが利用可能なBDドライブ搭載の「VAIO type L」、BDレコーダ「BDZ-V9」、プレーヤーとして「PLAYSTATION 3」などを展示。

Blu-ray Disc1枚とDVD-R5枚が釣り合う「不思議なてんびん」。子供にもわかりやすくとの趣旨だが、メディアの重さと勘違いされないか心配 BDドライブ内蔵の「VAIO type L」や、BDレコーダ「BDZ-V9」、「PLAYSTATION 3」などを展示 ソニーブースの隣には、同じくソニーグループの運営する喫茶店「LingKaran」を配置。端には「cafe live」というステージを設置し、「BRAVIA」によるハイビジョン映像デモを流していた

 そのほかにも、とうもろこしなどのバイオマス素材から生成する「植物原料プラスチック」について展示。カセットタイプのウォークマンや、AV機器のフロントパネルなどのプラスチック素材の代替として利用されており、環境への取り組みをアピール。また、携帯電話の外装に採用した試作機も参考展示していた。

【訂正】
記事初出時に、一部事実と異なる点がございましたので、訂正いたしました。(12月22日追記)

フロントパネルなどのプラスチック部に採用 バイオマス素材を外装部に採用した携帯電話の試作機も 非常時にも利用できる手回し充電ラジオ「ICF-B01」を展示。携帯電話の充電も可能

ソニーミュージックの運営するライブハウスや、番組制作に使用する録音スタジオなどでは、風力発電を利用しているという 同社ウォークマンSシリーズなどに備える「バーチャル・モバイル・エンジン」の低消費電力を省エネとしてアピール 同社の提供する「mora」など、ダウンロード楽曲配信はディスクなどのメディアを使用せず、HDD内に保存されるため、エコとしている



■ 工場内も“エコ”なシャープ。ビクターは「壁掛けリアプロ」を展示

 シャープブースでは、同社液晶テレビ「AQUOS」シリーズの分解展示を行なった。外装や基板、折り畳めるパッケージなど、細部に渡って環境対策を考慮した部材を利用している。

液晶テレビの左端には、現在の消費電力を表示し、その低さをアピール 分解したAQUOSの部品類の環境対策について詳細に説明 パッケージも折り畳めてエコ

 また、製品そのものだけでなく、同社の液晶パネル製造を行なう亀山工場においても、製造工程で1日に使用する28,300トンの排水を浄化する設備を備え、100%のリサイクルを実施するほか、大気汚染がほとんど発生しないという1,000kWの燃料電池システムや、5,150kWの太陽光発電システムを備えるなど、最新の環境対策設備が備わっているという。

亀山工場の最新環境対策設備を紹介 ブラウン管テレビの解体デモ。ワッシャに形状記憶合金を採用し、半田ごてによる熱で簡単にワッシャが外れるようになることで、分解時の自動化に貢献するという

 ビクターは、CEATEC 2006などでも展示した58V型のD-ILAリアプロジェクションテレビ「壁掛けリアプロ」を参考展示。

 額縁幅が1cm、厚みは27cmのスリムデザイン。新開発の「スリムファンクション光学エンジン」により薄型化を実現。消費電力は、約220Wと低く、同社の50V型PDP「PD-50DH50」の490Wと比べて半分以下と低消費電力をアピールした。

 そのほか、現在発売する52V型のリアプロと、同社製の42V型PDPや、40V型液晶との消費電力比較を展示。最も画面の大きい52V型が最も低消費電力である点をアピールした。

「壁掛けリアプロ」を参考展示 リアプロ、液晶、プラズマの3台の薄型テレビを並べて消費電力を比較 HDDカメラ「Everio」も展示

 日立製作所のブースでは、HDD/DVD搭載ハイブリッドビデオカメラ「Wooo DZ-HS303」の分解部品を展示。各部品が環境対策されたもので構成されている点をアピールした。また、パッケージも改善を続けており、より少ない材料でパッケージを構成できるように工夫されているという。

分解されたHDD/DVDカメラ「DZ-HS303」の内部のエコ部品類 同社製ワンセグ携帯用の卓上ホルダにもバイオマスが採用されている 日立マクセルのHD DVD-R、BD-R/REメディアも展示

 松下電器ブースでは、薄型テレビ「VIERA」の新モデル「TH-37PX60」の消費電力を、前モデル「TH-37PX300」と比較するデモを実施していたほか、鉛を使わないプラズマパネルの開発を大きくアピールしていた。

鉛を使用しないプラズマパネルである点を強調 その他の環境対策。新モデル「TH-37PX60」の方がより消費電力が減少しているのが確認できる比較デモを実施 音声による案内には「D-snap Audio」を使っていた



■ その他の展示ブース

 その他にも、東芝ブースでは、REGZAの省エネ性能を解説していたほか、HD DVDプレーヤーなどの新製品の内部構造が確認できる。また、三菱電機のブースでは、同社の液晶テレビ「LCD-H37MX60」の明るさセンサーを試すデモを実施。デモ機の周囲の囲いは、天面が開閉する仕組みで、明るい状態と暗い状態で、消費電力が異なるのが確認できる。

 三洋では充電池「エネループ」が中心の展示。その中には、先日発売になったワンセグ内蔵の「ミニゴリラ」(NV-SD10DT)なども自由に触れる状態で展示していた。

東芝「REGZA」各モデル。中央には「新メタブレイン・プロ」の基板を展示 REGZAの省エネ対策を説明 HD DVDプレーヤー「HD-XA1」、「HD-XF2」の2台が天板を外した状態で展示。内部構造が見られる。

三菱ブースでは、「LCD-H37MX60」のデモなど。明るい場所では160Wだが、暗い場所では輝度が自動で下がり、消費電力も半分近くに低下する 三洋ブースは、ワンセグ内蔵の「ミニゴリラ」(NV-SD10DT)も自由に触れた 有限責任中間法人JBRCでは、普段身近に使用しているAV機器などに内蔵するバッテリを回収、再資源化を行なっている。バッテリの種類に応じて、多くの再資源として利用可能な物が含まれているという展示を行なっていた

TBSラジオが出展。1955年~70年代までの懐かしいラジオを展示していたほか、ラジオリフレッシュキャンペーンとして、故障したラジオの無償修理受付を実施している 懐かしラジオの間に紛れてラジオ内蔵ケータイ「RADIDEN」が展示。展示棚の裏では、半田ごてによるラジオの修理が行なわれていた

□エコプロダクツのホームページ
http://www.eco-pro.com/

( 2006年12月14日 )

[AV Watch編集部/ike@impress.co.jp]


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