|
|
キヤノン、SED株式会社を100%完全子会社化
-東芝保有全株を買い取り。米国特許訴訟へ対応
|
|
|
|
|
2006年10月に開催された「FPD International 2006」で公開された、55型フルHD SED
|
キヤノン株式会社は、株式会社東芝と共同で設立したSED株式会社(資本金105億5万円)の東芝保有の全株を1月29日に買取り、完全子会社化すると発表した。今までSED株式会社の株式は、キヤノンが50%+1株を保有していたが今回の買取りが完了すると、株主構成はキヤノンが100%になる。なお、買取り金額などは非公開。
SED株式会社の現社長 福間和則氏は、出身元である東芝からキヤノンに移籍の上、引き続き社長を務める。東芝から出向している技術者については、キヤノンによるSEDパネルの単独事業化に向けての引継ぎ期間中は新たに締結する契約に基づいて出向を継続させる予定。
今回の決定について両社では、「キヤノンに対するSEDの技術に関連する米国訴訟の長期化が予想されることから、SEDテレビ事業の早期立ち上げに向けて両社で協議した結果、SEDパネルの事業をキヤノン単独で行なうことにした」と説明している。
|
東芝のサイト内に設けられていた「SEDパネルの紹介は、「2007年1月12日に閉鎖いたしました」と表示され、内容が削除されていた
|
SEDの生産計画はキヤノンの平塚事業所でパイロットラインと、量産第一段階を稼動し、本格量産については東芝の姫路工場で行なう予定だった。しかし今回の決定でSED株式会社がキヤノンの100%子会社になるため、「パネルの生産については、本格量産についてもキヤノンがあらためて計画を見直すことになる」(東芝 広報)という。
キヤノンでは本格量産の計画について、「場所や規模、資金、スケジュールなどについて再検討を行なっている段階」(同社 広報)としている。
なお東芝では、平塚事業所で製造したパネルを使ったSEDテレビの発売については「計画どおり2007年第4四半期に日本国内において開始する予定」としているが、東芝は当初の予定のパネルメーカーではなく、パネル供給を受けてテレビを製造する立場となり、SED TVの生産についてはキヤノンのパネル量産計画次第となった。
SEDパネルの本格量産については2006年3月に延期を発表した段階で、「薄型テレビの市場は特に2008年以降、本格的な需要の拡大が見込まれる。SED搭載テレビの販売ターゲットを2008年の北京オリンピック商戦と定め、商品投入を進めていく」としていた。キヤノンと東芝では、本格的な量産計画について明らかにしていないが、東芝でパネルを量産するという計画が白紙になったため、北京オリンピックに間に合うかは、不透明となった。
□キヤノンのホームページ
http://canon.jp/
□東芝のホームページ
http://www.toshiba.co.jp/
□ニュースリリース
http://web.canon.jp/pressrelease/2007/sed2007jan12.html
□関連記事
【2006年10月18日】コントラスト比10万:1の新55型「SED」がFPD展に登場
-55型で消費電力270W。福間社長が基調講演
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20061018/fpd1.htm
【2006年3月8日】東芝とキヤノン、SED搭載TVの発売は2007年第4四半期
-年内出荷は断念。2008年北京五輪商戦がターゲット
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20060308/sed.htm
【2006年1月6日】キヤノン、「SEDは予定通り今春発売を目指している」
-御手洗富士夫社長の延期発言を受けて
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20060106/canon.htm
【2005年8月9日】キヤノン、SEDの研究/開発拠点を平塚市に開設
-研究/開発/生産設備を集約し、SED実用化へ
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20050822/canon.htm
【2005年5月31日】東芝、SEDのパネル量産拠点を姫路工場に決定
-2007年内には7万台規模で生産
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20050531/sed.htm
【2004年9月14日】キヤノンと東芝、SED方式の新薄型ディスプレイ事業を共同立ち上げ
-来年8月からフルHDパネルを生産。36型SEDテレビを初披露
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20040914/sed.htm
(2007年1月12日)
[AV Watch編集部/furukawa@impress.co.jp]
Copyright (c)2007 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.
|