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ビクター、フルHD記録のHDDムービー「Everio」最上位機
-FUJINONレンズ/60GB HDD搭載。実売20万円


3月中旬より順次発売

標準価格:オープンプライス


 日本ビクター株式会社は、1,920×1,080ドットのフルHD解像度でMPEG-2記録を行なうHDDムービーカメラ「Everio」の最上位モデル「GZ-HD7」を3月中旬より発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は20万円前後の見込み。ボディカラーはエレガントブラック(B)とインテリジェントシルバー(S)が用意される。

GZ-HD7-B GZ-HD7-S

光学10倍ズームのFUJINONレンズを採用

 コンシューマ向けとして初めてFUJINONレンズを採用したフルHDの3CCDカメラシステムを搭載。ズーム倍率は光学10倍(F1.8~1.9)で、35mm換算の焦点距離は39.5~395mm。放送局レンズなどでも採用されている「NEW EBC(Electric Beam Coating)コート」により、フレアを低減。光学手ぶれ補正もEverioシリーズで初搭載している。

 新開発の1/5型、総画素数57万画素(1,016×558ドット)/有効画素数53万画素(有効976×548ドット)の16:9のプログレッシブスキャンCCDを3枚搭載。斜め画素ずらし構造を採用することでフルHD(1,920×1,080ドット)に対応する。フジノンによる「6軸調整CCD固定方式」の採用により、高精度に3つのCCDを貼り合わせることで、色ずれの低減やフォーカス性能の向上を図っている。


1/5型CCD 57万画素CCDの3板式 フジノンと共同開発し、高精度プリズムを採用 6軸調整CCD固定方式を採用し、フルHDで高精細な映像記録を実現

 記録モードは「FHD(1,920×1,080i/VBR 最高30Mbps、平均26.6Mbps)」、「SP(1,440×1,080i/VBR 最高22Mbps、平均19Mbps)」、「1440CBR(1,440×1,080i/CBR 27Mbps)」の3モードを装備。フルHDモードでは、60GB HDDに約5時間の録画が行なえる。

【記録モード】
記録モード解像度信号形式記録レート記録時間
FHD1,920×1,080ドット映像:MPEG-2 TS
音声:MPEG-1 Layer2
VBR:最大約30Mbps
   平均約26.6Mbps
約5時間
SP1,440×1,080ドットVBR:最大約22Mbps
   平均約19Mbps
約7時間
1440CBRCBR:約27Mbps5時間

 独自の画像処理エンジン「HD Gigabrid」を搭載。CCDからの入力信号は14bit AD変換された後、同社のプログレッシブ信号処理技術を活かし、1080pで画像補間や色信号処理、ノイズリダクションなどを実行。出力時に1080iへのインターレース化が行なわれる。同社の薄型テレビ「EXEシリーズ」で搭載している映像エンジン「GENESSA」のノウハウを導入し、モスキートノイズの低減などを図っているという。


HD GigaBridを搭載 プログレッシブ処理などにより高画質化

Cyberlink BD Solutionをバンドル

 マニュアル撮影機能も充実しており、フォーカスリングを備えるほか、ホワイトバランスや露出、シャッター優先モード、絞り優先モードなどを装備。液晶モニターも備え、フォーカスした部分の輪郭だけをカラー表示するフォーカス・アシストに対応。露出確認用のゼブラ表示も可能となっている。外部マイク接続用のマイク入力も備えている。

 SDカードスロットも装備し、4GB以上のSDHCカードもサポート。1,920×1080/1,440×1,080/1,024×768/640×480ドットでのJPEG静止画記録に対応するほか、SPモードでの動画記録も可能となっている。なお、動画記録時にはClass 6のSDHCカードの利用を推奨している。

 USB端子やi.LINKを装備。パソコンとUSB接続して、録画映像を取り込み可能となっている。また、編集/管理ソフトとしてサイバーリンクの「BD Solution」を同梱。「PowerDirector 5 NE Express」はフレーム単位での編集に対応し、約60種類のトランジションやタイトルパレットなどを搭載。またBD作成可能な「PowerProducer 3 NE」や、再生ソフト「PowerCinema NE for Everio」などが付属する。


側面 2.8型/20.7万画素のワイドクリアブライト液晶を装備 HDMI出力やUSB端子も備えている

i.LINKも搭載する

 さらにMacintosh対応として、「QuickTime Component for Everio」が付属。Everioからの映像の取り込みに対応し、「Final Cut Pro」ではフルHD解像度での編集が可能。ただし、iMovieHDの場合は、Apple Intermediate Codec(AIC)に変換され、1,440×1,080iの映像として扱われる。

 i.LINKからのストリーム出力は1440CBRモードの録画データのみ出力可能で、そのほかの記録モードの録画映像についてはDV形式にダウンコンバートして出力する。また、HDMI出力端子も備えており、テレビなどと直接接続してハイビジョンで録画映像を楽しむことができる。そのほか専用のD端子ケーブルを利用したコンポーネント出力や、S映像、AV出力などを装備する。

 液晶モニターは2.8型/20.7万画素のワイドクリアブライト液晶を搭載。液晶ファインダは0.57型/26.9万画素。付属バッテリ「BN-VF815」利用時の連続撮影時間は約1時間25分(ファインダー)/約1時間20分(液晶モニター)。外形寸法は91×186×77mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約665g。

外形寸法は91×186×77mm 2色のカラーバリエーションを用意 専用のキャリングバック「CB-VM50」も3月下旬発売。8,400円
ステレオマイク「MZ-V8」。16,800円 0.7倍のワイドコンバージョンレンズ「GL-V0746」。25,200円 1.8倍のテレコンバージョンレンズ「GL-V1846」。25,200円


CU-VD40

 さらに、撮影したハイビジョン映像をDVD-R/RWにデータ記録できるDVDライター「CU-VD40」も3月下旬に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は5万円前後の見込み。

 Everioで録画したハイビジョンのMPEG-2 TS録画ファイルを直接DVDに記録できるほか、DVDの再生機能も搭載。DVDビデオのほか、MPEG-2 TSを記録したデータDVDをCU-VD40から再生できる。

 対応記録メディアはDVD-R DLとDVD-R/RW。HDMI出力や、コンポーネント出力、AV出力も備え、リモコンも同梱。単体のDVDプレーヤーとしても利用できる。また、パソコンとUSB接続し、外付けのDVDドライブとしても利用可能。外形寸法は171×262×56mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約1.4kg。


CU-VD40背面。HDMIやコンポーネント出力を装備する GZ-HD7と接続し、DVDにバックアップ GZ-HD7とフルHDプロジェクタ「DLA-HD1」を組み合わせた利用イメージ


■ 「フルHD」を全面に訴求。HDビデオカメラでシェア30%を目指す

中沢隆平 カムコーダーカテゴリー長

 発表会では、モバイルAV事業グループ統括カムコーダーカテゴリー長の中沢隆平氏が「Everio」の製品戦略や市場動向について説明した。

 中沢氏は「近年のカムコーダ需要は世界市場で1,500万台程度で推移しており、安定した市場になっている。しかし、その中でテープからHDDやDVDなどの記録メディアは早いスピードで推移している」と市場を分析。

 市場全体の台数では大きな変化はないものの、同社がEverioシリーズで注力しているHDDタイプについては、「2007年度には前年比170%の420万台の市場になる。DVDカメラと市場で方を並べる数字だが、このHDDの420万台のうち、ビクターではEverioで210万台の販売を予定している」とし、HDDムービー市場でシェア50%を目指す方針を明らかにした。

 「GZ-HD7」の投入により、フルHDを積極的に推進する。また、テレビ市場でのフルHD化の流れについても言及し、「2006年12月には薄型テレビ市場でフルHDモデルが25%に達する勢い。2007年にはテレビにおけるフルHDが本格立ち上がる。そうした中で、ハイクオリティでパーソナルな映像を残したいという要求も増えてくるだろう。2007年にはビデオカメラでも“フルハイビジョン”が求められるようになる」と、市場ニーズの高さについて説明した。

 同社では、2007年度のビデオカメラ市場ではHDモデルの比率が40%と見込んでいるが、「HDモデルの中でシェア30%を目指す」という。なお、2007年度のHDモデルの販売目標台数は「GZ-HD7だけでなく、今後の製品も含めて、少なくとも25万台以上(カムコーダーカテゴリー 都築邦雄 商品企画室室長)」としている。

2007年度に210万台のEverio販売を予定 HD対応のHDDビデオカメラ市場でシェア30%を目指す

 なお、MPEG-4 AVC/H.264によるビデオカメラ用HD記録規格「AVCHD」ではなく、MPEG-2を選択した理由については、「我々が考える以上にフルHD化がディスプレイの世界で進んでいる。記録する“方式”よりも、まずはフルHDで残したい。方式よりも“結果”として1,920×1,080ドットで記録できる製品をいち早く届けるためには何をしたら良いかと考えた。そういう視点ではAVCHDはまだ早いと考え、今回はMPEG-2を利用することとした。LSIや消費電力などハードウェアの環境はもちろん、AVCHDではパソコン上で気軽に使うためのユーザー環境がまだ整っていないことも要因(都築 商品企画室室長)」としている。

□日本ビクターのホームページ
http://www.victor.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.victor.co.jp/press/2007/gz-hd7.html
□製品情報
http://www.victor.co.jp/dvmain/gz-hd7/index.html
□Everioホームページ
http://www.victor.co.jp/everio/index.html
□関連記事
【1月11日】【EZ】JVC Everioに、ついにHDモデルが登場
~本物のフルHDで記録する、コンシューマ唯一のカメラ~
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20070111/zooma288.htm
【1月8日】Victor、フルHD MPEG-2記録のHDDムービーカメラ
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http://av.watch.impress.co.jp/docs/20070108/victor.htm
【2006年10月3日】CEATEC JAPAN 2006【ビデオカメラ編】
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-PS3を使ったAVCHDディスクの再生デモも
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20061003/ceatec03.htm
【2006年9月29日】ビクター、フルHDビデオカメラ用システムを開発
-「FUJINONレンズ」を民生カメラで初採用
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20060929/victor1.htm

( 2007年2月7日 )

[AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]


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