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22日から東京ビッグサイトでスタートした「東京国際アニメフェア 2007」。その特設ステージにて、バンダイビジュアル株式会社は日本国内における、Blu-ray DiscビデオとHD DVDビデオソフトのラインナップを発表。同時に、次世代ディスク全体の取り組みと、海外戦略について説明会を行なった。
今回、リリーススケジュールが発表された同社次世代DVDビデオソフト最大の特徴は、全作品ともBDビデオ、もしくはHD DVDビデオと、必ずDVDビデオがセットになっていること。価格は全タイトル10,290円となっている。 同社はマイクロソフト、メモリーテックと共同でHD DVDで使用するための、VC-1フォーマットでアニメをより高画質で収録するための技術を研究するなど、HD DVDフォーマット寄りの展開が多かった。ソフトラインナップも北米ではHD DVDがメインとなっているが、日本国内向けには両フォーマット体勢で展開することが明確になった。特に、今回発表されたラインナップでは、BDビデオを含むタイトルの方が多くなっている。
なお、セット販売されるDVDビデオ版は、BD/HD DVDビデオ版の製作にともない、新たに用意されたHDマスターからDVD版を製作している。そのため、既発売のDVD版よりもクオリティが向上しているという。 「ハイクオリティなDVD版を同梱することは、まだ次世代DVDプレーヤーを持っていない消費者にも訴求できるポイントだ」とバンダイビジュアルは魅力を説明している。DVD付属以外の製品仕様は現時点では確定していない。
■ 北米向けの次世代ディスクラインナップも発表
バンダイビジュアルでは既に、北米向けにHD DVDとDVDのコンボディスクで「FREEDOM 第1巻」を6月26日に発売することを明らかにしている。このディスクは日本の通常の流通では販売されないが、総合アニメサイト「.ANIME」限定で日本向けにも通信販売を行なう。日本での価格は5,040円、北米での価格は39.99ドル。 これに併せて22日、「FREEDOM」以降の北米向けHD DVDソフトのラインナップも発表した。まず、2007年8月に「王立宇宙軍 オネアミスの翼」を79.99ドルで発売。以降発売日と価格は未定ながら、「機動警察パトレイバー 劇場版」と「機動警察パトレイバー2 the Movie」もHD DVD化が予定されている。なお、これらのタイトルはすべてHD DVD層のみとなる。
バンダイビジュアルの前田明雄常務取締役は、次世代DVDと海外での映像ソフト展開について説明。「現在、日本のアニメが放送されると、その直後から海賊盤などが作られ、それが世界に広まるという現象が起きている。こうした背景には新しい日本のアニメをすぐに観たいという海外のアニメファンのニーズも関係しているが、結果としてオリジナルとはかけ離れた、クオリティの低い映像や音声で視聴している人が多い」と、世界での日本アニメの現状を解説。 その上で、今後の次世代DVDソフトでは、海外と国内の両方で、今までのエモーションレーベルではなく、新しいレーベル名「オネアミス」を使用していくことを説明。「海外のアニメファンにも、ハイクオリティな映像/音声と豊富な特典を届けることで、新たなニーズを開拓したい」と意気込みを語る。
また、北米向け第1弾HD DVD「FREEDOM」については、HDiを使ったインタラクティブ機能を重点的に紹介。通信を経由した字幕やコンテンツのダウンロードなど、従来の特典の枠に収まらない、豊富な機能をアピール。「DVDとのコンボディスクだが、北米でワーナーが出している両面タイプではなく、片面にHD DVDとDVD層を持たせている。メモリーテックとの協力で実現したもので、この技術を採用することで、ピクチャーレーベルにすることができる。これも、“所有している喜び”に繋がる魅力の1つだ」という。 なお、アニメフェアのバンダイナムコブースでは、「.ANIME」のコーナーを用意。オンライン予約は既に開始されているが、同ブースからも北米版HD DVD「FREEDOM 第1巻」(アニメフェア会場特別価格:4,284円)や、日本向けのBD/HD DVDソフトの予約ができるようになっている。なお、同サイトの価格は15%引きで、10,290円のタイトルは8,746円。また、ブースの入り口ではFREEDOMのHD DVD版をデモ。HDiのインタラクティブ機能が体験できる。
□バンダイビジュアルのホームページ (2007年3月22日) [AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]
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