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世界最大級のアニメ総合見本市として、毎年東京ビッグサイトで開催されている、東京国際アニメフェア(TAF)。それを主催している、東京国際アニメフェア実行委員会は10日、次回「東京国際アニメフェア 2008」の開催に向け、第1回実行委員会を東京都庁で開催。委員長の石原慎太郎東京都知事も参加し、TAFの今後について話し合いが行なわれた。
2007年のアニメフェアは3月22日~25日まで開催され、総来場者数は合計107,713人と、昨年の98,984人から8.82%増加し、過去最高を記録。「海外バイヤーも増加し、有益な商談ができた」というビジネス面の好評価や、「子供も楽しめるイベントが多く、楽しい休日を過ごせた」という親子連れの意見も紹介されるなど、各面でのイベントの成果が報告された。
反面、来場者が増加したため、「声優が参加するステージイベントや、アニメソングライヴなどの会場では足の踏み場が無いような状態になった」(事務局)という問題も浮上。次回は入場口のスペース拡大や、通行経路をより広くとれるようなブースレイアウトを工夫することなどが確認された。
決算面では、広告費の増加や、規模の拡大による人件費の増加などが原因で、執行予算額3億6,150万円のところ、支出合計は約3億9,684万円と赤字化。2007年度から東京都に変わり、事務局を務める日本動画協会の理事長で、手塚プロ代表取締役社長の松谷考征氏は「効率化を図ることが民間の知恵だが、赤字化してしまい申し訳ない。次回は改善すべきところをキチッとやっていきたい」と決意を語った。
これらを踏まえ、「アニメフェア 2008」の概要も発表。会期は2008年3月27日~30日までの4日間で、2007年度と同様に27/28日がビジネスデー、29/30日がパブリックデーになる。会場も同じで、東京ビッグサイトの1~3ホールと会議棟が使われる。2008年度の来場者数は12万人(業界関係者3万人、一般来場者9万人)を見込む。
■ 石原都知事「アカデミー賞のようなアニメアワードを」
今後の方針についての会議には、石原都知事も参加。石原氏はさっそく「アニメフェアも充実してきて、東京として、日本として、大事なイベントになった。せっかくここまで来たのだから、フェアだけでなく、平行してハリウッドでやっているアカデミー賞のオスカーのような、アワード形式のコンテストをやったらどうだろう?」と提案。 「商品としてアニメを流通させるだけの場ではなく、そこで提案された作品がオーソライズされるようなコンテストにして欲しい。東京も協力させていただく」という。 これに対し「前向きに検討したい」、「アニメフェアで行なっているクリエイターズワールドの発展/充実ができないか?」などの意見が挙がる。しかし、自らが提案したアワードについての具体的な意見交換が行なわれない雰囲気を察知すると、石原都知事は「アワードやるのはそんなに大変なことですか?」と首をかしげる。
「やろうと思えばすぐにできると思うよ。ベルリンやカンヌ、釜山のように。アニメは日本がイニシアチブをとってきたんだから、やればいい。いくらも金かからないし。 他にやる人もいないし、やる資格がある国もない。皆さんに考えてもらいたい。やろうじゃないか」と熱いプッシュ。最後には「やれよほんとにもう。毎年おんなじことやってもつまんねぇだろう、新しいことやろうぜ」と言い切り、参加者が苦笑いする一幕もあった。
「アニメーションにおけるアカデミー賞のようなアワードを作りたい」という想いは、石原都知事の中に以前からあるようで、2004年の東京国際アニメフェアの「東京アニメアワード」授賞式でも、「このアワードをアニメーションにおけるアカデミー賞のような権威になれるよう育てていきたい」と語っている。
実際に新しいアワードが作られるかどうかは今後の話し合い次第だが、作られるとなると東京アニメアワードとの住み分けも必要になりそうだ。なお、石原都知事は既にアワードの式典を行なう会場も決めているとのこと。「東京国際フォーラムでやりましょう。あそこの社長は私の親友で才覚のある男。先日も音楽イベントも成功に導いていた」と、構想は尽きない様子だ。
□東京国際アニメフェアのホームページ
(2007年7月10日) [AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]
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