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株式会社日立製作所は、1,920×1,080ドットのフルHD記録対応ビデオカメラの実現に向けた基幹技術として、8cm BD/DVDドライブやコーデックLSI、画像処理LSI、530万画素CMOSイメージセンサーなどを開発した。 同社では「これらの技術を組み合わせることで、全てのプロセスをフルハイビジョンで一貫処理し、Blu-ray Disc(BD)に記録するビデオカメラを開発できる。フルHD映像を撮影から記録、再生、保存まで手軽に楽しむことが可能となる」としている。 BDビデオカメラの製品化時期については、「今秋から年末にかけての発売を目指す」としている。 ■ 8cm BD/DVDドライブ 世界初となる、BD-RE/RとDVD-RAM/RW/Rの5種類の8cmディスクの記録/再生に対応したドライブ。 BDとDVD用の2つの光学系部品と、BD用の小型収差補正機能を持つ薄型ピックアップを採用し、従来のDVDカメラとほぼ同容量のメカシャーシを実現。 8cm BD-R/REディスクの記録容量は約7GBで、DVDと比較して約5倍の記録が可能。転送レートもDVD比で約3倍となる。ディスクの高速記録とメモリバッファ機能を組み合わせた間欠記録技術により、消費電力の低減を図っているほか、高速回転と静音性を両立するP-CAV(Partial-Constant Angular Velocity)制御技術も開発した。 ■ H.264/MPEG-2両対応の映像音声コーデックLSI
HD解像度のMPEG-4 AVC/H.264映像圧縮のほか、SD解像度のMPEG-2、JPEG静止画記録に対応したコーデックLSI。H.264からMPEG-2へのダウンコンバートにも可能。1チップで、H.264/MPEG-2/JPEG記録に対応するコーデックLSIは、民生ビデオカメラ用では初めて。 独自開発の動画高画質化アルゴリズムを内蔵。業界初という適応型動き予測(Macro Block Adaptive Frame/Field)制御技術を採用し、画面内の動きに応じて「マクロブロック(16×16画素)」単位でフレーム/フィールドの予測処理を切り替え、動きが大きいシーンでも、精細な映像表現を可能とした。 前後フレームとの相関からの動きを予測するフレーム間予測と、同一フレーム内映像での予測を、映像の動きに応じて切替えて符号化するするイントラ/インター適応制御技術も導入。また、画質劣化が起きやすい部分を事前に判断し、エンコードする符号化レート制御技術も備えている。 ■ 高画質カメラ画像処理LSI
フルHD解像度での高画質処理を実現するLSI。 DVDカムの信号処理アルゴリズムをフルHD用に進化させた「Advanced CCM回路」を搭載。大画面テレビでの視聴時に、輝度変化の大きい部分で被写体と異なる色が生じる現象を抑制するという。 ノイズリダクションも、新開発の「Adaptive DNR(新適応型ノイズリダクション)」を採用。被写体の輪郭部分(高周波信号)と信号レベルの平坦な部分を判別して、適応的にノイズ低減を行なうことで、高解像度を維持しながらS/Nの改善を実現した。 ■ 530万画素CMOSセンサー
日立が協力し、米Altasensが開発した、1/2.8型総画素数約530万画素のCMOSセンサー。プログレッシブ読み出し方式と、原色カラーフィルタを採用する。 フルHDの1,920×1,080ドット/60Hz高速読み出しを実現したほか、静止画撮影にも対応。画素サイズを2.09μmと微細化し、530万画素を実現しながら、センサーサイズを1/2.8型と小型化した。 □日立製作所のホームページ ( 2007年7月20日 ) [AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]
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