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キヤノン株式会社は、AVCHDフォーマット対応のHDDビデオカメラ「iVIS HG10」を9月上旬に発売する。価格はオープンプライスだが、店頭予想価格は14万円前後の見込み。 40GBの1.8型HDDを搭載したビデオカメラで、同社初のHDD内蔵ビデオカメラとなる。光学系や撮像素子、画像エンジンなどは、6月に発表したAVCHD対応DVDビデオカメラ「iVIS HR10」と同じ。1/2.7型総画素296万画素の単板原色フィルターCMOSセンサー「キヤノン HD CMOS」と、ハイビジョン撮影に対応した光学10倍ズーム「キヤノン HDビデオレンズ」(F1.8~3.0)を搭載する。フィルター径は43mm。
映像エンジンも「DIGIC DV II」で、最低被写体照度は3lux(シャッタースピード1/30秒時)となっている。24コマ/秒のプログレッシブ撮影(記録は60i)と、ガンマ値やマトリクスなどが映画風のシーンモードが設定される「シネマエフェクト」も装備。1,440×1,080ドット(1080i)でのMPEG-4 AVC/H.264(High Profile)録画に対応している。 ハイビジョンの録画モードはHXP(15Mbps)、XP(9Mbps)、SP(7Mbps)、LP(5Mbps)の4種類から選択可能。HR10では記録メディアがDVDのため、最大ビットレートが12Mbpsに制限されていたが、HG10では15Mbpsに引き上げられているほか、SD解像度の録画モードが省かれている。
HDDを搭載するにあたり、「耐衝撃ダンパー」と「磁気ヘッド退避システム」、「バッファメモリ」(約1秒程度)の3つの技術で構成される「スリーウェイHDDプロテクション」を採用している。なお、HDDのメーカーは非公開。最高画質のHXPモードで約5時間30分(LPモードで約15時間)の撮影が可能となっている。撮影した映像は、カメラ本体内で日付で検索できる。また、撮影を一時中断する際に、約1秒で撮影を再開できる省エネモードでスタンバイする「クイックスタートボタン」も装備する。 外形寸法は約81×129×75mm(幅×奥行き×高さ)、本体のみの重量は約505g(撮影時重量565g)と、HR10(約65×133×93mm/約530g)より横幅が広くなったものの、高さや奥行きは短くなり、重量も軽くなった。同社では「セパレートヒートウェイシステムを採用することにより、LSIの熱を効率よく拡散し、小型化を実現した」としている。
AFについても、コントラスト検出方式と外測センサーのハイブリッドで、2種類の方式を併用した「ハイスピードAF」と、コントラスト検出のみの「ノーマルAFモード」を選択できる。手ぶれ補正は光学式で、電源と連動して開閉するレンズカバーも内蔵する。
液晶モニターは2.7型ワイド(約21.1万画素)で、ハードコートAR表面処理が施された「鮮やかワイド液晶」。視野角は上下135度/左右135度となっている。また新たに、液晶モニター横に「クイックセレクトリング」を装備。セレクトリングをまわす、十字操作、セットボタンを押すことにより、「多彩な機能を簡単に使いこなせる」としている。EVFは、0.27型(約12.3万画素)。 本体には、ミニビデオライトとストロボも内蔵。また、miniSDカードスロットも装備し、JPEGで静止画記録も可能。静止画モードでの記録解像度は2,048×1,536/1,920×1,080/1,440×1,080/848×480(ディスク記録のみ)/640×480ドット。動画撮影中にも1,920×1,080ドットでの静止画同時記録も可能で、miniSDカードの容量いっぱいまで、連続して撮影できる。さらにHDDから1,920×1,080ドット(1,440×1,080ドットからの補間)で静止画を切り出すことも可能。なお、動画はHDDのみ、静止画はminiSDにのみ記録でき、その逆はできない。 バッテリは「BP-2L13」が付属し、SPモードの連続撮影時間は約115分(ビュファインダー使用時)/約110分(液晶モニター使用時)。別売りの「BP-2L24H」(9月上旬発売/16,800円)を使用すれば、約245分(ビュファインダー使用時)/約235分(液晶モニター使用時)の連続撮影が可能になる。 また、AVCHDに対応した統合ソフト「Corel Application Disc」(Windows XP/Vista対応)が同梱される。Corel Application Discは、「GuideMenu」、「DVD MovieWriter SE」、「WinDVD SE」で構成されており、GuideMenuではPCへの転送、書き戻しが可能。DVD MovieWriter SEにより、AVCHD方式の動画の編集や、オーサリングが行なえ、WinDVD SEで、AVCHD方式の動画を再生できる。HR10付属版では、発売後のバージョンアップにより、GuideMenuからDVDビデオが簡単に作成できたが、HG10付属版ではその機能は省かれており、DVDビデオを作製する場合は、DVD MovieWriter SEを使用する必要がある。また、「バックアップユーティリティ」も付属する。
本体には、HR10では省かれていたアクセサリーシューや、マイク端子、ヘッドフォン端子も装備するほか、HDMIはmini端子に変更されている。アクセサリーシューには、対応ビデオライトや、マイクなどを別配線なしに装着できる。そのほかに、AVマルチ(専用端子)、D端子(専用端子)、USB端子(mini-B)も備える。また、バッテリパック「BP-2L13」や、コンパクトパワーアダプタ「CA-570」、ワイヤレスコントローラ「WL-D86」、専用D端子ケーブル「DTC-100/S」、ステレオビデオケーブル「STV-250N」などが付属する。
□キヤノンのホームページ
(2007年8月1日) [AV Watch編集部/furukawa@impress.co.jp]
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