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株式会社バンダイは、オモチャの楽器を持ったロボットが曲にあわせてパフォーマンスをしながら音楽を再生する“ミュージシャン・ロボット”「LITTLE JAMMER PRO. tuned by KENWOOD」に追加するヴォーカルロボットとして、美空ひばりさんを採用。「美空ひばりジャズを唄う」として、12月14日に23,100円で発売する。
「LITTLE JAMMER PRO. tuned by KENWOOD」(52,500円)は、音響技術面でケンウッドと協力して開発されたエンターテイメント・オーディオ・ロボット。「LITTLE JAMMER」シリーズの最上位モデルと位置付けられており、音源エンジンを下位モデルの8bitから16bitに強化した、音質の高さが特徴。40~50代の男性を中心に人気を集め、シリーズ累計販売数は9万台を突破しているという。
サブウーファを内蔵したコントロールボックスと、ミュージシャンロボット6体、楽曲データを収録したROMカセットで構成。音楽に合わせて演奏しているかのように動くロボットは、ピアノ、ギター、ドラム、サックス、ベース、トランペットの各パートを担当。台座部にスピーカーを内蔵しており、各パートの音声を、その楽器を持ったロボットから再生する6.1chシステムとなっている。
今回発売される「美空ひばりジャズを唄う」は、このシステムに追加するゲストプレーヤー。付属のカートリッジ2個に17曲の名曲を収録しており、ひばりさんの歌声も収録。外見もひばりさんをイメージしており、音楽に合わせて口を開閉。手でリズムを取り、マイクを上下させたり、顔や体の向きを変えるなど、多彩な動きを交えて名曲を歌い上げる。
収録曲は以下の通り。 【HIBARI JAZZ&STANDARDS】(カートリッジ1)
【ひばり ベストセレクション】(カートリッジ2)
また、付属のカートリッジ以外を再生した際、歌う動作は行なわないが、マイクを持っていない右手でリズムは刻むという。なお、「美空ひばりジャズを唄う」は、下位モデルの「LITTLE JAMMER」や「LITTLE JAMMER meets KENWOOD」 との互換性は無い。
■ 「紳士服売り場で良く売れる」
開発にあたっては、ひばりさんの息子であり、ひばりプロダクションの加藤和也社長と、音源提供としてコロムビアミュージックエンタテインメントが協力。百貨店や大型ホビー店、大型書店などでの販売を予定。2008年12月までに、2万台を販売目標として掲げている。 挨拶に立ったバンダイの上野和典社長は、「LITTLE JAMMERシリーズ初のアーティスト・モデルとして、ひばりさんを用意できたのは非常に光栄なこと。従来LITTLE JAMMERシリーズは、団塊の世代を中心とした男性に人気があったが、今後は50代以上の、ひばりさんファンの女性もターゲットとしていきたい」と、戦略を語る。
販路については「従来モデルを紳士服の売り場に置いたところ、売り場が静かなこともあり、JAZZの音が良く聞こえ、平日の昼間などに、中年の男性が買い求める姿が多く見られた」という事例を紹介。これまでの販路を踏襲するだけでなく、「女性をターゲットにすることで、例えば通販番組などでも訴求していきたい」とした。
開発に携ったひばりプロダクションの加藤社長は、「子供の頃は家に1人でいる事が多かったので、ガンプラなど、オモチャが友達だった。だからバンダイさんは非常に好きなメーカーで、今回そこに母が登場するということで、感無量。楽しく仕事ができました」という。 オーディオマニアだという加藤社長は、音質面でも「ここのギターを大きくとか、ここはヴォーカルを下げてなど、注文もした」という。「オモチャと呼んでいいのかわからないほどクオリティが高く、目の前でライヴが行なわれるような感じをぜひ体験して欲しい」と、製品をアピールした。 さらに、コロムビアの廣瀬禎彦社長兼CEOも登壇。「ひばりさんのJAZZを歌ったCDは、今でも女性JAZZヴォーカルのランキングトップ10に入っているため、社内では現役のアーティストとして扱っている」と、衰えぬ人気を紹介。
製品については「歌声に動きがついているため、立体感があり、ジーンと来た」と絶賛。「社長室にJAZZクラブのジオラマを作って、そこに配置して楽しみたい」と笑顔で語った。
■ 中村メイコ/日野皓正が登場
発表会後半には、スペシャルゲストとして、生前親交のあった中村メイコさんと、日野皓正さんが登場。司会の徳光和夫さんも交え、トークショーを展開。「一度聞いただけの曲も、すぐに歌える記憶力の良さ」や、「クラブに飲みに出かけた際、急に“歌いたい”と言ってステージに上がり、素晴らしい歌声を披露した」など、故人の気さくさや奔放さ、憎めない人間的な魅力などを、当時のエピソードを交えて紹介した。 日野さんは「最後、歩くのも辛いような状態の時に同じステージに立たせていただいたが、ステージに上がると別人のように活き活きと動きまわって、本当に凄い人だと関心した」。 中村さんは「なかなか会えないカズちゃん(加藤社長)のために、寝る前に聞く用として、絵本を朗読してテープに吹き込んで届けていた。でも、歌と違ってその朗読は下手で、でも一生懸命読んでいる姿が大好きだった」と、当時を振り返った。
ひばりさんのロボットについては、「ちょっとふくよかになった頃だけど、雰囲気が良く似ている」(中村さん)と笑う。動きながら歌う姿を見た後は「機械に心を感じることは無いと思っていたのだけれど、この製品には心を感じました」と絶賛した。
□バンダイのホームページ
(2007年10月23日) [AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]
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