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宇宙航空研究開発機構(JAXA)と、日本放送協会(NHK)は13日、9月に打ち上げ、10月18日に高度約100kmの月周回観測軌道に投入した月周回衛星「かぐや(SELENE)」から、世界初のハイビジョンによる「地球の出」の撮影に成功したと発表。その動画と静止画像を公開した。
今回撮影されたのは月面越しに地球が昇っていく「地球の出」と月の南極付近の地平線に地球が沈んでいく「地球の入り」で、11月7日12時7分に「地球の入り」を撮影し、同日14時52分に「地球の出」を撮影。動画データはJAXA臼田宇宙空間観測所に送信され、NHKにおいてデータ処理が行なわれた。
動画は480×270ドットに解像度を落として公開されているが、静止画はフルHDの1,920×1,080ドットで、地球上の大陸の様子なども確認できる。
月面越しに地球が昇っていく「地球の出」は、アポロ計画で初めて撮影された。暗黒の宇宙空間にただ一つ浮かぶ青い地球が印象的な映像となっている。なお「地球の出」は月の周りを回る衛星でのみ見られる現象。実際に月面上に立つ人間からは、地球は常にほぼ同じ位置に見えるため、地球の出を見ることはできない。 臼田宇宙空間観測所で受信したテレメトリデータによれば、衛星の状態は正常だという。
なお、NHKでは11月14日の夜8時から、総合テレビで特別番組を放送。「月の謎」プレゼンターに稲垣吾郎、司会に桂文珍、與芝由三栄アナウンサーを迎え、月面のハイビジョン映像を放送。ゲストとしてアポロ12号で月面に降り立ったアラン・ビーンも米国から中継で参加。「かぐや」の科学観測の内容を紹介するほか、「月はどのように誕生したか」など、月の情報も盛り込まれる。
□NHKのホームページ
(2007年11月13日) [AV Watch編集部/ike@impress.co.jp]
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