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オーディオメーカーと輸入商社などが参加する展示・試聴イベント「Hi-End Show Tokyo 2008 春」が9日、東京・有楽町の東京交通会館で開幕した。期間は5月9日~11日までの3日間。入場は無料。 同イベントは2006年まで、1年に1度、10月に開催されていた。しかし、1年に複数回開催して欲しいという来場者からの要望や、新製品をより早く紹介したいというメーカーの声を受け、2007年から春(5月)と秋(10月)の年2回開催されている。 交通会館12階のダイヤモンドホールに各社が試聴コーナーを設けており、各社ローテーションで再生デモを行なっている。また、3階のグリーンルームではロッキーインターナショナルが単独でデモコーナーを用意しているので、こちらも忘れずにチェックしたい。なお、参加メーカーは30社だが、クボテックとデジタルドメインは5月10日と11日のみの特別出展となり、9日には出展していない。
■ トライオード トライオードのブースでは、真空管を使ったDACの新モデル「TRV-DA1SE」が注目を集めている。最大の特徴はiPod用Dockを搭載していること。ただし、iPodからの出力はデジタルではなく、アナログを使用している。D/A変換は行なわないが、内部で真空管を通すことで、味のある音色でアンプなどに出力できるという。真空管は12AU7/ECC82を2本、5AR4を1本使用している。 光デジタル×1、同軸デジタル×2、AES/EBU×1系統の入力を備えるほか、USB端子も用意。PCと接続してUSBオーディオとしても動作する。秋頃の発売を予定しており、価格は15~17万円程度を予定している。同じく参考出品されていたフォノイコライザ「TRV-EQ3SE」はMC型カートリッジにも対応するモデル。リリースはDACよりも早くなる予定で、価格もDACと同程度になるという。
ブースでは、同社が輸入代理店となっている英Spendorの新型フラッグシップスピーカー「SP100R」を使用。S100やS100Pを進化させたモデルで、ミッドレンジユニットからネットワークまで、新開発パーツを投入。中低域の位相特性と周波数特性、信号への応答性が大幅に改善したという。3ウェイ3スピーカーのバスレフ型。ウーファは30cm径。ミッドレンジは16cm径、ツイータは1.9cm径。ペアで価格は806,400円。
■ ロッキーインターナショナル ロッキーインターナショナルのブースでは、6月中旬の発売を予定している、Zingali Speakerの新スピーカーラインナップ4モデルを展示。Zingaliの特徴はコンプレッションドライバーを採用したホーンだが、そのホーン部分に無垢のイエローポプラを使用。独自の掘削加工技術で円形に仕上げることで、360度の円形放射パターンや、140度の拡散角度を実現。リスニングエリアのシビアさなど、ホーンシステムの欠点と言われる部分を克服しているという。 ユニット間の音の繋がりを良くするため、ホーンの開口部の直径とウーファの直径を一致させている。4モデルは総てバスレフで、背面にスリット型のポートを用意。キャビネットはMDF。
新ラインナップは「TWENTY」シリーズと名付けられており、最も低価格な「TWENTY 2.06」は1台735,000円。170mm径ウーファを2基、1インチのコンプレッションドライバを使った2ウェイのトールボーイ。「2.08」(1台945,000円)はウーファが210mm径のモデル。「1.12」(1台136万5,000円)は320mm径ウーファ×1、コンプレッションドライバの2ウェイ。最上位の「2.12」(1台199万5,000円)は320mm径ウーファを2基にした2ウェイ(スタガード)。
フランスFOCALのスピーカーにも、新シリーズ「ELECTRA 1000S」が登場。Electra 1037Beや1027Beの下位モデルと位置付けられており、トールボーイ型の「1027S」(1台451,500円)、ブックシェルフの「1007S」(1台252,000円)を用意。6月中旬に発売する。どちらもアルミとマグネシウムの合金を使った新開発ツイータを採用。黒い塗料を蒸着で均一に薄膜塗装することで、ダンプ効果を得ているほか、バッフル面との色調統一も図ったという。 トールボーイは2.5cm径のドームツイータ、16.5cm径のミッドバス、16.5cmのウーファ2基を備えた3ウェイ4スピーカー。ブックシェルフは2.5cm径ドームツイータ、16.5cm径ミッドバスの2ウェイ。どちらもバスレフとなっている。
■ ヘビームーン ヘビームーンのブースでは、2月から販売を開始したPMC製新スピーカー「i」シリーズを展示。「TB2i」(2ウェイブックシェルフ/ペア306,600円)、「OB1i」(3ウェイトールボーイ/ペア891,450円)、「FB1i」(2ウェイトールボーイ/ペア595,350円)、「GB1i」(2ウェイトールボーイ/ペア402,150円)などをアピールしている。いずれもPMC独自のAdvanced Transmission Line(ATL)技術を継承。新設計の「SOLONEXドームツイータ」を搭載しているのが特徴。
同社はフランス、Highland Audioのスピーカーも取り扱っているが、そのHighland Audioと同じ系列のコンポーネントメーカー、CARAT(キャラット)の製品も参考展示している。秋頃に日本で発売する予定で、プリメインアンプ「A57」、FM/AM対応アナログチューナ「T57」、CDプレーヤー「C57」のラインナップ。さらに、アンプとCDプレーヤーを一体化した「I57」も用意。各モデル20万円程度を予定しているという。 厚みのあるガラスをフロントパネルに使用し、光沢のあるブラックカラーと、青いイルミネーションがアクセント。「クールなイメージのコンポーネントとして、Highland Audioのスピーカーとの組み合わせなどで提案していきたい。フランスならではの個性のある音質とデザインの両面で特色をアピールしたい」という。 カナダBrystonのCDプレーヤー新製品「BCD-1」も参考展示している。24bit/192kHz対応のDACを備え、オーバーサンプリングでD/A変換を行なう。発売時期は未定で、価格は40万円前後になるという。
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■ ファオン 「A&Vフェスタ2008」でも注目を集めていたファオンは、Hi-End Showでも多くの来場者が足を止めていた。ボーズに在籍していたエンジニアが開発した独創的な形のスピーカー「TENAM」(ペア94,500円)が話題。エンクロージャーはベトナム伝統の竹工芸技術による手作りで、ユニットは上方を向いている。無指向性スピーカーに近く、BOSEの「901」と同様に間接音を重視。厳密なセッティングを行なわなくても広大な音場が楽しめるのが特徴だ。
新製品として、100×120×25mm(幅×奥行き×厚さ)、重さ213gという手のひらサイズのデジタルアンプを販売中。出力は15W×2ch(4Ω)。電源はACアダプタを使用。RCAのアナログステレオ入力を備え、スピーカーターミナルもRCA。専用ケーブルでスピーカーに接続する。36,000円と低価格なのも特徴。また、5月末頃の発売を予定しているという、20~30万円程度のデジタルアンプ上位モデルも参考展示している。出力は100W×2ch。
■ その他 小型ヘッドフォンアンプ「Dr.HEAD」が人気のエゴシステムズは、その後継モデル「imAmp」を参考展示している。「開発が順調に進めば5月末に正式発表、6月の頭に発売したい」とのことで、価格は2万円台を予定している。Dr.HEADと同サイズの筐体を使用しているが、カラーリングがブラックになったため、コンパクトな印象を受ける。低音に勢いがあり、「従来よりもメリハリのあるサウンドが特徴」だという。
フルテックのブースでは、HDMIのウォールプレートを参考展示している。1080pの映像と音声を、壁内配線するためのものだが、プレートの裏側を見ると2個のEthernet端子が見える。HDMIの信号をEthernetに変換し、PC用のLANケーブルで配線することで、高価なHDMIケーブルを使わずに長距離の配線が可能になるという。 2本のLANケーブルで伝送するのは1本では伝送スピードが足りないため。しかし、長距離配線になるため、「1080pはサポートできるが、HDMI 1.3規格をサポートするのは難しく、仕様としては未定」だという。信号変換のため、片側にACアダプタを使った給電が必要。主にインストーラー向けに販売する予定で、年内の製品化を予定。価格などは未定だという。
元ソニーのエンジニアが立ち上げたドリームクリエーションでは、パークオーディオブランドで、ウッドコーンユニットを販売中。六本木工学研究所のブースで、このユニットを使ったスピーカーのデモが行なわれている。ビクターのウッドコーンと異なるのは、多層構造になっていること。これにより、素材の構成を自由に選択でき、小口径から大口径までユニットの豊富なラインナップが実現したという。
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(2008年5月9日) [AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]
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