|
総務省の情報通信審議会 情報通信政策部会(第30回)が23日開催された。同政策部会の委員会から、第5次中間答申に向けた報告が行なわれた。 ■ 生活保護世帯への簡易チューナ配布を提言 「地上デジタル放送推進に関する検討委員会」で協議が行なわれていた「地上デジタル放送の在り方」ついては、中間答申案がまとめられて、承認された。 同案は、2011年のデジタル放送完全移行に向け、「今後3年間を最終段階と位置づけて」まとめられた。難視聴対策のための衛星放送の活用や、アナログテレビへのシール貼付、放送終了の告知のためのメッセージ表示、地上アナログ放送終了後のアナログテレビのリサイクルなどが盛り込まれている。低価格チューナの開発/流通については、「2009年夏までに実現できるよう取り組むべき」と言及している。 加えて、地上デジタル放送の完全移行に向け、生活保護世帯を対象に、国が専用チューナを無償で支給する方針を決定した。2007年の第4次答申で触れている「自己負担による購入」を原則としながらも、「経済的な理由により、必要最小限の対応すらできずに、テレビが視聴できなくなり、災害時も含めた必要な情報をこれまで得ていたのに得られなくなる事態が生じることのないよう、支援を行なうことが適等」とし、2009年度から生活保護世帯を対象に、簡易チューナの無償給付を行なうよう提言している。 2006年度の生活保護世帯は約107万世帯で、これらの世帯が対象となる見込み。なお、給付の方法については、「現物給付を基本とし、国において具体的検討を行なうべき」としている。また、現物給付による一括発注により、簡易チューナの低価格化も促していく。さらに、必要に応じて室内アンテナの給付や屋外アンテナの回収等の支援も検討すべきとしている。 また、2008年秋に全国10箇所に「テレビ受信者支援センター(仮称)」を設置。センターは地方公共団体や放送事業者、メーカー、工事事業者、販売店などが協力し地域密着型の組織として運営。説明会の開催や工事業者の紹介などを担当する。完全移行に向けて取り組む。さらに、「2009年初頭には全都道府県に一箇所は設置するべき」としている。 ■ デジコン委員会は骨子案を提出 「ダビング10」の決着を見た、「デジタル・コンテンツの流通の促進等に関する検討委員会」からは、答申案ではなく、骨子案が提示されるにとどまった。答申案の文面等について24日に委員会で議論し、まとめる予定。 ダビング10の開始日時については、19日の委員会の合意を得たことと、Dpaが23日に開始日時を7月4日午前4時に決定したことを報告。答申案の文言については、次回委員会で確定するが、「情報通信審議会として、私的録音録画補償金の議論について早期の合意形成を図られることを期待する」との趣旨の骨子案に対して、同委員会の委員を努める消費者団体の代表からは「ダビング10と補償金の問題を切り離す、としているが、もともと委員会で補償金の問題を扱っていたわけではない。“期待する”というという人がいるのはわかるが、“期待していない人もいる”(高橋委員)」との意見も出た。 デジタル放送のコピー生後に関わるルールの担保手段(エンフォースメント)の議論についても、前々回の委員会の内容の整理などが報告されたほか、コンテンツの取引市場の形成など取り組みなどについても報告された。これらも、24日の委員会の議論を受けて中間答申案を決定する。 □総務省のホームページ ( 2008年6月23日 ) [AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]
Copyright (c)2008 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved. |
|