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ザムドはPS3での独占配信となっており、ゲームショウ前の9月を目処に配信を開始予定。テレビ放送などは予定されていない。1話30分の26話構成で、映像はHD版とSD版を用意、音声は5.1chでの配信となる。配信方式はダウンロード配信で、3日間再生可能なレンタル方式を採用。価格はHD版が400円、SD版が300円。HD版の映像は720pのMPEG-4 AVC/H.264で、ビットレートは6~8Mbps。SD版は1.5~2Mbps程度となる見込み。
なお、PS3への映像配信では、ダウンロード後、PSPにチェックアウトしてビデオをPSPで楽しむサービスも開始が予定されている。方式としてはDRMにはMarlinを採用しているのが特徴。「ザムド」でもPSPへの転送が可能だが、ムーブ扱いとなり、おかえり転送のような機能は無い。また、PSP転送が可能なのはSD版のみでHD版は転送できない。時期は未定だが、PC向けのPSNでも同作品の配信が予定されている。
既報の通り、PLAYSTATION Network上での映像配信は6月の経営方針説明会で発表。その後、E3でも概要が発表され、北米では既にサービスがスタート。「亡念のザムド」の第1話も配信されており、配信コンテンツ内でナンバーワンの配信数を達成したという。
今回の発表は同作品の国内配信開始に限定されており、国内における動画配信サービスの概要は「別の機会を設けてお知らせしたい」(SCE ネットワークビジネス&サービス部 PSN開発・運用課の田井野賢課長)としており、10月の「東京ゲームショウ 2008」にて、そのほかの配信作品などが発表される模様。
■ 亡念のザムド 舞台は、組み込むことで浮遊機関を作ることができる“赤宙石”(せきちゅうせき)が存在する、架空の世界。その石を巡り大規模な戦争が勃発。それから70年後の世界で物語りはスタートする。黒光りする油泥海(ゆでいかい)に囲まれた尖端島で、16歳の主人公・アキユキ は幼なじみの少女ハル達とともに、平和な暮らしを満喫している。だがある日の登校途中、スクールバスの中で爆破事件に巻き込まれてしまう。 爆心地にいた白髪の少女を助けようとしたアキユキだが、彼女がまき散らした「ヒルコ」が体内に入り込み、強力な力を持つ「ザムド」に変身してしまう。時を同じくして、敵対政府のヒトガタ兵器が尖端島に襲来。ザムドと化したアキユキは、その力を制御できないまま、暴走状態でヒトガタ兵器に襲いかかる。そんなザムドの前に、ヒトガタ使いの少女・ナキアミが現れる。彼女はザムドを国際郵便船ザンバニ号へと連れ帰り、アキユキの姿に戻す。かくしてアキユキは自らの中のザムドの力を制御するため、そしていつか尖端島に戻るため、ザンバニ号の仲間達と世界を巡る旅に出るのだった……。
発表会にはボンズの南雅彦代表取締役と宮地監督、出演声優から竹原アキユキ役の阿部敦さん、西村ハル役の折笠富美子さん、ナキアミ役の三瓶由布子さん、アクシバ役の小西克幸さんが出席。作品にかける意気込みなどを語った。 南代表は配信形態も含め、今回のプロジェクトを「奇跡の出会い」と表現する。「監督からザムドの企画書があがって来た時に、内容やビジュアルから“これは新しい作品になるな”と感た。それ故、どういう形でお客さんに届ければいいか悩んでいた。そこに、PSNでの配信の話を頂き、“これはザムドのために作られたネットワークじゃないか!”と思うくらいの“出会い”を感じた」という。PS3への配信という試みについては、「同じ時期に、同じ機械で、世界中の人々がこの作品を観てくれるというところに魅力を感じています」と答えた。 宮地監督は、作品でこだわったポイントについて「アニメは絵に描いたものなので、喜怒哀楽から無頓着になりがちになってしまう。例えば登場人物が傷ついても、翌週の放送では元気だったり。今回の作品では“そういうところで嘘をついちゃいけない”と思いながら作っています。それと、昔は丁寧に描かれていたけれど、最近ではおろそかになりつつある“人と人との関係”にも、こだわっています」と説明。「見所は音響、映像、声優さんの演技、つまり“全て”です。スタッフも昼夜問わずがんばっています。“懸命なものは人の心を打つだろう”と思って取り組んでおりますので、喜んでもらいたい」と笑顔を見せた。
阿部さんは、演じる主人公アキユキについて「どの年代の方が観ても、共感できる少年だと思う。様々なことにぶつかって成長していくキャラクターなので、自分も同じようにぶつかっていきたい」と抱負を語る。ちなみに阿部さんは主役を演じるのは初めてとのこと。「ボンズさんの作品は昔から好きで、出てみたい、できれば主役をやりたいなと思っていたので、その夢がかなって嬉しいです」と語る。 ヒロイン・西村ハル役の折笠さんは、演じる上の注意点として「映像を観たらキャラクターの表情や動きが本当にリアルなので、声の演技が過剰にならないように気をつけている」という。作品については「とにかく言葉や映像、音楽の全てが心に響く作品。凄いことになりそうだという予感を感じています。ぜひ、世界中の人に勧めて欲しいです」。 「この発表会場に来て、あらためて作品の大きさを実感し、緊張しています」と笑うのはナキアミ役の三瓶さん。「キャラクターが生き生きとした作品。参加できて嬉しく思います」とコメント。主人公達が搭乗するザンバニ号のムードメーカー、アクシバ役の小西さんは、演じるキャラクターについて「ザンバリ号を学校に例えるとクラスのお調子者。周囲からは、演技ではなくて“そのまんまじゃないか”と言われています」と苦笑い。なお、次週予告のナレーションも小西さんが担当。「(原稿を)歌ったり、句のように読み上げたりと、本編に輪をかけてフリーダムにやらせていただいています」とのこと。予告まで見逃せない作品になりそうだ。
ちなみに、声優陣の質問された阿部さん、折笠さん、三瓶さんは残念ながらPS3を持っていないとのこと。阿部さんは「大至急買わないといけませんね(笑)」、折笠さんは「原物も見たことなくてすみません(笑)。持っている友達から勧めていきたいです」とコメント。三瓶さんは「持っていないんですけれど……もらえるのかな~」と小声で言いながら周囲のスタッフをチラチラ見るも、司会から「ご自身のお財布から、ぜひお買い求めいただければ」と突っ込まれ会場の笑いを誘っていた。
□SCEのホームページ
(2008年7月18日) [AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]
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