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個性派オーディオが集まる「Hi-End Show Tokyo 2008 秋」
-オンキョーのフロア型SP。イヤフォン聴き比べも


開場前には長蛇の列ができた
期間:10月10日~12日

会場:東京交通会館 3階、12階

入場料:無料


 オーディオメーカーと輸入商社などが参加する展示・試聴イベント「Hi-End Show Tokyo 2008」が10日、東京・有楽町の東京交通会館で開幕した。期間は10月10日~12日までの3日間。入場は無料。

 同イベントは2006年まで、1年に1度、10月に開催されていた。しかし、1年に複数回開催して欲しいという来場者からの要望や、新製品をより早く紹介したいというメーカーの声を受け、2007年から春(5月)と秋(10月)の年2回開催されている。

 交通会館12階のダイヤモンドホールに各社が試聴コーナーを設けており、各社ローテーションで再生デモを行なっている。また、3階のグリーンルームではロッキーインターナショナルが単独でデモコーナーを用意しているので、こちらも忘れずにチェックしたい。なお、参加メーカーは45社。


■ オンキヨー

 オンキヨーブースでは、2007年秋の同イベントで展示した3ウェイフロアスピーカーを、さらにブラッシュアップしたモデルを参考展示。具体的な製品化は決定していないが「2009年の発売を目指して努力したい」という。1台20万円程度のスピーカーになると思われるが、具体的なラインナップは決定していないという。「あくまでピュアオーディオ用のスピーカーに注力していく姿勢をアピールするデモ」とのこと。

 30cm径のウーファに、13cm径のミッドレンジ、3cm径のリング型ツイータを採用しており、前面のバスレフポートは同社製スピーカーでよく見られるスリット型。

参考展示された3ウェイ3スピーカーのフロア型。側板がデザインアクセントになっている 背面

ドライブするデジタルアンプ(右)と、ソースとなるHDオーディオコンピュータ(左)。いずれも外観は現行モデルと同じだが、内部は大幅に異なる試作機となっている

 同スピーカーをドライブするアンプとして、一見プリメインのデジタルアンプ「A-973」(52,500円)に見えるアンプが接続されているが、「同じ筐体を使っているだけで中身は別物の試作機」だという。10万円以下の中級デジタルアンプをイメージして開発が進められており、A973の上位モデルになりそうだ。

 ソースはHDオーディオコンピュータの「HDC-1.0」(直販21万円)が接続されているが、こちらも中身に手が加えられているという。オンキヨーはソーテックを子会社化しているが、それによりソーテックからPCパーツを従来よりも低価格で導入できるようになり、「より低価格で購入しやすいHDオーディオコンピュータを目指して開発を進めている」という。


■ チームACHM

 アレグロ、CSE、ムジカ、ヒノ・エンタープライズが共同で展開しているブースでは、アレグロが輸入販売を予定している英ソネッティアのオーディオセンター「モーフィアス」が注目を集めている。24bit/96kHzなどに対応する高性能DACを備え、ネットワーク接続に対応したメディアプレーヤーで、各種インターネットラジオや音楽のオンデマンド配信に対応予定。UPnPに対応したNASやPCから、ロスレスフォーマットの音楽データを受信し、内蔵DACで処理。アンプに送信できる。

 英ソネッティアはARMと長年協力関係にあり、オーディオ用チップの開発にも影響を与えているとのことで、同モデルにもARMのチップを内蔵予定。側面にUSB端子も備え、USBメモリ内の楽曲ファイルも再生可能。2009年の発売を予定しており、価格は30万円台を目指しているという。Bluetooth受信機能もオプションで用意する予定だが、価格の問題もあり、日本での発売は未定となっている。

参考展示された英ソネッティアのオーディオセンター「モーフィアス」。背面にアナログ音声出力などを備え、側面にはUSB端子も備えている

 スピーカーでは、ヒノ・エンタープライズが輸入する米エメラルド・フィジックスの平面バッフルスピーカー「CS2」が注目を集めている。エンクロージャが存在しないダイポール型のスピーカーで、「箱鳴りから開放された違和感の無い音が特徴」だという。中高域を2.5cm径のホーンと30cm径のミッドレンジで担当。中低域は38cm径ウーファが再生する。2ウェイ構成となっており、専用のチャンネルデバイダを介したマルチアンプ駆動。高さは135cm。予定価格は一式で50~60万円程。

左が米エメラルド・フィジックスの平面バッフルスピーカー「CS2」。エンクロージャが存在しないため、ホーンユニットはそのまま突き抜けている


■ トライオード

 トライオードブースは多数の新製品を参考展示している。「TRV-5」は、「TRV-M88PP」とコンビになるプリアンプ。スーパーパーマロイコア入出力トランスを備え、オプションでフォノイコライザーボード「CT100」も装備可能。2009年5月以降の発売を予定しており、予定価格は70~90万円程度。

 シングルステレオパワーアンプ「TRV-845SE」は、純A級で出力20W×2ch。2009年発売予定で、価格は40~50万円になるという。2008年12月に発売を予定しているのは、真空管フォノイコライザー「TRV-EQ3SE」に搭載しているMCトランスを単体化した「TR-MC1SE」。価格は105,000円を予定している。

TRK-34キットの完成イメージ 左がMCトランス「TR-MC1SE」 シングルステレオパワーアンプ「TRV-845SE」

スペンドールの新作スピーカー「SA-1」

 また、創業15周年記念モデルとして、「創業当時に立ち返り、キットを作る楽しさを追求した」という真空管ステレオプリメインのキットも2009年発売予定。「TRK-34キット」という名の通り「EL34」を使ったキットで、価格は7~8万円になるという。

 取り扱っているスペンドールの新作スピーカー「SA-1」も公開した。密閉型エンクロージャの2ウェイブックシェルフで、ピアノフィニッシュ仕様。同社「S3/5R」と同じサイズになるという。2009年発売予定で、価格は未定だが、ペアで20万円台半ばを想定しているという。


■ ヘッドフォン/イヤフォンの比較試聴も

ULTRASONEの「PRO 900」

 音元出版のブースでは各種試聴イベントが行なわれているほか、最新イヤフォン/ヘッドフォンが常設され、ヘッドフォンアンプなどで聞き比べることができる。

 イヤフォンではオーディオテクニカ「ATH-CK10」(37,800円)や、JAYSの「q-JAYS」(実売33,000円前後)、M-AUDIOの「IE-40」(実売49,980円前後)などを用意。カスタマイズ機能を備えたパイオニアの「SE-CLX9」(22,000円)や、SLEEK AUDIO「SA6」(直販35,800円)なども体験できる。

 ヘッドフォンではゼンハイザーの「PXC450」(6万円)や、ULTRASONEの「PRO 900」(69,300円)などが試聴可能だ。

イヤフォン試聴コーナー SLEEK AUDIO「SA6」 q-JAYS LE(Maroon Red)


■ 完実電気

完実電気のブース

 完実電気のブースでは、電源タップの聞き比べイベントなどを行なう一方、米モンスターの新製品も紹介している。「A IP WAB 100」は、iPodの再生音を2.4GHz帯域の無線で送信するシステム。iPodのDock端子に接続する送信ユニットと、優美なフォルムの受信ユニットで構成されており、受信ユニットからはアナログRCA端子で出力する。10月中旬の発売を予定しており、価格はオープン。店頭予想価格は12,800円前後の見込み。

 「AI SH HPHONE」は、iPod shuffleを直接ハウジング部に搭載できる、ネックバンドタイプのヘッドフォン。shuffleとはDock端子で接続。状態でもshuffleが操作できるようなデザインになっている。ケーブルから開放された装着感が特徴だという。同じく10月中旬発売予定で、価格はオープン。店頭予想価格は5,980円前後の見込み。

A IP WAB 100。右は送信ユニットをiPod touchに接続したところ AI SH HPHONE


■ そのほか

 ハイ・ファイ・ジャパンのブースでは、英MONITOR AUDIOが9月から発売している、新スピーカーシリーズ「Radius HD」を展示。極薄振動版を採用したドームツイータ「C-CAM」を採用したのが特徴。低域用ドライバやクロスオーバーネットワークも新設計のものを採用している。

 2ウェイブックシェルフの「90 HD」はペアで69,300円、サラウンド用の「45HD」はペアで42,000円。80mm径のミッドバスユニットに加え、背面放射の20mm C-CAMツイータを搭載。トールボーイ型「270 HD」(ペア141,750円)や、サブウーファ「360 HD」(92,400円)、「370 HD」(115,500円)などをラインナップしている。

MONITOR AUDIOの新スピーカーシリーズ「Radius HD」 ポーカロ・ラインのブースでは、デンマークtangentのスピーカー「EVO」シリーズを紹介。写真は新登場のアクティブサブウーファ(右)「EVO-E8」(予価68,250円)と、センタースピーカー(左)「EVO-E24」(予価29,925円) ヘビームーンは、9月から発売している仏Inovadisの「CARAT」ブランド製品を紹介。写真はCD/アンプ一体型システム「I57」。価格は260,400円

 High-End社のブースでは、Lansche Audioの高級スピーカー「No.4.1」を展示。最大の特徴は振動板を持たない「CORONA(コロナ)プラズマ・イオン・ツイータ」を採用していること。コロナ放電の原理を応用し、空気の質量を振動源として音を出しており、2.5kHz~150kHzという広帯域をカバー。「振動板が存在しないため、驚異的なトランジェント・レスポンスが得られる」という。システムは3ウェイセミアクティブ(ミッドレンジはパッシブ)。価格はペアで499万8,000円。

デジタルドメインのブースでは、仏Cabasseの同軸4ウェイスピーカーハイエンドモデル「La Sphere」(右)が注目の的。価格はペアで1,400万円だが、デジタルドメインのDCアンプ「B-1a」(100万円)最低4台でドライブする必要があるため、システムでの最低価格は1,800万円。細身のスピーカーは同じくCabasseの「Karissima」(ペア240万円)だ Lansche Audioの高級スピーカー「No.4.1」
六本木工学研究所では「RIT-HE07SE」や「RIT-HE15EX」、ウッドコーンフルレンジユニットなどの紹介を行なっている
DYNAUDIO JAPANのブースでは、新Exciteシリーズを試聴できる マイクロピュアのブースでは、手のひらサイズのスピーカー「AP5001」の新型「AP5001 II」が展示中(右)。オリジナル新ユニットを採用することで、三次高調波歪を低減。年内の発売を目指しており、価格は7万円前後の予定。写真左は「CZ302ES」の新モデル「CZ302ES II」。来春発売予定 音元出版ブースではフォステクスのフロア型スピーカー「G2000」(1台63万円)などを使った試聴イベントも。振動板に純マグネシウムを使用しているのが特徴
自動車用プレス部品などを手がける東プレもブースを出展。純マグネシウムやマグネ合金をプレスし、振動板に成型したものを参考展示している。マグネシウムは軽量で高剛性であるため理想的な振動板素材の1つとされており、オーディオメーカーでも採用例が増えている。東プレのプレスは高温状態でなく、常温で加工できるのが特徴で、耐食性を向上させる表面処理も開発。漆塗りを施し、蒔絵もあしらった試作機を紹介している。横浜にあるオーディオメーカーViV laboratoryのスピーカー「evanui signature」(写真右/1本210万円)に採用されたという 独ハンルの最高級レコードクリーニングシステム「メラEL」(55万円)。電動ポンプを用い、洗浄液をボタンひとつで専用タンクから洗浄ブラシに送り、レコード面均一に自動散布。レコード洗浄のほとんどのプロセスを自動化しているという

□Hi-End Show Tokyoのホームページ
http://www.hi-endshow.jp/
□関連記事
【5月9日】個性派オーディオが集まる「Hi-End Show Tokyo 2008 春」
-iPod対応の真空管DAC。36,000円の超小型アンプなど
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20080509/hiend.htm
【2007年10月5日】「Hi-End Show Tokyo 2007 秋」が開催
-オンキヨーの未発表スピーカー。QUAD新コンポなど
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20071005/hiend.htm
【2007年5月11日】「Hi-End Show Tokyo 2007 スプリング」が初開催
-DYNAUDIOのPC向けスピーカー/布張りスピーカーなど
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20070511/hiend.htm

(2008年10月10日)

[AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]


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