エプソン、プロジェクタ強化を含む中期経営計画

-中小型液晶は拠点集約など大幅な構造改革を実施


3月11日発表


 セイコーエプソン株式会社は11日、2009年度から2011年度に向けた中期経営計画を発表した。半導体事業や中小型液晶事業などの構造改革を発表したほか、プロジェクタやプリンタなど成長が見込める分野を強化していく方針を示している。

 同社では2015年に、「“省・小・精の技術”の本質を究め、更に強化することにより“強い事業の集合体になる”」という長期ビジョン「SE15」を策定。今回の中期経営計画は、SE15の前期と位置付けされている。

 具体的には、プロジェクタ事業においては、ナンバー1の地位をさらに強化。コアデバイスである高温ポリシリコンTFT液晶を内製している強みを活かして、高輝度プロジェクタ分野の強化などさらなる事業領域の拡大と、新たなビジネス領域への進出を目指すという。

 またプリンタ事業は、独自のマイクロピエゾテクノロジを中核とし、コンシューマ向けからビジネス向けまで強化。エマージング市場向け製品や環境配慮型製品などにも取り組むという。水晶・センサー事業では、エプソントヨコムを100%子会社化し、経営スピードの向上と効率化を図る。

 一方で、中小型液晶ディスプレイ事業については、本社機能を鳥取事業所に移転するなど国内拠点を集約。人員についても、エプソングループの成長領域へのシフトを行なうなど、事業効率化を図る。加えて「従来の構造改革の延長線上ではなく、一段と踏み込んで、あらゆる選択肢を検討し、早急に事業の方向性の結論を出す」としている。

 半導体事業も収益化困難事業とされており。低パワーアナログ混載技術をコア事業領域とするが、現在の2製造拠点体制から、酒田事業所への集約などで事業規模を縮小する。

 これらの施策により、2009年度にブレークイーブンを目指し、2011年にはSE15の実現に向けた新たな成長軌道を確立するとしている。


(2009年 3月 11日)

[AV Watch編集部 臼田勤哉]