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Ankerがスマートスピーカー参入へ。Alexa対応完全無線イヤフォンなどZOLOブランド

 アンカー・ジャパン(Anker)は、モバイルバッテリやBluetoothスピーカーなどを展開しているAnkerブランドや、生活家電などのeufyを含む事業戦略説明会を開催。このなかで、新たにスマートオーディオブランド「ZOLO」の立ち上げを発表し、AmazonのAlexa対応スマートスピーカーや左右分離型イヤフォンなどを披露した。なお、日本でのこれらの製品の投入時期は未定。

Ankerが投入予定のスマートスピーカーや完全ワイヤレスイヤフォンなど

eufyはスマートホームの入口に。Alexa対応スマートスピーカー

 現在のAnkerブランドではモバイルバッテリやケーブル、Bluetoothスピーカーなどを扱っており、eufyでは、ロボット掃除機や加湿器など3カテゴリ7製品を展開している。eufyは、家電にとどまらない「スマートホーム」ブランドへの進化を目指し、「これからスマートホームを始める人に手ごろな価格で実用的なソリューションを提案する」という。

 eufyブランドの新たな製品として、AmazonのAlexaに対応したスマートスピーカーのエントリーモデル「eufy Genie」を米国などで8月から発売。34.99ドルという低価格で、Alexaと15,000以上のスキル(アプリなどと連携する機能)を利用できるというもので、家のスマート家電などを、GenieとeufyHomeアプリを介して声で操作できる。

Alexa対応のeufy Genie

 外形寸法は約89×89×48mm(幅×奥行き×高さ)、重量約258gの本体に、アルミ合金製のドライバを搭載。「サイズ以上の高音質を実現する」としている。アンプ出力は2W。

Genieの特徴

新ブランドZOLOから完全ワイヤレスイヤフォンと高機能スマートスピーカー

 新たに展開するZOLOは、「新たな“音の体験”を届けるスマートオーディオブランド」と位置付けている。Ankerブランドで培ったオーディオとバッテリの技術を活かし、「高音質」、「音声認識AI搭載」、「スタイリッシュなデザイン」を軸に差別化を図る。

Ankerブランド、eufyブランドと、新たなZOLOブランド

 第1弾として発表したのは、Bluetooth 5.0搭載の左右完全ワイヤレスイヤフォン「Liberty+」。スマートフォンを取り出さずにAlexaやSiriなどの音声AIを呼び出せて、ニュースや天気、スケジュールの確認などが声で行なえる。米クラウドファンディングのKickstarterを介して先行販売された。

完全ワイヤレスイヤフォン「Liberty+」

 1回の充電で最大3.5時間の再生が可能。付属のケースからも充電でき、最大48時間の再生が可能となる。

Liberty+の特徴

 新設計のBluetoothアンテナと、グラフェン採用のドライバを搭載。「途切れない圧倒的な高音質を実現した」という。音声コーデックはAACとSBC。IPX5の防水性能も備える。

ケースからイヤフォンへ充電できる
バッテリ容量が少なく低価格な「Liberty」というモデルも投入予定

 ZOLOブランドから、Alexa対応のスマートスピーカー2モデルも投入予定。前述したeufyブランドのGenieよりも高機能で、Bluetooth 4.2搭載のスピーカーとしても利用できるのが特徴。バッテリを内蔵し、6W×2chのステレオスピーカーを搭載するモデルと、バッテリ非搭載で5Wモノラル出力のモデルを用意する。バッテリ内蔵モデルは約8時間の連続再生が可能で、IPX5防水にも対応。重量は約670g。バッテリ非搭載モデルの重量は約318g。

ZOLOのスマートスピーカー。バッテリ非搭載のコンパクトモデル
左がバッテリ非搭載、右がバッテリ搭載のモデル

 Ankerブランドの新製品としては、モバイルバッテリの「PowerCore II Slim 10000」を9月4日に発売予定。Apple製品やAndroid端末へ高速に給電できるPowerIQ 2.0を搭載し、本体の外装はシリコン素材で保護している。外形寸法は約137×66×16mm(縦×横×厚さ)、重量は約210g。

モバイルバッテリの「PowerCore II Slim 10000」

高音質への取り組みも強化。ほかにも新ブランド投入予定

 モバイルバッテリなどのスマートフォン・タブレット関連製品で知られ、米国や欧州、日本のEC販売に強みを持つAnkerは、2011年に誕生。日本法人が設立された2013年から5年目を迎える。ビックカメラなどの実店舗での取り扱いも拡大し、47都道府県で5,500店舗以上で販売されているという。

Ankerは設立から7年目

 アンカー・ジャパンの井戸義経代表取締役は、「手の届きやすく優れた品質の製品を作るために立ち上げた」というAnker設立のきっかけや、日本法人設立から5年目で売上高が70億円弱まで年々増加('13年から900%の成長)したことなどを説明。KDDI/auのオフィシャル充電器や、ポケモンとコラボしたバッテリ/Bluetoothスピーカーなどの日本市場オリジナル製品も手掛けた次のステージとして、今回の新ブランドを発表。現在の「モバイルチャージングカンパニー」から、生活全般をカバーする「ライフエンパワーメントカンパニー」となることを目指すという。

井戸義経代表取締役

 マーケティング&セールス責任者の猿渡歩氏は、スマートスピーカーにおけるAnkerの強みとして、スマートフォン周辺機器で培った高品質なものづくりと、グローバルでの大量購入や仲介の少ない物流システムなどを背景とした低価格設定、AmazonのAlexa対応の3点を挙げている。

マーケティング&セールス責任者の猿渡歩氏
スマートスピーカーへの参入

 高音質への取り組みについては、これまでAnkerブランドのスピーカーで技術を蓄積してきたほか、中国・深センにある開発センターの人員も強化。「世界的なブランドの開発チームからもスカウトしている」(井戸氏)という。

 今後も新たなブランドの製品を投入することを予告。iPhoneケースなどの「KARAPAX」、ドライブレコーダなどの「ROAV」、ポータブルプロジェクタなどの「NEBULA」の各ブランドが間もなく登場予定だという。

新たなブランドの投入も予告