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ソニー、自動車の危険回避を支援する「セーフティコクーン」。イメージセンサー活用

 ソニーは8日(米国時間)、CESの前日プレスカンファレンスを開催。高度な自動運転の実現に向け、人の眼を超えるイメージセンサーの開発。暗所における感度、遠方や広角撮影のための解像度、逆光シーンでのダイナミックレンジの向上に取り組んでいくと発表。肉眼では視認困難な運転環境においても効果的な環境認知を可能にするという。

 ソニーは、2014年に車載向けイメージセンサーの商品化を発表。車載向けをイメージセンサービジネスにおける注力領域の一つと位置付け、イメージセンサーにおける高い技術力を結集させ、業界初の機能と性能を持つ商品を発表してきた。

 今回のCES 2018では、今後高度な自動運転の実現に向け、ソニーが提案する、イメージセンサー技術による「車の眼」の進化を紹介。暗所、逆光などの運転環境下において自動車の周囲360度の状況を検知し、早期からの危険回避行動を支援する技術を疑似体験できるようにする。

 さらに、望遠や広角、高速、感度などが求められるシーンにおける、肉眼とイメージセンサーによる撮像の違いも体験できるという。

 ソニーでは、自動車の周囲360度の状況検知により、早い段階から危険回避行動を支援することで、車の周囲に、より安全性を高めた領域を作り出すという、同社が目指す安全性能のビジョンを「Safety Cocoon(セーフティコクーン)」と名付けて紹介。イメージセンサーを中心にビューイングとセンシングの領域において「車の眼」を進化させ、より高い安全性能を早期に実現することにより、自動運転社会の進展に貢献にできるよう開発を推進していくという。

 ソニーは2014年10月に、闇夜に相当する低照度0.005ルクスの環境でも高画質なカラー映像を撮影できる車載カメラ向けCMOSセンサー「IMX224MQV」を商品化。2015年10月には、イメージセンサーをつかつた測距、Time of Flight方式の技術を持つベルギーのSoftkinetic Systems S.A.を買収。車内ジェスチャーコントロールに採用されているほか、今後は高度な自動運転の実現に必要なドライバーや乗員の状態検出技術などのHMI(Human Machine Interface)への展開を予定。

 2017年4月には、LED標識や信号機などの撮影時に起こるLEDのちらつきを抑える機能と、120dBの広いダイナミックレンジでの撮影が可能なHDR機能を搭載したCMOS「IMX390CQV」を開発。

 10月には、先進運転支援システム(ADAS)用途の前方センシングカメラ向けに、業界最高解像度となる有効742万画素の「IMX324」を商品化。約160m先の交通標識も高精細に撮像できる。米Intelの子会社であるイスラエルのMobileyeが、ADAS、および自動運転技術に向けて開発中のイメージプロセッサー「EyeQ 4」、「EyeQ 5」と接続可能になる予定。