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ケンウッド、最上位ハイレゾ彩速ナビ「MDV-Z905W」。ワイヤレスも高音質

 JVCケンウッドは、ケンウッドブランドのAVナビ「彩速ナビゲーション」の最上位「TYPE Zシリーズ」をリニューアルし、200mmワイドモデルの「MDV-Z905W」と「MDV-Z905」を2月中旬より発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は各13万円前後。

MDV-Z905W

 彩速ナビのフラッグシップシリーズで、従来のMDV-Z904W/Z904と同様のDSD 11.2MHzまでのハイレゾファイル再生に対応。MDV-Z905W/Z905では新たに高音質BluetoothコーデックのLDACに対応したほか、最新の彩速ナビ「TYPE Mシリーズ('17年10月発売)」と同様の渋滞表示、速度履歴など新INFOウィンドウモードも追加した。アップル「CarPlay」や、Googleの「Android Auto」との連携機能も備えている。

東京オートサロン2018で、MDV-Z905などケンウッドブランドの車載AV機器の'18年モデルを発表

ハイレゾ対応の最上位彩速ナビ

 7型/800×480ドットのTN液晶を備え、地上デジタル放送のフルセグ/ワンセグ受信や、DVD/CD/SD/USB再生に対応する。アンプの最大出力は50W×4ch。MDV-Z905Wは200mmフルフラットパネルを採用する。

MDV-Z905W
MDV-Z905

 音質にこだわった最上位シリーズで、WAVやFLACの192kHz/24bitまでのハイレゾ音楽ファイル再生に対応。11.2MHzまでのDSD再生も可能。USBは3系統、SDカードスロットはSDXC対応。

 旭化成エレクトロニクス製の32bitプレミアムDAC「AK4490」を搭載。32bit処理とVELVET SOUNDテクノロジーにより、ハイレゾ音源を忠実に再現するという。また独自の「K2 TECHNOLOGY」により。MP3やCDなどの音源を、高音質化してマスター音源品質に近づける。音質調整などのオーディオ信号処理も、AKM製のトリプルコアDSP「AK7738」により、音質を維持したまま正確かつ効率的なデータ処理を行なうという。また、ナビ筐体の天板部分にクロス構造を採用することで、クルマ特有の振動によるナビ筐体の共振を抑え、音質への悪影響を防いでいる。

 東京オートサロン2018のJVCケンウッドブースで開催された発表会において、同社オートモーティブ分野 市販事業部 商品企画部プロダクトエキスパートの渋谷英治氏は、「MDV-Z905はビクタースタジオのノウハウを活かし、ハイレゾ音源のマスタークオリティを再現できる唯一のカーナビ。クルマを“走るリスニングルーム”に変えられる」と話した。

 ブースには6台のMDV-Z905シリーズが展示され、来場者が実機を触って試しながら、ナビに接続されたヘッドフォンで音の良さも体験できるコーナーが用意されている。

音質にこだわった設計。左はJVCケンウッドの渋谷英治氏
32bitプレミアムDAC「AK4490」とトリプルコアDSP「AK7738」を採用

 サウンドチューニングにも対応し、座席位置と各スピーカーの音の到達距離を基準に、最適な出力タイミングを調整する「リスニングポジション調整」や「フロントフォーカス調整」、「13バンドグラフィックイコライザー」などの機能を搭載する。スピーカー口径の設定や、走行速度やAV音量に連動した自動音質補正を行なう「Drive Equalizer+」、周波数レベルや周波数帯域を詳細に調整できる「プロモードEQ」も備えている。

 1,000以上の音楽専用チャンネルを楽しめる音楽配信サービス「SMART USEN」(月額490円~)にも対応。スマホとBluetoothで連携し、ナビ画面からのチャンネル選択やアルバムアート表示などが行なえる。スマホ連携で、ワイヤレスでインターネット接続できるBluetoothデザリングにも対応する。

 DVD/CDの再生に対応。Bluetooth経由での音楽再生も可能で、A2DPプロファイルやAACコーデックに対応する。AM/FMチューナも搭載する。

「新マルチINFOウィンドウモード」を搭載

 ナビ機能も大幅に強化。「新マルチINFOウィンドウモード」を搭載し、渋滞表示、速度履歴など、8つの項目から自分に合った情報を表示させ、快適なドライブを可能にするという。

【従来のINFOウィンドウの表示情報】
時計、到着時間、目的地距離、ECO情報、車両速度、カレンダー、天気予報※1

【新マルチINFOウィンドウモードの表示情報】
渋滞表示、速度履歴、高速道路施設情報、交差点案内(ルート案内中のみ表示)、ルート情報(ルート案内中のみ表示)、ルート上の天気予報、AVビジュアライザ1、AVビジュアライザ2

 傾いた路面でも高精度で測位し、正しい自車位置を維持する「6軸慣性センサー」を新搭載。山岳路や立体駐車場などでの自車位置精度が向上するという。GPS信頼度判定処理や、クルマの傾きと全国の傾斜データとをマッチングする「高測3Dジャイロ」なども搭載する。

「6軸慣性センサー」新搭載で、GPSが利用できない場所でも自車位置精度を向上。逆走警告も

 また、新たにフロント/リア用ナビ連携型ドライブレコーダとの接続にも対応し、フロントとリアの同時録画が可能。フロント用「DRV-N530」と、リア用「DRV-R530」などのドライブレコーダに対応。また、2月上旬に発売するリアモニター「LZ-900」(実売価格2万円)にも対応する。

リアモニター「LZ-900」

 ルート案内時に目的地に近づくと、音楽再生などのボリュームを自動的にダウンする「ゴールオートボリューム」や、長時間運転の疲労に配慮し、2時間ごとに音声で休憩を促す「リフレッシュ通知」、スマートフォンをケーブル接続したまま、電源をOFFにすると、置き忘れを警告する「スマートフォン置き忘れ警告」、高速道路を走行中に逆走状態をナビが検知した場合、画面表示と音声で案内を行ない、危険運転の注意を喚起する「逆走時の警告案内」などの新機能も追加した。

走行に必要な情報を一元管理。別売ドライブレコーダ2台で、車体前後を連動録画も

スマホ連携のカーAVシステム

 AppleのCarPlayやGoogleのAndroid Autoに対応し、 スマートフォンと連携できるカーAVシステム「DPV-7000」も発表。2月中旬発売で、価格はオープンプライス、店頭予想価格は8万円前後。

DPV-7000

 7型/840×480ドットのタッチ液晶ディスプレイを搭載するAVユニット。DVD/CD/USB/SD再生に加えて、CarPlay・Android Autoをサポートし、スマートフォンを連携させることでカーナビとしても利用できるようにした。ディスプレイのタッチ操作や音声操作に対応する。対応機種は、iPhone 5s以降とAndroid OS搭載スマートフォン。接続には別売ケーブルを利用する。

DPV-7000

 32bitプレミアムDAC「AK4490」とトリプルコアDSP「AK7738」を備え、高音質化技術の「K2 TECHNOLOGY」も搭載。別途用意したUSBメモリなどからハイレゾ楽曲を再生できる。対応ファイルは、WAVやFLACの192kHz/24bitまでのPCM音源と、11.2MHzまでのDSD音源。

 DVD/CDドライブを搭載し、DVDビデオ再生が可能。DVD-R/RWのVRモードにも対応し、テレビ番組を録画したCPRM対応ディスクも再生できる。FM/AMチューナも内蔵。Bluetooth機能でスマホなどからワイヤレス音楽再生が行なえ、コーデックはLDACとAACもサポート。ハンズフリー通話に対応する。

 アンプの最大出力は50W×4ch。サウンド調整機能は「リスニングポジション調整」や「フロントフォーカス調整」、「13バンドグラフィックイコライザー」などを備え、「プロモードEQ」も利用可能。外形寸法は180×184×100mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約2.38kg。

オートサロン開幕。クラリオンは車載フルデジタルハイレゾスピーカー

 彩速ナビが発表された東京オートサロン2018は、12~14日まで千葉・幕張メッセで開催。一般入場料は当日大人2,500円、中高生1,800円。

 クラリオンのブースでは、デジタルプロセッサとフルデジタルスピーカーを組み合わせた「車載用フルデジタルサウンドシステム」(FDS)を試聴できるデモカーが3台用意され、このうちの1台にはFDSで初となるハイレゾ対応のスーパーツイータと8cmミッドレンジスピーカー(いずれも参考出品)を搭載。既存のサブウーファと合わせた3ウェイ構成が試聴できる。現行の2ウェイ構成との機器比べも可能。ただし、いずれも発売時期や価格は決まっていない。

クラリオンが参考出品しているハイレゾ対応のスーパーツイータ(右)と8cmミッドレンジスピーカー(左)。デモカーの1台に搭載され、試聴も可能

 パイオニアのブースでは、カロッツェリアブランドの「サイバーナビ」搭載デモカーでの試聴や、音楽ストリーミングサービス「ミュージッククルーズチャンネル」のVRドライブ体験が可能。さらに、創業80周年記念の特設展示として、創業者の松本望氏が開発した国産初のダイナミックスピーカー「A-8」と、世界初の市販GPSカーナビ「AVIC-1」も展示。 パイオニアの80年を映像とともに振り返るコーナーを設けている。

パイオニア国産初のダイナミックスピーカー「A-8」と、世界初の市販GPSカーナビ「AVIC-1」