ニュース

スピルバーグ最新作「レディ・プレイヤー1」に三船敏郎!? 原作者熱く語る

 4月20日公開のスティーブン・スピルバーグ監督最新作「レディ・プレイヤー1」。バーチャル世界に世界の人気キャラクター達が次々と登場する物語だが、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のデロリアンに加え、「AKIRA」の金田のバイク、「ガンダム」、ストリートファイターIIの春麗など、日本にゆかりあるアニメやゲームのキャラクターが多数登場する。その最新映像公開とともに、原作者で共同脚本を担当したアーネスト・クライン氏と、プロデューサーのドナルド・デ・ライン氏が来日し、新宿の「VR ZONE SHINJIKU」において特別イベントが開催された。

ドナルド・デ・ライン氏(左)、原作アーネスト・クライン氏(右)

 原作「ゲームウォーズ」を執筆したベストセラー作家で、「フルタイムのオタク」というアーネスト・クライン氏。「日本のポップカルチャーで育った」という同氏の来日にあわせて、「ソードアート・オンライン(SAO)」原作者の川原礫氏、劇場版ソードアート・オンライン監督の伊藤智彦氏、イラストレーターの開田裕治氏、「ワンパンマン」の漫画家の村田雄介氏、YouTuberのMEGWIN氏、アメコミ評論家の小山順一朗氏、VR ZONE SHINJUKUのコヤ所長がイベントに参加し、最新映像の感想や、劇場公開への期待を語った。

左からVR ZONE SHINJUKUのコヤ所長、MEGWIN氏、村田雄介氏、開田裕治氏、ドナルド・デ・ライン氏、クライン氏、川原礫氏、伊藤智彦氏、小山順一朗氏
会場のVR ZONE SHINJUKU

あらすじ

 2045年の近未来。人々が暮らす街は荒廃が進み、バーチャル世界「オアシス」だけが、若者たちの希望となっていた。オアシスでは、想像したことがすべて現実になり、誰にでも何にでもなれるからだ……。

 その「オアシス」の開発者ジェームス・ハリデーが亡くなり、彼の遺言が全世界に配信された。「オアシス内に隠したイースターエッグ=宝の卵を見つけたものに、56兆円の大金とこの世界をコントロールする権利が与えられる」。

 莫大な財産をめぐりプレイヤーたちの激しい争奪戦が始まった。オアシスには世界を乗っ取ろうとする巨大企業が出現。彼らの陰謀を止め、勝利するのは……。トレジャーハンタティングの冒険が幕を開ける。

 2045年のアメリカ オハイオ州コロンバス。最先端とされたその地は、荒廃し、お世辞にも安全とは言い難いスラムになっている。その惨めな現実から逃げるためのVR空間、それが「オアシス」となっている。

映画『レディ・プレイヤー1』スピルバーグ監督特別映像

 クライン氏は、その世界観や、スタックパークと呼ぶスラムのイメージスケッチがそのまま映像化されていることを紹介。そして、ガンダム「RX-78II」や、春麗、カウボーイ・ビバップのソードフィッシュ、アイアン・ジャイアントなどのキャラクターが出てくることを熱く語った。「後半にもガンダムの大きなバトルもある。相手のキャラクターは話してはいけないことになっているけど原作と同じ」と、さり気なく原作もアピール。さらに金田のバイクにハローキティのステッカーが貼られていること、ウルトラマン、ウルトラセブン、マクロスなどの特撮、アニメに加え、タイトー、カプコン、任天堂など、日本のゲームの影響を強く受けていることを熱心に語った。

 マニアックに作品を語ったクライン氏に対し、プロデューサーのドナルド・デ・ライン氏は、「若者、青年の成長を描いている。VRでもリアルでも人の繋がりは変わらない。ポップカルチャーに詳しくない人でも楽しめるはずだ」とした。

(C)2018 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. ALL RIGHTSRESERVED)

 映像を見た「VR ZONE SHINJUKU(バンダイナムコエンターテイメント運営)」のコヤ所長は、「こんなにたくさんのIP(知的財産、キャラクター)を使えるなんて夢!!」と一言。

 川原礫氏は、「現実と仮想世界の対比が面白い。スタックパークの風景も最高にクール。『パクりたい』」と発言。劇場版SAOの伊藤監督は、「映像がとにかくリッチ。監督としてスピルバーグと比べられると荷が重いが早く観たいですね。映像は凄いけれど、VRについては日本とアメリカの違いがでるんじゃないか、と思っている」と語った。

 スピルバーグ監督の大ファンという、村田雄介氏は「(クライン氏が)スピルバーグに育てられた、と語っていたことに共感する。スピルバーグ作品には郷愁がある。ETには監督の子供時代の寂しさ、インディ・ジョーンズには昔の活劇の栄光の復活など。レディ・プレーヤー1は、'80年代のキャラが出てくる。まさに自分の世代の郷愁がある」と期待を込めて語った。さらに、村田氏による「バック・トゥ・ザ・フューチャー(BTTF)」の漫画化が発表されると、会場からは「買います!」との声があがった。

 怪獣やロボットのキャラクターイラストや、プラモデルのパッケージなどを手掛ける開田裕治氏は、ガンダムの登場シーンが気に入った様子。「ガンプラの箱をいくつ描いたことか。まさに自分の世代のキャラクター。それをハリウッドや色々な歴史とクロスオーヴァーして登場する。しかも監督はスピルバーグ! こんなに燃えるシチュエーションは無いでしょう。こんなにいい時代が来るのか。いい原作で、よく映画にしてくれたとお礼を言いたい」と熱く語った。

 クライン氏は、初めてスピルバーグ監督に会った時に、原作の「ペーパーバック(本)に付箋をびっちり付けて、『ここを絶対入れたい』と語ってくれて感激した。(愛車でBTTFにも出てくる)デロリアンにもサインしてもらった。サイン入りのデロリアンは世界で私だけだ」とスピルバーグ監督とのエピソードを自慢。さらに、「自分が日本の作品に影響されたように、この作品が日本のクリエイターにインスピレーションを与えられるようになれば嬉しい」と語り、コラボレーションを呼びかけると、開田氏は「絶対に(アートワークを描く話が)来ると思って、デロリアンのプラモをポチってあるし、キャラは書きまくっている。燃えていますよ」と応じると、村田氏も「これだけのキャラの集合絵は凄いことになる。絶対やりたい」と回答した。

 他にも隠れたキャラは? と聞かれたクライン氏は「まだ言えないことが多いけれど…… ミフネ(三船敏郎)」と回答。「森崎ウィンが演じるダイトウのアバターの顔が三船敏郎になっている。スピルバーグが三船さんと友人だったから、家族に許可をもらって実現できた」という。

 プロデューサーのドナルド・デ・ラインは、「アーノルドの作品の魂に忠実に、すごい映画になった。劇場で期待以上の体験ができるはず」と、4月の公開をアピールした。

  • 作品名:レディ・プレイヤー1
  • 劇場公開:2018年4月20日
  • 出演:タイ・シェリダン、オリビア・クックほか
  • 監督:スティーブン・スピルバーグ
  • 配給:ワーナー・ブラザーズ映画