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DAZN、プロ野球11球団やB.LEAGUEなど配信拡充。Jリーグや欧州サッカーも強化
2018年2月16日 13:33
スポーツ映像配信サービス「DAZN」は、2018年に配信するスポーツコンテンツの発表会を開催。プロ野球を強化し、11球団のオープン戦や公式試合を配信するほか、新規獲得したバスケットボールB.LEAGUEを含むラインナップを紹介した。
プロ野球は、サービス開始時より配信している広島東洋カープと横浜DeNAベイスターズに加え、セ・リーグはヤクルト、阪神、中日、パ・リーグは日本ハム、楽天、西武、ロッテ、オリックス、ソフトバンクのライブ配信が決定した。巨人を除く11球団が配信されることになる。なお、巨人の配信も交渉は行なっているという。
基本的に各球団のオープン戦一部と、公式戦主催試合を配信するが、広島については広島県内でのライブ配信は対象外。また、中日の公式戦は主要試合に限られが、主催する約70試合中の61試合を配信することが決まっているという。
昨シーズンに続いて配信するJリーグは、J1、J2、J3の全試合を配信。カメラの台数を昨年より強化した最大18台体制(J1の場合)となる。その他にも、2017-18シーズンの欧州サッカー5大リーグ、日本のプロ野球やメジャーリーグベースボール(MLB)、モータースポーツ、バレーボール、格闘技など国内外130以上のコンテンツ、年間7,500試合以上の配信を行なう。
欧州サッカーは、プレミアリーグ、ラ・リーガ サンタンデール、UEFAチャンピオンズリーグ、UEFAヨーロッパリーグ、UEFAスーパーカップを配信。プレミアリーグとラ・リーガは毎節全試合、UEFAチャンピオンズリーグ、 UEFAヨーロッパリーグ、 UEFAスーパーカップは、2018-19シーズンから2020-21シーズンまでの3年間独占配信する。なお、ブンデスリーガは2017-18シーズンで配信終了となる。
大谷翔平選手のデビューが注目されるMLBは、1日4試合を配信。大谷選手が所属するエンゼルスは全試合配信するほか、田中将大選手のヤンキース、ダルビッシュ有選手のカブスを中心に配信スケジュールを組むという。
男子プロバスケットボールB.LEAGUEは、DAZNではB1リーグを中心に配信予定。既報の通り、ソフトバンクが運営する「スポナビライブ」は5月31日をもってサービス終了となるため、スポナビライブ会員向けに、通常1,750円のDAZN月額料金を980円で提供する移行プランも用意している。なお、ソフトバンクとしてもB.LEAGUEの配信は引き続き行なわれ、詳細はソフトバンクから改めて発表される予定。
スポナビライブから引き継がれるコンテンツは、前述したセ・リーグのヤクルト、阪神、中日と、B.LEAGUE。パ・リーグ6球団の試合配信はリーグと直接契約したものだという。また、プレミアリーグとラ・リーガについては、DAZNは昨年まで毎節最大5つの注目試合を配信していたが、'18年からは毎節全試合が配信対象となる。
また、1月に発表した「ダウンロード視聴」機能は、2018年後半に実装予定。今回の新規追加コンテンツを含め、ダウンロード対象となる競技については今後明らかにする。
好きなスポーツ以外の競技や選手を知る機会に
15日の発表会で、ジェームズ・ラシュトンCEOが2018年のDAZN新規獲得コンテンツなどを紹介。また、DAZNでは日本のスポーツシーンを盛り上げることを目的に、国内外で活躍する選手らを「DAZNアンバサダー」に任命して活動を行なっている。その取り組みについて、マーケティング・パートナーシップ バイスプレジデントの大崎貴之氏が説明した。
'18年のJリーグは、ロシアでのワールドカップ開催時期は中断することになるが、ラシュトンCEOは「W杯があるからといっては配信の戦略的に大きくは変わらず、クオリティを高めるために多面的な投資を続ける」とし、大崎氏は「Jリーグだけでなく海外のいろいろな選手がハイライトされる。DAZNはチャンピオンズリーグなども配信するため、大きなチャンスになる」との見方を示した。
プロ野球の配信が強化されることにちなみ、スペシャルゲストとして、元プロ野球選手で解説者の多村仁志氏と、日米で野球選手として活躍した評論家の小宮山悟氏が来場し、ラシュトン氏や大崎氏とトークセッションを行なった。
DAZNを活用しているという多村氏は、「タブレットやスマホが普及して、好きなスポーツを自由に見られる時代になって、『こういうスポーツがあるんだ』、『こういう選手になりたい』といった新たな発見があった」と語る。
野球との関わりだけでなく、Jリーグの理事も務めている小宮山氏は、「スタジアムへ行くのが正しい見方だが、それが叶わないときも(DAZNの映像配信を)有効活用するのは大いにアリだと思う。視聴することで、スタジアムに足を運びたくなる人も増えるはずで、スポーツ界のプラスになる。今後“スポーツに全く触れたことがない”ということが世の中からなくなればと、野球界の人間として切に願っている」とした。
また、メジャー入りする大谷選手へ、小宮山氏から“二刀流”でアメリカでも活躍する方法として「日本ではピッチャーが遠慮して、(内角に)きわどい球はほとんど投げないが、アメリカではガンガン来る。(右投げ左打ちの大谷は)打席では投げる方の腕が前にあるから、避ける練習をして」とアドバイスした。
ラシュトンCEOは、新たにプロ野球11球団を強化したことで、「'17年までの取り組みから1段階進んだマイルストーンとなる」とし、「ここで止まらず、サービス、コンテンツ、プロダクトへの投資を続ける」と述べた。