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パナソニック、新センサーで高感度撮影、広角25mmレンズ搭載4Kビデオカメラ

 パナソニックは、4K撮影にも対応したビデオカメラの新製品として、新開発センサーを搭載し、高感度撮影能力などを高めた3機種を5月17日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は「HC-WXF1M」が15万円前後、「HC-WX1M」が12万円前後、「HC-VX1M」が95,000円前後。型番に「W」がついているモデルはモニタ脇にサブカメラを備え、ワイプ撮りが可能。「F」のあるモデルはファインダー付きとなる。

EVF、ワイプ撮り用サブカメラ搭載の「HC-WXF1M」

 各モデルに、販売ルートが異なる「HC-WZXF1M」、「HC-WZX1M」、「HC-VZX1M」というモデルが存在するが、型番と販売ルートが異なるだけで、製品の仕様は同じ。カラーバリエーションは、「HC-WXF1M」と「HC-WX1M」がブラックのみ、「HC-VX1M」はブラウン、ホワイト、レッドの3色。

EVFを省いた「HC-WX1M」

 いずれのモデルも、新開発の1/2.5型MOSセンサーを搭載しており、画質としては同等となる。有効画素数としては従来と同じ829万画素。センサーは従来の1/2.3型から、新モデルでは1/2.5型となっているが、イメージサークル部分を大型化。セルサイズの面積は約1.7倍となり、レンズの開放F値は1.8で従来と同じだが、感度的には約1.7倍になっている。

EVF、サブカメラを省いた「HC-VX1M」

 レンズも刷新。広角25mm(従来は30.8mm)の光学24倍ズームが可能な、ライカディコマーレンズで、明るさはF1.8~F4.0。4Kでは25~600mm、フルHDでは29.5~708mmのズーム撮影が可能。超解像IAズームを組み合わせると、4Kでは32倍、フルHDでは48倍のズーム撮影が可能。

レンズを刷新

 5軸ハイブリッド手ブレ補正機能を備え、安定した映像が撮影可能。新たに、アダプティブ O.I.S.を搭載。ビデオカメラをホールドした際の“揺れ方”は、持つ人によって微妙に異なり、また、どのような姿勢や持ち方、アングルでの撮影なのかといった状況・条件によっても揺れ方は変化する。それをリアルタイムに検出し、最適な補正をかけるというもの。

左から新モデルのレンズユニット、右は従来モデル

 さらに、ボールO.I.S.機構も搭載。従来は、手ぶれを補正するためにレンズのユニットがシャフトに沿って動くイメージだったが、その可動部分をボールベアリングに変更。3つの小さなボールの上にレンズが乗っているようなイメージで、微細で柔軟な動きが可能で、補正の精度が向上したという。

写真では見にくいが、5軸ハイブリッド手ブレ補正機能向けにこのような小さなボールが使われている

 「4KハイプレシジョンAF」を搭載し、高速・高精度なAFを実現。前述の機能を組み合わせる事で、室内での綺麗な高感度撮影や、運動会撮影のクオリティアップなど、ユーザーが撮影する機会が多い利用シーンにマッチしたカメラとしてさらに進化した。

 4KはMP4で3,840×2,160ドット/30pまでの撮影が可能。1080/60p撮影もサポートする。AVCHD 2.0での撮影も可能。

 4Kの高解像度を活かし、撮影後に失敗した部分を補正したり、編集できる「あとから補正」機能を搭載。4K解像度かつ広角で撮影しておいた映像を元に、そこからフルHDの映像に変換する際に、4Kの高解像度を手ぶれ補正用の余白として活用、ブレを抑えたフルHD映像に変換できる。同様の機能を使い、「あとからズーム」も可能。

 指定した顔と色を認識し、自分の子供など、特定の被写体にクローズアップしたフルHD映像を、4Kの元映像から作成できる「あとから追っかけ」も用意。この機能と「あとから手ブレ補正」は併用できる。あとからクローズアップして切り出したい部分を指でユーザーが指定できる「あとから指で追っかけ」も用意する。

最上位「HC-WXF1M」はマニュアル操作でこだわりの撮影が可能

 HC-WXF1Mは、レンズ周りにリングと2つのボタンを装備。リングの機能をフォーカス、アイリス、ズームで切り替えたり、操作を手動/自動で切り替える際に、2つのボタンが活用できるようになり、より直感的な操作ができる。

 フォーカス操作も、3つのモードから選択可能。ホワイトバランスの設定や、AF操作のカスタマイズ、モニタにタッチし、任意の場所を拡大する「フォーカスエキスパンド」、フォーカスピーキング機能も装備。4つのユーザーボタンも用意し、HDRやWi-Fiなどの機能を割り当てられる。

最上位「HC-WXF1M」

3機種共通の機能

 新たに「インテリジェントコントラスト」機能を装備。コントラストの少ないシーンの撮影において、ヒストグラム解析とグラデーションを最適化するもので、例えば山々の細かいディテールを残りながら、雲が明確に見えるように、といった撮影ができる。

 逆光補正機能も搭載。リアルタイムにヒストグラムの解析やグラデーションの最適化を行なっており、低輝度領域のコントラストを改善、黒つぶれを防いでいる。

 撮影後に「撮ったつもりが撮れていない」という事態を防ぐために「REC/PAUSE」をアイコンを交えて、モニタに表示する機能。モニタを180度回転させて撮影する「対面撮影機能」なども用意。撮影後に映像ファイルを素早く撮影できるクイックアクセスやショートカット機能も備えている。

 HC-WXF1MとHC-WX1Mのみ、モニタの脇にサブカメラを搭載。撮影者の表情などをワイプ撮りし、メインカメラで撮影した映像と合わせて記録できる。モニタは3型の液晶で、約46万画素。HC-WXF1Mのみ、0.24型のEVFも搭載している。

HC-WX1M
HC-WXF1Mのサブカメラ

 ストレージとして、64GBメモリを内蔵。SD/SDXC/SDHCに対応し、128GBまでのSDカードが利用可能。

 MicroHDMI出力を装備。ステレオミニのヘッドフォン出力も用意する。無線LANはIEEE 802.11b/g/nに準拠。バッテリを含めた外形寸法と重量は、HC-WXF1Mが69×167×77mm(幅×奥行き×高さ)で約545g、HC-WX1Mが68×128×77mm、約438g、HC-VX1Mが68×142×77mmで約430g。

HC-VX1M