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日立化成の量子ドットフィルムが、VIZIOの4Kテレビに採用。省電力で広色域化

 日立化成は6日、液晶ディスプレイを広色域化する同社の量子ドットフィルムが、米VIZIOの4Kテレビ「P-Series Quantum 65」(7月発売)に採用されたと発表した。今後もアジアや北米などグローバルで量子ドットフィルムの拡販を進め、シェア拡大を図るという。

左がVIZIO「P-Series Quantum 65」、右は日立化成の量子ドットフィルム(写真手前の黄色いシート)

 BT.2020対応など広色域な液晶ディスプレイを開発するためには、ディスプレイの色を作り出すカラーフィルターを鮮やかなものに改良する必要がある。しかし、それによってディスプレイの表面輝度(明るさ)が低下すると、それを抑えるためにバックライトを明るくし、消費電力が増えてしまう課題があった。

 日立化成は、消費電力を増やすことなく液晶ディスプレイの広色域化を実現する量子ドットフィルムを開発。2017年2月より量産・販売を開始している。

 VIZIOが発売した4Kテレビ「P-Series Quantum 65」(約2,099ドル)は、65型の4K/HDR対応テレビで、ピーク輝度は最高2,000nit。HDR 10とDolby Vision、HLG(ハイブリッドログガンマ)に対応する。日立化成の量子ドットフィルムを採用することで、色域はBT.2020比80%(VIZIOの従来品比で12.5%増)を達成。より色鮮やかな表示を実現したという。欧州連合のRoHS指令に適合し、環境負荷も低減している。

VIZIO「P-Series Quantum 65」