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ソニーやMSらが“ゲームのHDR用ガイドライン”。様々なゲーム機/モニタで体験担保

 ソニーインタラクティブエンタテインメント、Microsoft、LG Electronics、VIZIOが参加しているHDR Gaming Interest Group(HGIG)は16日、HDR対応ゲームの体験が、様々な環境で適切なレベルで担保されるようにするガイドライン「HDR Game Content Production and Distribution Guidelines」を提案。ゲームとTV/ディスプレイメーカーから、HGIGに賛同した企業が共同でまとめた。

HDR Gaming Interest Group (HGIG)

 HDRは、ゲームの没入感を更に深めるものとして業界のトレンドとなっているが、場合によってはその魅力が最大限活かしきれておらず、ゲーム性に影響を与えるケースも存在する。

 そこでHGIGでは、各業界の企業が団結。どのようにすればTVやPCディスプレイに搭載されている様々なHDR技術の魅力を最大限活かせるか、検討を重ね、ゲーム開発、ゲーム機などのゲームプラットフォーム、TVなどのディスプレイのそれぞれの視点で、現時点で最良となる事例をまとめた。

 これにより、HDR対応のゲームコンテンツと、最適化されたゲームプラットフォーム、TVやモニターといったディスプレイの三者が組み合わさり、「HDR技術を更に活用し、より深いゲーム体験をお届けできる」という。ガイドラインに提案されている事例は容易に実現可能なもので、相互運用の改善なども含まれるとする。

 ガイドラインでは、「HDR games」、「HDR displays」、「Game consoles」の分野で推奨する事項を用意。キャリブレーションによって得た輝度値に基づき、「Primary HDR range」「Extended HDR range」を取得し、HDR gamesでは、Primary HDR rangeの範囲で一貫性のあるゲームプレイを保証するため、範囲内で主要オブジェクトをレンダリングできるパラメータやトーンマッパーを実装する事。

 HDR displaysでは、ゲームモード表示において、Primary HDR range内の階調を表示でき、ディスプレイメーカーが、ゲームに対応するトーンマッピングに関連する情報をゲームコンソールメーカーに提供し、HDRディスプレイのHDR機能を活用する事などを提案。

 「Game consoles」では、Primary HDR range内のグラデーションを維持するため、トーンマッピングに関する情報を検索するためのAPIをゲームメーカーに提供する事。また、ゲームコンソールは、ディスプレイメーカーから提供されるトーンマッピング情報を無効にできるシステムを消費者に提供。消費者が、ゲーム体験をカスタマイズしたり、異なる照明環境において最適化できるよう提案している。

 HGIGは8月15日に、カナダのバンクーバー、フェアモント パシフィックリムホテルでワークショップを開催。ガイドラインに沿ったHDRのデモを実施。多くの企業が参加したという。

 今後も、ゲームやTVメーカーから賛同企業を広く募ると同時に、ユーザーにHDR対応ゲームのよりよい体験が届けられるよう、更に調査を継続し、HDR対応ゲーム関連の標準技術をさらに活かすため、ガイドラインを更新していく。

 なお、HGIGには以下の企業が関心を示しているという。HGIGはStandards Development Organizations(SDOs)に則り基準を設けており、同様にSDOsに則って策定される他基準とも鋭意連携していくとのこと。


    【関心を示している企業の一覧】
  • Activision Publishing
  • ASUSTek Computer
  • CAPCOM
  • Electronic Arts
  • Epic Games
  • HP
  • LG Electronics
  • Microsoft
  • Panasonic
  • SAMSUNG ELECTRONICS
  • Sony Interactive Entertainment
  • Sony Visual Products
  • SQUARE ENIX
  • Toshiba Visual Solutions
  • Ubisoft
  • Unity
  • Vicarious Visions
  • VIZIO
  • WB Games