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ソニー、プロ向けモニターイヤフォン。BA 5基のマグネシウム筐体「IER-M9」

 ソニーは、ステージモニター向けイヤフォン2モデルを10月6日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は5ドライバ搭載の「IER-M9」が130,000円前後、4ドライバの「IER-M7」が75,000円前後。

左がIER-M7、右がIER-M9

 いずれも、ミュージシャンがライブのステージ上で自分たちの演奏を聴くためのモニターイヤフォンとして開発。バランスド・アーマチュア(BA)型のマルチドライバを搭載した音質と、高い遮音性/装着安定性を特徴とする。

 プロに認められるモデルとして開発するため、ソニーのヘッドフォンエンジニアが持つノウハウを元に、ソニーミュージック協力によりアーティストやエンジニアが持つステージモニタリングのノウハウをフィードバックして改善を行なった。

 ライブステージ上でのモニター用途を想定し、必要な高音質や高い遮音性、装着安定性を追求。一般のオーディオリスニング用としても、声や楽器のダイレクトな音が、移動中などでも高い遮音性で楽しめるというメリットがある。

 IER-M9は5ウェイ5ドライバ、IER-M7は4ウェイ4ドライバ。BAドライバユニットの持つ素早い音の立ち上がりと、新開発BAシステムによる最適なミックスバランスで、ステージモニターとして必要な音質を実現したという。

IER-M9

 IER-M9の高域用BAドライバは、ツイータの振動板に比剛性(単位重量あたりの剛性)と内部損失の高いマグネシウム合金を採用し、色付けのないクリアな音質を再現。ボイスコイルには、伝送効率の高い銀コート銅線を使用。端子部には金メッキを施し導電性を高めた。このドライバにより入力信号に対して忠実に動く振動板が、微小な音を捉えて再生できるという。

 共通の特徴として、ケーブルには純銀コートOFCを使用し、伝送ロスを抑制。ネットワーク回路にはフィルムコンデンサを使用し、振動や電気的な干渉を抑えて繊細で伸びのある高域を再生する。さらに、ソニー専用の高音質はんだも使用。

IER-M7

 インナーハウジングには高い剛性と内部損失のマグネシウム合金を使用。BAドライバを堅牢に固定し、不要な振動を抑制。音の透明度を高める。各BAドライバから再生された音は最適化された経路を通り、ロス無く耳に伝わる「オプティマイズドサウンドパス」も採用し、各ドライバの自然な高域をそのまま聴けるという。

 新BAシステムでは、各ドライバが役割を持って補完し、インイヤモニターとしての音質を追求。5ドライバのIER-M9は、M7よりもスムーズな高域再生を実現し、細かい音まで自然に再現する。

 ケーブルは着脱可能で、ステレオミニプラグのケーブルに加え、4.4mmバランスプラグ付きケーブルも同梱。IER-M9には非磁性体の金メッキプラグをイヤフォン側/プレーヤー側の両方に使用。磁性体メッキのプラグに比べ電流の流れを阻害しにくく、よりクリアな音質を実現するという。さらに、M9にはタッチノイズを軽減するシルク編組を使用する。

 遮音性を徹底した新しい筐体構造を採用し、音漏れも低減。ドライバ前面部は完全密閉で、背面部も音抜け孔以外は密閉している。IER-M9はフロント・リアハウジングにマグネシウム材を使用。剛性が高く、ハードな使用環境でもハウジングの破損を防ぐ。また、M9のフェイスプレートにはカーボンを使用している。

IER-M9のハウジングはマグネシウム、プレートはカーボン

 ケーブルを耳に掛けて装着するスタイルで、耳掛けの部分は従来モデルのアジャストフリー(手動でカーブを調整する)から変更し、カーブは決まっているが、柔らかく色々な耳の形状に合わせて追従するプリフォームドを採用した。

ケーブルは着脱可能。MMCXと同形状の端子だが、端子部が奥まった位置にある
ケーブルの耳掛け部分

 持ち運び時の衝撃から守るため、ハードケースを同梱。表面には耐久性を考慮したポリエステルクロスを使用する。IER-M9のケースには天面に金属パネルを使用している。そのほか、ケーブルやハンガーへの負担、ハウジングの接触を防ぎ、コンパクトに収納できるシリコン製ケーブルホルダーも付属する。

IER-M9のハードケース収納時

 イヤーピースは、2種類の硬度のシリコンゴムに独自開発のシリコンフォーム素材を組み合わせたトリプルコンフォートイヤーピース6サイズ(SS/S/MS/M/ML/L)を採用。柔らかさと追従性の高さを特徴とし、遮音性と長時間の快適な装着性を実現するという。水洗いも可能。そのほか、ハイブリッドイヤーピース6サイズ(SS/S/MS/M/ML/L)も同梱する。

付属のイヤーピース

 再生周波数帯域は、いずれも5Hz~40kHでハイレゾ対応。感度は103dB。インピーダンスはM9が20Ω(1kHz)、M7が24Ω(同)。最大入力は100mW。ケーブルを除く重量はM9が約11g、M7が約9g。