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「男はつらいよ」22年ぶりの新作が'19年公開。49作の4Kデジタル修復も

 2019年に50周年を迎える、山田洋次監督作・渥美清主演「男はつらいよ」。それを記念し、50周年プロジェクトが始動。第49作「男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花 特別篇」以来、22年ぶりに新作の製作が決定。2019年に第50作が公開される。また、シリーズ全49作の4Kデジタル一挙修復も実施。修復した素材を使ったBlu-rayを2019年夏に発売するほか、全国の劇場にて特集上映も予定されている。

50周年プロジェクトが始動

 山田洋次と渥美清の名コンビが生み出した「男はつらいよ」。少年時代に憧れたテキヤの思い出を語る渥美清の記憶力、表現力、話術に圧倒された山田監督が、イメージを膨らませ、葛飾柴又を舞台にしたテレビドラマの台本を作り上げた。

 放送が始まると徐々に人気が高まり、主人公「寅さん」がハブに噛まれて死んでしまう、という最終回を迎えると、視聴者からの抗議が殺到。翌年1969年8月27日に映画第1作が公開されると、1997年公開の特別篇まで28年間にわたって49作品が製作される人気シリーズに成長した。

 22年ぶりとなる新作の第50作は、第1作が公開されてから50年目となる2019年に公開される。

男はつらいよ 噂の寅次郎(監督:山田洋次)
(C)1978 松竹株式会社

シリーズ全49作、4Kデジタル一挙修復

 第1作「男はつらいよ」(1969年)から第49作「男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花 特別篇」(1997年)まで、退色や収縮など、オリジナルネガの経年劣化や様々な要因で出来た破損等を精査しスキャン、修復、上映の全プロセスを4K解像度で実施。

新 男はつらいよ(監督:小林俊一)
(C)1970 松竹株式会社

 山田監督総合監修の下、当時のスタッフ、松竹、松竹映像センター、IMAGICA、東京現像所で修復チームを結成。最新技術と緻密な手作業を組み合わせて、試写と再修復を繰り返し、公開初日の映像と音声をデジタルで再現すべく、2年間にわたって取り組んでいるという。

 2019年夏に、修復素材を使用したBDを発売。全国の劇場でも特集上映を実施予定。最新情報は公式サイトで案内するという。

男はつらいよ(監督:山田洋次)
(C)1969 松竹株式会社

'18年10月からBSテレ東で「男はつらいよ」全49作放送

 2018年10月に、社名をBSテレビ東京へ変更するBSジャパンは、毎週土曜日の夜に「やっぱり土曜は寅さん!」と銘打ち「男はつらいよ」全49作一挙放送を実施。2018年10月6日から毎週土曜、夜6時30分に放送する。

寅さん記念館、大幅リニューアル

 葛飾区と松竹が、50周年イヤーに様々な取り組みを展開。2019年4月には、1997年の開館以来、全国の寅さんファンに愛される「寅さん記念館」が大規模リニューアル。新たな映像演出の導入、併設する山田洋次ミュージアムの拡張、カフェスペースのオープンによって、更に充実した施設になるという。

 2019年11月には、作品のロケ地となった自治体が年に一度、柴又に集い開催する「寅さんサミット」の第5回を開催。

 他にも、野外上映会、記念館重ね押しスタンプラリーなどイベントが計画されている。

寅さんの新しいキャラクターデザインが誕生

 Mr.Children、松任谷由実などの多くのミュージシャンのジャケットワークや、キヤノン、キリンなどの広告、NHK連続テレビ小説「半分、青い。」のアートワークなどを手掛ける森本千絵が主宰するデザイン集団goen゜が、寅さんのキャラクターデザインを担当。ポップなグラフィックが誕生した。

 他にも、「寅さん年賀状」や、寅さんとタニタのコラボ商品など、様々なタイアップ商品の展開、イベントの開催が予定されている。