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「8K完全版 2001年宇宙の旅」NHK BSで放送。マイ・フェア・レディも

映画「2001年宇宙の旅」が、オリジナル70mmフィルムから8K化。NHK BS8Kにおいて12月1日午後1時10分から放送される。さらに、2019年3月には「8K版 マイ・フェア・レディ」(仮)がNHK BS8Kで放送予定。いずれの作品も「70mmフィルムのポテンシャルを十分に生かし切ることができる8Kでのテレビ放送は世界初」としている。

2001年宇宙の旅
(c)Turner Entertainment Company

製作50周年を迎え、今もSF映画の最高峰とされるスタンリー・キューブリック監督の「2001年宇宙の旅」。巨大なスクリーンで上映するために、当時最高のクオリティである70mmフィルムで撮影された。70mmフィルムは4Kを超える情報量で、8K並みのクオリティを持つとされる。現在70mmフィルムを劇場で楽しめる環境は限られており、既報の通り国内では国立映画アーカイブにて、オリジナルフィルムを元に制作された70mmフィルムのニュープリント版が上映された

オリジナルのネガは、50年の歳月によりフィルムの劣化や傷なども発生していたが、NHKが世界初の8K放送を呼びかけ、作品を管理しているワーナー・ブラザースが、専門の作業チームに修復・8K化を依頼。フィルムの傷などを修復し、漆黒の宇宙空間や謎の物体・モノリス、クライマックスの極彩色の場面など、すべての色彩を検証した。細かく補正して初公開時の映像と音声にできるだけ近づけるようにレストア。「まるで宇宙空間を旅しているような臨場感、作業チームも8K版の出来栄えに思わず息をのんだ」という。スタンリー・キューブリック監督が細部まで作りあげた世界が、8Kの高精細な映像で再現される。

3月に8K放送予定の「マイ・フェア・レディ」(1964年)は、下町の貧しい花売り娘・イライザが一流のレディに変身していくミュージカル・コメディー。オードリー・ヘプバーン主演、レックス・ハリソン共演でアカデミー作品賞など8部門を受賞。この作品も70mmフィルムで撮影されている。

マイ・フェア・レディ
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製作から半世紀以上が経過し、フィルムの劣化や傷などが発生。NHKの呼びかけに応じたCBSから依頼を受けたハリウッドの専門作業チームが、オリジナルネガを8Kでスキャン、フィルムの傷や汚れなどをデジタルで修復、色彩を細かく検証して補正を行なった。8Kの高精細な映像で、ヘプバーンやハリソンの表情、演技、次々登場する衣装の質感のほか、入念に作りこまれた美術・セットの細部まで、鮮明でゴージャスな映像が8Kで表現されているという。

黒澤明、溝口健二、小津安二郎の「4Kシアター」も

NHK BS4Kでは、日本映画の巨匠である黒澤明・溝口健二・小津安二郎の名作を、4K映像で6週連続放送する「4Kシアター」を12月8日から毎週土曜夜9時から放送する。

・12月8日(土)「羅生門 4Kデジタル修復版」(黒澤明監督作品1950年製作)
・12月15日(土)「乱 4Kデジタル修復版」(黒澤明監督作品1985年製作)
・12月22日(土)「雨月物語 4Kデジタル修復版」(溝口健二監督作品1953年製作)
・12月29日(土)「山椒大夫 4Kデジタル修復版」(溝口健二監督作品1954年製作)
・1月5日(土)「近松物語 4Kデジタル修復版」(溝口健二監督作品1954年製作)
・1月12日(土)「浮草 4Kデジタル修復版」(小津安二郎監督作品1959年製作)