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ゼンハイザーから左右分離。チタンを活用したUnique Melody「MAVEN」

東京・中野にあるAV機器の専門店フジヤエービックのデジタルスタイルショップが主催する「秋のヘッドフォン祭 2018」が、10月27日(土)と28日(日)の2日間、東京・中野の中野サンプラザで開催中。ここでは、ゼンハイザーやミックスウェーブなどのブースをレポートする。

中野サンプラザで開催中

ゼンハイザー

ブースの注目は、日本初披露となる左右完全分離型イヤフォンの「MOMENTUM True Wireless」だ。2セット参考出品しており、試聴の列が出来ている。

日本では2018年末の発売を予定しており、価格は未定だが、海外での価格は299ユーロ。ゼンハイザーらしい落ち着いたデザインで、ファブリック仕上げの充電ケースがセットになっている。

「MOMENTUM True Wireless」

ミックスウェーブ

多数の新製品を展示している。Campfire Audioからは、イヤフォンの「SOLARIS」が登場。日本での発売時期や価格は未定だが、12月から2019年1月頃の発売をイメージ。19万円前後になる見込み。

筐体の素材に、Gold PVD Face、Gunmetal PVD Body、Stainless Steel Spoutを組み合わせているのが特徴。

ハイブリッド構成で、ドライバ数は5基。ケーブルは純銅銀メッキの「New Super Litz cable with 4 silver plated copper」を使っている。

Campfire Audio「SOLARIS」

10月26日に、国内400台限定で発売を開始した、Campfire Audioの「ANDROMEDA S」も出展。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は129,300円前後。発売したばかりだが、かなりの人気だという。

5BAイヤフォン「ANDROMEDA」('16年発売)の筐体に“ジュエリーのように輝く”特注のステンレススチールを採用した限定モデル。3ウェイ5基のバランスド・アーマチュア(BA)ユニットを搭載、構成は低域×2、中域×1、高域×2。ANDROMEDAと同じ音ではなく、中域や低域をさらにチューニングしている。

音導管を使用しないチューブレス方式の音響設計技術「T.A.E.C(Tuned Acoustic Expansion Chamber)」も採用。周波数特性は10Hz~28kHz、感度は112.8dB、インピーダンスは12.8Ω。MMCX端子を備え、ケーブル交換に対応。端子はベリリウム銅で加工して強度を増している。銀メッキ銅製で長さ約120cmの「Litz Wire Earphone Cable」を同梱する。

Campfire Audioの「ANDROMEDA S」

Campfire Audioからはカスタムイヤフォンの「EQUINOX」という製品も用意。イベント限定商品で、春と秋の展示会でのみ販売を予定。価格は174,074円。筐体にステンレススチールとアクリルを使用。ドライバーは、ADLC 10mmのダイナミック型でシングル。ケーブルは「Pure Silver Litz Cable(銀)。

Campfire Audioのカスタムイヤフォン「EQUINOX」

香港FAudioからは、26日に発売を開始したダイナミック型イヤフォン「Major(メジャー)」が出展されている。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は132,500円。ダイナミック型イヤフォンのフラッグシップ機で、独自開発の10.5mm径ダブルレイヤー構造のダイナミック型ドライバーを採用。メディカルファイバー素材の振動版と、チタニウム素材の振動版を張り合わせ、高剛性・高減衰性・軽量性を両立したという。

3つのアコースティックチャンバー(空気室)を搭載。イヤフォン筐体内の空気の流れをコントロールしている。筐体には、堅牢な6061-T6アルミニウム合金を使用。アルミブロックからCNCマシンで削り出し成型することで、共振の少ないエンクロージャーに仕上げた。軍需用のクリスタル銅ケーブル(高純度銅ケーブル)を同梱する。

FAudio「Major」

qdcからは「Anole VX」というイヤフォンが登場。日本での発売時期は12月ころ、価格は26万円前後の見込み。BAドライバーを10基搭載。本体にスイッチを備え、8パターンのサウンドが選べるという。

qdc「Anole VX」

Unique Melodyが展示している試作機は「MAVEN」。チタンでシェルを作れる3Dプリンタを活用している。日本での発売時期や価格は未定。BAドライバ×9基構成のモデルと、3基構成のモデルを出展している。

Unique Melodyの試作機「MAVEN」。チタンの3Dプリンタを使って作られている。写真はBA×9基モデル
こちらは3基モデル

タイムロード

タイムロードは、独ULTRASONEの開放型ヘッドフォン「Edition 11」を、10月27日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は16万9,800円前後。世界で1,111セット限定での販売となる。

設計を一から見直し、軽快な装着感とナチュラルな音質を実現した、ハイエンドヘッドフォンEditionシリーズの新たな開放型モデル。「長時間のリスニングでも聴き疲れのしない、まさにホームリスニングのためのEdition」としている。

ULTRASONEの開放型ヘッドフォン「Edition 11

新たに取り扱うイタリアのオーディオブランド「Pathos(パトス)」の、ヘッドフォンアンプも出展。イタリア北部の町、ビツェンツァで1994年に創設したアンプメーカーで、スピーカー向けアンプも手がけている。

ヘッドフォンアンプは「InPol EAR」が68万円、「Aurium」が21万円。「In PoL EAR」は、プリメインアンプと同一の筐体をベースに、ヘッドフォン専用にチューニングを施したモデル。プリ段にECC88、増幅段に純A級InPol回路を搭載したヘッドフォンアンプ。ヘッドフォン出力は、4ピンのXLRバランスコネクタを2系統、標準ジャックを1系統備え、バランスが533mW(600Ω)/1W(300Ω)、アンバランスが160mW(同)/320mW(同)。

「Aurium」は、小型軽量の純A級アナログヘッドフォンアンプで、コンパクトな筐体に、パトスが得意とするハイブリッドテクノロジーを搭載。真空管のプリ段+純A級の増幅段を搭載。ECC88と純A級回路の増幅段で構成。標準のヘッドフォン出力を1系統備える。ゲイン調整ノブを備え、16〜1,000Ωまでのヘッドフォンに対応する。出力は3.6W。外形寸法は230×200×60mm(幅×奥行き×高さ)。

「InPol EAR」
「Aurium」

さらに、10月1日から発売している、イタリアのオーディオメーカーChario(チャリオ)のスピーカーも展示している。

Charioのスピーカーも展示

また、英Chord Electronicsの新製品として秋に発売予定、デスクトップでの利用を想定した小型の据え置き型DAC「Hugo TT 2」も参考展示している。価格は70万円前後を予定。ポータブルDACとして登場し、その音質の高さで話題となった「Hugo」。据え置き機として使う人も多く、そうしたニーズを受けて、据え置きに特化したモデル「Hugo TT」が誕生。その後継モデル「Hugo TT2」。完全な据え置き機で、バッテリ駆動はできない。

汎用的なDACやデジタルアンプを使わず、高速なFPGAを用いて処理を行なっているのが特徴。独自の「WTAフィルタ」を活用、FIRフィルタの処理細かさをタップ数で表しており、フィルタの細かさが増えるほど、時間軸方向の精度がアップし、トランジェントの良さや、リズムの再現性などで効果が出るとする。タップ数は、Hugoは26,368タップ、Hugo 2は49,195タップ、Hugo TT 2は98,304タップを実現した。

Chord Electronicsの「Hugo TT 2」

FOSTEX

FOSTEXブースの注目は、漆塗りハウジング、バイオダイナ振動板、磁束密度1.5テスラの磁気回路を採用した開放型ヘッドフォン「TH909」だ。10月中旬発売で、価格はオープンプライスで、店頭予想価格は22万円前後。

開放型ヘッドフォン「TH909」

フォステクスのヘッドホン史上最も評価が高いという密閉型の「TH900mk2」をベースに開発された、開放型モデル。ハウジングには、オリジナルモデルから継承した高級材の水目桜を使い、老舗・坂本乙造商店による漆塗りボルドーカラーで仕上げている。

FitEar

須山歯研のブースでは、FitEarブランドの新製品として、10月20日から受注を開始したカスタムイヤフォンの「EST Custom」(エスト カスタム)を紹介している。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は172,800円前後(税込)。7月に発表したユニバーサル版「EST Universal」のカスタム版となる。

「EST Custom」
ユニバーサル版「EST Universal」

ドライバはハイブリッドタイプだが、構成は非公開。バランスドアーマチュアユニット(BA)と、静電型のツイーターユニットを組み合わせているのが特徴。ドライバーメーカーが技術的挑戦として開発した静電型ユニットに、FitEarも試作品のテストで参加。「数々の試作を経て課題などを克服し、静電型ツイーターユニットが誕生した」という。

ピークレスでリニアリティに富むこのユニットの特性を活かし、BA型のドライバー側はネットワークによるハイカットは行なわずフルレンジとして使用。そこに中~高域を載せる形でバランスを取っている。

なお、静電型ツイーターには1:100の昇圧トランスを組み込んでおり、駆動に専用アンプは不要。通常のイヤフォンと同様に、ポータブルプレーヤーなどとダイレクトに接続できるという。

デノン

発表されたばかりのBluetoothイヤフォン「AH-C820W」の発表会を開催したほか、ブースにも展示している。12月上旬発売で、価格はオープンプライス。店頭予想価格は23,500円前後。

有線イヤフォンの最上位モデル「AH-C820」と同じイヤフォン部分を使い、ネックバンドのBluetoothイヤフォン化したもの。11.5mmのダイナミック型ドライバを2基、対向配置した「ダブル・エアーコンプレッション・ドライバー」方式が特徴だ。

さらに、9月下旬から発売している、ハウジングに“孟宗竹”を使ったハイエンドヘッドフォン「AH-D9200」(195,000円)にも注目が集まっている軽量性、剛性、優れた振動吸収性を併せ持つ竹素材を活用、振動板は50mm径のフリーエッジ・ナノファイバードライバを使っている。

Bluetoothイヤフォン「AH-C820W」
ハウジングに“孟宗竹”を使ったハイエンドヘッドフォン「AH-D9200」
使われているパーツも見ることができる

ラックスマン

ラックスマンブースでは、取り扱うFOCALのハイエンドヘッドフォン「ELEGIA」を展示。FOCALのハイエンドでは初の密閉型となり、12月発売予定。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は10万円~11万円程度の見込み。

密閉型ハウジングを採用し、ポータブルとして外での利用も想定。ポータブルプレーヤーとの組み合わせを前提として、ベストなパフォーマンスが出るよう開発されたという。

ユニットは40mm口径、M字型のアルミニウム-マグネシウム・ドーム振動板を採用。軽量かつ剛性が高いのが特徴。フレームレスボイスコイルを採用し、ボイスコイル自体も軽量で導電性が良いものを使っている。

「ELEGIA」