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VRライドシアターで攻殻の電脳空間へ。初上陸「hexaRide」に乗ってきた

東京・お台場の「ダイバーシティ東京 プラザ」が、11月2日にリニューアルオープン。日本初上陸となる12人乗りのVRライド型アトラクション「hexaRide」や、専門店などが新たに登場する。hexaRideの第1弾コンテンツ「攻殻機動隊GHOST CHASER」を、オープン直前に体験してきた。

ダイバーシティ東京 プラザに2日オープンする「hexaRide」

ダイバーシティ東京 プラザは、2012年の開業以来初となる大規模なリニューアルを実施。「hexaRide」導入に加え、新規/改装で約40店舗が順次オープンする。親子で楽しめる、東京初出店の体験型知育デジタルテーマパーク「LITTLE PLANET× XFLAG」や、旅行系のグッズをメインにした「Air Bic Camera」などが登場。2階のフードコートにも新店舗が加わる。

ダイバーシティ東京 プラザ

「hexaRide」は、日本初上陸となるVRライド型アトラクションで、ダイバーシティ東京 プラザの5階に出店。VR機材と連動する12人乗りの最新ライド型アトラクション「Q-Ride」を採用。装着したヘッドマウンドディプレイ(HMD)の360度映像と連動して、1台に12人を乗せた6方向(6DoF)自由可動式の座席がダイナミックかつ繊細に動き、特別な浮遊感や疾走感を楽しめるのが特徴だ。

12人乗りのhexaRide
1列に4人ずつ、3方向を向いた席に座る

第1弾コンテンツ「攻殻機動隊GHOST CHASER」は、草薙素子ら公安9課のメンバーとともに電脳空間にアクセスして、舞台の「クザン共和国」で、反政府軍との戦闘をVRで体験するという内容。

攻殻機動隊GHOST CHASER(C)士郎正宗・Production I.G/講談社・「攻殻機動隊 新劇場版」製作委員会

アニメーション制作のプロダクション I.Gによるオリジナルコンテンツで、VR作品「攻殻機動隊 新劇場版 Virtual Reality Diver」の東弘明監督(stoicsence)と、プロダクションI.Gが映像を制作。hexaRideの機能を活かすため、Brogentのモーションプログラミングチームと検証を重ねた。アニメなどのコンテンツ制作にかかわったメンバーが、そのままアトラクションのコンテンツ制作に関わることで、世界観やストーリーも作品に沿った内容が楽しめる点が特徴だという。

企画・プロデュースはBrogent Japan Entertainment(BJE)。台湾でシアター型ライド機器の開発・製造を手掛けるBrogentと、講談社、電通の3社出資で設立した、ライド型VRソフトを開発している。

hexaRideは、3方向に4つずつ、計12座席を用意。シートベルトを締めて、ゴーグルを装着。ヘッドフォンを着けて視覚も聴覚も作品の世界に入り込める。草薙素子(CV坂本真綾)から今回の“指令”の説明を受け、バトー(松田健一郎)、サイト―(中國卓郎)、パズ(上田耀司)、ボーマ(中井和哉)らとともに作戦を開始する。

(C)士郎正宗・Production I.G/講談社・「攻殻機動隊 新劇場版」製作委員会

熱光学迷彩装備の歩兵兵站用輸送支援車両であるロジコマ(沢城みゆき)に搭乗したような視点や、登場する各キャラクターに乗り移ったような視点で、激しいバトルが展開。映像を観ながら、自分がキャラクターを操作しているように、アニメとゲームの両方を楽しんでいるような不思議な感覚の体験ができる。

(C)士郎正宗・Production I.G/講談社・「攻殻機動隊 新劇場版」製作委員会

装着するヘッドマウントディスプレイ(HMD)はエイサー製で、映像は4K相当。市販のHMDを使い、必要な場合は交換もできるため、今後のHMDの進化に合わせて映像のクオリティをさらに高められるという。

座席に備え付けのHMDとヘッドフォンを装着

映像や音声と連動した座席の動きに加え、風が顔に吹きかかるようなエフェクトもあり、高いところから飛び降りるような感覚もリアル。これらは映画館の4DXやMX4Dなどにも近いが、HMDで観る映像は、劇場の3Dなどのスクリーンよりも近くに感じる。公安9課のメンバーが隣にいるような感覚で一緒に戦ったり、すぐ目の前の障害物を潜り抜けるようなアクションで作品世界への没入感はかなり高い。

係員がチェックするパネル

今回の舞台「クザン共和国」は、攻殻機動隊ARISEに登場する国。約8分という時間だが、実際のアニメスタッフが参加していることもあって、作品そのままの世界観でストーリーが作られており、まるで一つの番外エピソードのように楽しめた。VRライドを楽しんだ後は、作品に関連したグッズなどが購入できるのも、映画館に近い楽しみ方だ。

hexaRideの体験の様子。外からみると意外に静かだが、席が激しく動くのが分かる
グッズ販売コーナー

「攻殻機動隊GHOST CHASER」ストーリー

舞台はクザン共和国。次世代兵器の調整会議に出席する国防大臣が現地視察を強行することになり、草薙素子をリーダーとする「公安9課」に対して、これを護衛すると同時に視察ルートを確保するという任務がくだされた。 君たちはヘキサライドに乗って電脳空間にアクセスし、「公安9課」の一員として襲いかかる反政府軍との戦闘を体験する 。

12月には、「進撃の巨人 崩落の塔」というコンテンツも登場予定している。現在は1つのコンテンツを1日に複数回提供する形だが、今後もタイトルを追加することで、将来的には映画館のように異なる作品のスケジュールを編成して、来場者が好きな作品を選んで体験できるようにすることを目指しているという。

第2弾「進撃の巨人 崩落の塔」
(C)諫山創/講談社

Brogentの設立者兼CEO 歐陽志宏氏によれば、これまでhexaRideは大型のアミューズメント施設に導入しており、今回のダイバーシティ東京 プラザへの導入は小型の筐体とのことだが、「今まで外から見ていた作品の世界の中へ入っていける。テーマパークと同じレベルの体験ができる」と自信を見せている。

Brogentの設立者兼CEO 歐陽志宏氏

講談社の役員を務めているBJEの古川公平社長は、初めてBrogentを訪れた時に技術の高さに感銘を受け、講談社のコンテンツを活かして「今までにないエンターテインメントを作り出す」ことを目指し、今回の実現に至ったという。「私たち(講談社)の作品だけでなく、様々な日本のコンテンツをhexaRideにのせたい」と今後のコンテンツ拡大に強い意欲を示した。

BJEの古川公平社長

最近は様々なVR体験ができる施設が登場しているが、今回のhexaRideは“大規模なアミューズメントコーナー”というよりは、ダイバーシティ東京 プラザの専門店の1つのように、ファッションや雑貨などの専門店と並んで出店しているのもユニークなところ。広大なスペースを使わなくても、迫力の体験ができる点は、受け入れる商業施設側にとってもメリットとなりそうだ。

hexaRideと同じ5階に、東京初出店となる親子で楽しめる体験型知育デジタルテーマパーク「LITTLE PLANET× XFLAG」
2階には、旅行系のグッズなど、海外からの来店者をメインに見込んだ「Air Bic Camera」
2階のフードコートには、東京初上陸や新業態の飲食店5店舗を用意