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AR/MRグラス開発を短縮する新モジュール。シチズンファインデバイスら3社

シチズンファインデバイスは25日、AR/MRグラスタイプのヘッドマウントディスプレイ(HMD)向けモジュールを、日立エルジーデータストレージ、米Analogix Semiconductorと3社で共同開発。HMD機器やソリューションの開発メーカー向けに販売する。'19年1月8日から米ラスベガスで開催するプライベートショーで展示し、同月からサンプル出荷を開始予定。

ARグラスタイプHMDのイメージ

AR/MR向けのHMDは、ゲームや映像コンテンツを楽しむエンターテイメントや、業務サポートツール分野での活用が期待されるが、製品化に必要な三大技術「映像表示」、「光学制御」、「信号処理」を一から開発する場合、部材の選定から始まって数年を要するとされる。

今回、3社はそれぞれの技術を集約したHMD向けモジュールを開発。PCやスマートフォンからUSB Type-Cケーブルを介して、映像信号を入力するだけで画像表示が可能な基本モデルとして組み上げられる。さらに、ユーザーが求める様々な機能を搭載できるよう、拡張性も考慮した設計とした。

  • 映像表示部:シチズンファインデバイス提供
    小型・高精細・高速応答を特徴とするFLCOSを採用した、HMD用途向けの高輝度液晶(0.24型/1,280×720画素)。LSI設計LCOS用シリコンウエハーや駆動方式を改良し、高輝度ながら低消費電力・軽量小型化を実現
  • 光学制御エンジン:日立エルジーデータストレージ提供
    AR画像の視認性を高める光導波路と、高画質化を実現する高精度光源実装技術を採用。同社の光ディスクドライブや、光学系の設計ノウハウと精密製造技術を駆使
  • 信号処理部:Analogix Semiconductor提供
    スリムポート「ANX7530」ディスプレイコントローラーに加え、デュアルマルチプレクサ(4×6多信号処理による10Gbpsスイッチング)を備えた完全一体型USB-PD 3.0ポートコントローラー「ANX7327」の組み合わせで、リフレッシュレート120Hzと高信頼性を実現

具体的な製品・システム開発のための基本モデルとして販売するが、3つのエンジンは個別に提供も可能。

これにより、「機器メーカーやシステムインテグレーターのニーズに合ったAR/MRヘッドセットの開発から生産までを年単位で短縮できる」としている。