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ソニー、第3四半期はスマホ売上減などで10%減収。EMI子会社化で増益
2019年2月1日 16:59
ソニーは1日、2018年度第3四半期(2018年10月1日~12月31日)の連結業績を発表した。売上高は、前年同期比10%減の2兆4,018億円。営業利益は同7%増の3,770億円。税引前利益は同1%減の3,405億円。純利益は同45%増の4,290億円と、減収ながら増益となった。売上高は金融分野やモバイル分野の大幅減収が影響。営業利益は、EMIの連結子会社化にともない音楽分野に計上された再評価益が寄与した。
テレビを含むホームエンタテインメント&サウンド(HE&S)分野の売上高は、前年同期比10%(410億円)の減収となる3,888億円。規模を追わない収益性重視の経営によるテレビの数量減や為替が影響した。営業利益は前年同期比13億円の増益となる、475億円。テレビの高付加価値モデルへのシフトによる製品ミックスの改善や、販売会社の間接費用の減少があったが、為替の悪影響がマイナス102億円影響した。同期のテレビ販売台数は380万台。通期見通しは1,150万台で変更はない。HE&Sの通期売上高、営業利益の見通しも10月時点から変更はない。
ゲーム&ネットワークサービス(G&NS)分野は、前年同期比10%増(726億円)の7,906億円。営業利益は、前年同期の854億円に対し、今期は731億円で、123億円の減益となった。ゲームソフトは増収だったが、PS4ハードウェアの販売数量減や、年末商戦のプロモーション価格販売などが影響した。
PlayStation 4の販売台数は今期810万台(前年同期900万台)。通期予想は1,750万台、売上高の見通しは2兆3,500億円、営業利益3,100億円で、いずれも10月時点から変更はない。
デジタルカメラなどイメージング・プロダクツ&ソリューション(IP&S)分野は、売上高が、前年同期比4%増の1,880億円。高付加価値モデルへのシフトによる製品ミックスの改善が寄与した。営業利益は、前年同期比83億円増の342億円。
スマートフォンなどのモバイル・コミュニケーション(MC)分野は、売上高が前年同期比37%(542億円)の減少となる1,372億円。日本や欧州、中南米を中心としたスマートフォンの販売台数減少が響いた。営業利益も前年同期158億円の黒字から、155億円の赤字へと転落した。通期の見通しも売上高4,900億円(10月時点は5,100億円)に下方修正。営業利益はマイナス950億円で10月時点から変更はない。
映画分野の売上高は、前年同期比6%増収となる2,767億円。映画製作の増収、「ヴェノム」の好調による全世界での劇場興行収入の増加や、カタログ作品のテレビ向けライセンス収入の増加が好影響となった。一方で米国テレビ番組のライセンス収入減少でテレビ番組制作は減収。営業利益は、前年同期比11億円増の116億円。
音楽分野の売上高は、前年同期比4%減の2,094億円。音楽制作の減収や、映像メディア・プラットフォームの減収、モバイルゲーム売上の減少などがあったが、EMIの連結子会社化などで音楽出版は増収となった。営業利益は、前年同期比1,078億円増加となる1,471億円に大幅増益。EMIの連結子会社化による再評価益1,169億円とEMIの持分約60%の取得に伴う持分法投資損失52億円の計上が影響した。
金融分野の売上高は、大幅減収となる1,636億円。金融ビジネス収入が前年同期比2,097億円マイナスとなった。ソニー生命での大幅減収(マイナス2,092億円)などが影響した。営業利益は184億円マイナスの379億円となった。
2018年度の通期業績見通しは、10月予想から売上高を2,000億円下方修正した8兆5,000億円。営業利益は8,700億円で変更はない。税引前利益は250億円減の9,500億円、純利益は上方修正で、1,300億円増の8,350億円。