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約70万円の超弩級プレーヤー「LP6 Ti」や「OVO Premium」登場

東京・中野にあるAV機器の専門店フジヤエービックが主催する「ポータブルオーディオ研究会(ポタ研) 2019冬」が、2月2日に中野サンプラザの15階で開催された。ヘッドフォン/イヤフォンの国内外メーカーが、初披露モデルを含めた新製品を出展するイベントで、入場は無料。約70万円のLUXURY&PRECISION超弩級プレーヤー「LP6 Ti」や「OVO Premium」などが登場した。

「OVO Premium」

LUXURY&PRECISION

サイラスのブースでは、LUXURY&PRECISIONのハイレゾプレーヤー新モデル「LP6 Ti」が参考展示された。3月か4月頃の発売予定。筐体にチタンを、サイドや背面にウッドパネルを配置している。

LUXURY&PRECISIONのハイレゾプレーヤー新モデル「LP6 Ti」

ディスプレイは3.5型で480×320ドット。DACは、医療計測用という超高精度なカスタム「R2R DAC」の選別品を4個搭載。PCMは768kHz/32bit、DSDは11.2MHzまで対応するが、現在のファームでは、PCMは384kHz/24bit、DSDは5.6MHzまでの対応となっている。

ヘッドフォン出力は、標準プラグと4.4mm、3.5mmを用意。定格出力は、標準プラグが320mW(32Ω)、4.4mmの出力が800mW(32Ω)。8~1,000Ωまでのヘッドフォンに対応可能。ラインアウトも備えている。さらに同軸デジタル入力も搭載。USB DACとして使うこともできる。

高精度アナログ式ボリュームを搭載。内蔵ストレージメモリは64GBで、256GBまでのmicroSDカードが利用可能。アップサンプリング機能や、デジタルフィルターの選択機能なども備えている。

高精度アナログ式ボリュームを搭載

ユニークなのはFPGAを搭載し、デジタルフィルタやイコライジングなどのデジタル処理を行なっている事で、製品オーダー時に、ユーザーが好む音質、好きな音楽ジャンルなどを伝えると、その人にマッチしたデジタルフィルターを作成し、プレーヤーに入れて届ける事が可能という。

LP6 Tiの価格は70万円を超える見込みで、超ハイエンドなポータブルプレーヤーになりそうだ。一方で、筐体の素材を変えて、価格を抑えた「LP6」というモデルも展開予定だという。

GREEN FUNDING

クラウドファンディングのGREEN FUNDINGブースには、USBバスパワー方式で動作し、音楽信号をすべてデジタルのみで処理するフルデジタルロジックを採用したポータブルスピーカー「OVO」と、その新作であり、フラッグシップモデルと位置づけられる「OVO Premium」を展示。OVO Premiumは既報の通り、クラウドファンディング「未来ショッピング」でプロジェクトがスタートしている。

「アルミニウム削り出し OVO Premium」の14色カラーと4色カラーが各8万円、「真鍮削り出し OVO Premium」が12万円。期間は1月18日~4月17日。目標金額は300万円で、All or Nothing方式。

「真鍮削り出し OVO Premium」
「アルミニウム削り出し OVO Premium」

このOVO Premiumは、192kH/24bitまでのハイレゾ音声も非圧縮で伝送できるUSBデジタル接続のコンパクトなスピーカー。ユニットの直前までフルデジタル処理するのが特徴で、既存モデルは96kHz/24bitまでの対応だが、OVO Premiumは192kHz/24bit対応となる。

4cm径スピーカーユニットとパッシブラジエータ―を搭載。WindowsやMac、iPhone/iPad、Android、Linux、PlayStation 4、Nintendo Switchなどで利用できる。

アルミと真鍮筐体、どちらも質感が高く、特に真鍮はズシリと重量感がある。筐体の剛性が高いため、高音質化にも寄与しているという。また、剛性の高さを活かし、従来モデルよりもユニット前面の開口部分の穴が多くなっており、ユニットのサウンドをよりストレートに出力できるのも特徴。

真鍮削り出しモデルはズシリと重く、高級感抜群だ
従来モデルと比べ、ユニット前面の開口部分の穴が多くなっている

ブースでは光デジタル音声の信号を、USBに変換して出力するユニットも参考展示。テレビの光デジタル出力を、OVOに入力し、OVOをテレビスピーカーとして活用する事を想定している。変換ユニットへの給電はUSBで、テレビのUSB端子からの給電で動作する。

光デジタル音声の信号を、USBに変換して出力するユニット
内部基板

GREEN FUNDINGブースではさらに、HUMUという枕型のスピーカーも展示。枕カバーを変更するなどして、今後プロジェクトを開始予定だという。スマホやタブレットとBluetoothなどで連携し、寝ながらサウンドや振動が楽しめるのが特徴だ。

アユート

アユートブースには、今後取扱予定という、DPVRの4K解像度、VR用HMDを参考展示。Hugo2と接続し、映像だけでなく、高音質も楽しめるVR映像のデモを行なっていた。映像鑑賞や、ゲームなどの利用を想定している。

DPVRのHMD
Hugo2と接続し、高音質なVRをアピール

さらに、Astell&Kernのポータブルプレーヤー「A&ultima SP1000」「A&ultima SP1000M」「A&futura SE100」「A&norma SR15」の4モデルが、ファームウェアアップデートで「AK CD RIPPER」および「AK CD RIPPER MKII」と接続し、CD/MQA-CDが再生できるようになった事を紹介。実際にデモ再生も行なった。

AKプレーヤーには、音楽配信用アプリのインストールも可能になっており、その動作や音質を確かめられる展示も用意された。

MQA-CDの再生デモ
AKプレーヤーで音楽配信アプリを楽しむ紹介も