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ソニー最上位イヤフォン「IER-Z1R」、約20万円で23日発売

ソニーは、最上位イヤフォン「IER-Z1R」を2019年3月23日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は20万円前後。

ソニー最上位イヤフォン「IER-Z1R」

2018年8月に香港で開催された「High-end AV Show」や、9月の「IFA 2018」において、超弩級プレーヤー「DMP-Z1」と共に発表された最上位イヤフォン。国内での発売日や価格が決定した形となる。

最大の特徴は、3つの異なるドライバーの長所を組み合わせた「HDハイブリッドドライバーシステム」を採用した事。低~中高域向けに、12mm径のダイナミック型×1、高音域向けにバランスドアーマチュア(BA)×1、超高音向けに5mmのダイナミック型×1を搭載している。再生周波数帯域は3Hz~100kHz、感度は103dB/mW。インピーダンスは40Ω、重量は約26g。

低~中高域用の12mm径ダイナミック型は、振動板のドーム部分に、薄膜のマグネシウム合金を採用。エッジ部分には、アルミニウムコートLCPを使っている。

内部パーツ。左から2個目はネットワーク回路
中央がマグネシウム合金のインナーハウジング。その右下にあるのがBAユニット
12mm径のダイナミック型ドライバ

高域向けのBAユニットにもこだわりがあり、振動板に、実用金属中で最も比剛性が高く、高い内部損失も備えたマグネシウム合金を採用。ボイスコイルには、伝送効率の高い銀コート銅線を使っている。端子部には、金メッキを施し、導電性を向上させた。こうした工夫で、入力信号に対して忠実に動き、微細な音を表現できるという。

超高域向けの5mmダイナミック型は、独自開発の振動板と、外磁型磁気回路を組み合わせ、100kHzまでのクリアな中高域再生と、小型化を実現したという。振動板は、アルミニウムコートLCP。サイズを5mm径としているのは、音導管を同軸配置するため。超高域をスムーズに再生できるという。

各ドライバーユニットの不要な振動を抑えるために、マグネシウム合金のインナーハウジングを採用。そこに各ユニットを取付、出た音が最適な位相で合わさるように、音の伝わる経路の構造を調整している。

ハウジングの表面には、ジルコニウム合金を採用。硬度が高く、耐食性にも優れるため、傷がつきにくく、長年の使用に耐えるという。ハウジングカバーにはペルラージュ加工をほど個し、高級感を演出した。

ドライバーユニットの後方に拡張音響空間を設け、極細の音響管を接続する事で振動板の背面の通気をコントロール。豊かで最適なバランスの中音域と、低音域から高音域にかけての自然な音の繋がりや、広がりのある音場を実現したとする。

ケーブルは着脱可能で、MMCX端子を採用。ツイストペア構造の銀コートOFCケーブルを採用しており、往路と復路の導体を互いに撚り合わせる事で、磁束をキャンセルし、伝送ロスを低減。外部からケーブルを貫通する磁束によって発生する電流ノイズも抑えている。表面はタッチノイズを軽減するシルク編組。

プラグには非磁性体メッキを採用。ケーブルは4.4mmバランスと、3.5mmアンバランスの2本を同梱する。ケーブルにはハンガー形状を採用し、快適性やフィット感を高めている。

ネットワーク回路には、音質に優れたフィルムコンデンサーを採用。ソニー専用の高音質はんだも使っている。

ヘッドフォンの「MDR-CD900ST」など、プロ向け音響製品を手がける生産工場で作られており、厳しい品質管理の元、熟練の作業者により、手作業で組み立てられている。

イヤーピースは2種類の硬度のシリコンゴムに、独自開発のシリコンフォーム素材を組み合わせた独自開発のトリプルコンフォートイヤーピース。サイズはSS/S/MS/M/ML/Lの6サイズ。水洗いも可能。ハイブリッドイヤーピースも7サイズ同梱する。

ケーブルやハンガーへの負担を軽減しながら収納できるケーブルホルダーや、ハードケースも同梱。ケースとホルダーは磁力で固定している。