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Voicyに朝日放送グループや文化放送らが約1.2億円の出資。声のメディア拡大

音声メディアを運営するVoicyは26日、朝日放送グループホールディングスの子会社ABCドリームベンチャーズや、文化放送、複数の個人投資家を引受先とする第三者割当増資により約1.2億円を調達したと発表した。

Voicyに対し、ABCドリームベンチャーズと、文化放送などが出資

Voicyは、音声配信インフラの開発・提供や、ボイスメディア「Voicy」の開発運営、音声体験のデザイン・コンサルティングの3つの事業を展開。簡単な録音・放送システムと、スマートスピーカーなど多くの端末への配信の仕組みにより、既に多くの活字メディアやラジオ局、芸能事務所などと連携しているという。

自社メディア「Voicy」では、ビジネスの専門家やミュージシャン、インフルエンサーなどの「声のブログ」や、ニュース・天気予報、事業会社のオリジナルチャンネルなど、200チャンネル以上をすべて無料で放送。個人パーソナリティのチャンネルに、上場企業を含むスポンサーがつくものもあるという。

Voicyのアプリ版
VoicyのWeb画面

今回の第三者割当増資の引受先は、ABCドリームベンチャーズが運営するABCドリームファンド1号投資事業有限責任組合、文化放送、個人投資家の千葉功太郎氏、田端信太郎氏、そのほか3名の個人投資家。約1.2億円の資金調達を実施したことで、今回のラウンドでの調達額は8.2億円となった。

増資に応じた事業会社や新規個人投資家は、Voicyの「声のブログ」という新しい音声コンテンツの魅力や、ユーザーコミュニティの深さを評価。同社に対し、今後の音声コンテンツを提供する音声放送プラットフォームのマネタイズ戦略に期待を寄せているという。今後は各社との協力により、新しい音声コンテンツ開発以外にも幅広い事業連携を行なうとしている。

既存の個人投資家に対しては、リリースから2年ほどでボイスメディア「Voicy」が30倍以上成長したことや、ユーザーの一日の平均利用時間が40分とユーザーとのつながりが深いことなどが評価され、追加投資を受けたという。

調達した資金の使途については、世界のVoice Techをリードするテックカンパニーになるための「技術組織の増強」、音声データを利用した「新しい音声コンテンツの開発」、次世代の新しい音声メディアとしての「ブランディングや企画」、既存メディアや広告との事業提携による「新しいサービス開発」の4つを挙げている。

今後はプロダクト開発チームやエンジニア人材の採用強化を行ない、ボイスメディア「Voicy」のアプリリニューアルや音声インフラの再構築などを予定している。

また、多くのデバイスメーカーやコンテンツメーカーと連携。Voicy独自の音声配信技術やデータ解析、パーソナライズなどの音声テクノロジーにより、「ただ当たり前に生活しているだけで必要な情報が得られる音声配信プラットフォームを拡大させ、新しい音声体験を世の中に提供する」としている。