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Technics話題のアナログプレーヤー「SL-1500C」登場、カーオーディオ試聴も

国内外のオーディオブランドが集結し、最新機種からハインド機まで実際に聴いて楽しめるイベント「OTOTEN 2019」が29日、有楽町の東京国際フォーラムで開幕。会期は29日と30日。入場は無料。ここではTechnicsやティアックなどのブースをレポートする。

Technics

Technicsブースには、2008年発売のDJターンテーブル「SL-1200MK6」以来11年ぶりとなる新製品「SL-1200MK7」が出展。プロDJのDJ BUNTA氏がプレイするコーナーも設けられており、パフォーマンスを間近で体感できる。

「SL-1200MK7」
DJ BUNTA氏のプレイが間近で見られる
ブースの床にはTechnicsロゴの大きなターンテーブルシートが

Hi-Fiオーディオの出展では、6月28日に発売されたばかり、定価10万円のダイレクトドライブターンテーブル「SL-1500C」に注目が集まっている。

「SL-1500C」

「Hi-Fi入門向け」と位置付けるダイレクトドライブのレコードプレーヤーで、MMカートリッジ対応のフォノイコライザーを内蔵。出力端子はLINEとPHONO独立で各1系統を備え、手持ちのフォノイコやMCカートリッジを使う場合は、背面のPHONOスイッチをオフにすると、内蔵フォノイコ回路の影響を完全に排除できる。また、レコードの最後に到達すると自動的にアームが上がる「オートリフトアップ」機能も搭載。レコードや針の不要な摩耗を防げる。

ダイレクトドライブ方式の課題とされるコギング(回転ムラ)の発生を解決するため、コイルからコア(鉄心)を排除したコアレスステーターを採用したコアレス・ダイレクトドライブ・モーターを搭載。ローター磁石の磁力を極限まで向上させている。DJ向け「SL-1200MK7」と共通のモーターだが、SL-1500Cはオーディオ用途のため、DJ向けのようにトルク重視ではなく、Hi-Fi用にゆとりを持った音楽用のチューニングを施しているのが特徴だ。

リファレンスクラスの「SL-1000R」と合わせて、オーディオ評論家の山之内正氏、和田博巳氏や、開発者による商品解説も交えたアナログレコードの試聴会も開催されている。

C700シリーズなど、ラインナップも一堂に展示されている

ティアック

ティアックブースでは、ダイレクトドライブ・ターンテーブルの新製品「TN-4D」に加え、7月末発売予定の「TN-3B」をいち早く展示。

「TN-4D」
「TN-3B」

TN-4Dは、実売64,800円前後。新開発の薄型ブラシレスDCモーターとフィードバック制御により、水晶精度の正確さとコギングを抑えた滑らかな回転を実現。さらに、従来のモーターと比べて薄型な設計としたことで、これまでのダイレクトドライブ方式ターンテーブルでは難しかったスタイリッシュな薄型ボディを実現した。

アメリカで40年の歴史を持つカートリッジブランドSUMIKO製のMMカートリッジ「Oyster」を付属。パワフルでアナログらしいサウンドが楽しめるという。フォノイコライザーを内蔵し、フォノ入力の無いアンプに直接接続できる。

「TN-3B」は7月下旬発売予定。店頭予想価格は54,800円前後。スタイリッシュな薄型キャビネットに、MM型カートリッジ対応フォノイコライザーとUSB出力を搭載した。トーンアーム部は、トーンアームブランドのSAECとのコラボレーション。可動部にナイフエッジを用いた新開発のトーンアームを採用している。

プラッターの駆動には外掛け式ベルトドライブを採用。モータのコギングがプラッターの回転に与える影響を最小限にし、より滑らかで高精度な回転を実現したという。回転数は、33-1/3、45回転に対応。回転速度の切り替えとターンテーブルのスタート/ストップを行なう操作ノブには、スピン模様のアルミ削り出し部品を採用するなど、操作の質にもこだわっている。

さらに、115W出力のNcore搭載プリメインアンプ「AX-505」や、Referenceシリーズで、Ncoreモジュールを搭載したパワーアンプ「AP-505」などの最新モデルを使ったデモを展開している。

最上段の左からパワーアンプ「AP-505」、プリメインアンプ「AX-505」

シーエスフィールド/スフォルツァート/スペック

スペックのピュアダイレクトアンプ「RSAーM88」や、KisoAcousticの小型スピーカー「HB-N1」などのデモを展開。スフォルツァートのネットワークプレーヤー「DSP-Vela」と、シーエスフィールドのマスタークロック「PMC-Norma」によるハイレゾ再生も楽しめる。

手前の小さなスピーカーがKisoAcousticの「HB-N1」

オーディオ評論家、三浦孝仁氏によるスペックのモノラルパワーアンプ「RPA-MG1」の紹介も行なわれる。アンプと一体になったスプルース材のウッドパネルが特徴で、豊かで自然な響きを再現。電源部と本体部を別筐体にした構成で、800VAの大型Rコアトランスを採用。「パワフルで高純度なエネルギーがスピーカーを強力に駆動する」という。

モノラルパワーアンプ「RPA-MG1」

また、スペックが来年の2020年1月で設立10年を迎える事を記念し、「設立時より一番数多く販売されご支持をいただいた」というリアルサウンドプロセッサー(RSP)シリーズの限定モデルを提案。

会津塗仕様の「RSP-URUSHI」を、限定受注生産30台で販売する。メーカー推奨価格は30万円、受注期間は7月1日~8月30日で、完成品配送は10月初旬の予定。ブースではその実機を確認できる。

会津塗仕様の「RSP-URUSHI」

RSPシリーズは、スピーカーに接続することで、スピーカーユニットから発生する逆起電力によるインピーダンスの乱れや、位相の遅れなどを補正、平準化を図れるという製品。

10周年記念モデルは、「令和」の元号の典拠となった「梅に鶯の絵柄」を会津塗職人の匠の技による手書き本漆仕上げとし、鶯の奏でる美しい鳴き声を音楽に見立ててデザインした絵柄を採用。内部パーツも通常モデルと異なり、海外向けモデルのオリジナルコンデンサーや抵抗を使用している。

JVCケンウッドやカーオーディオコーナー

JVCケンウッドは別記事で紹介したように、ガラス棟にブースを出展しているが、D棟にも展開(D401ルーム)。ここでは、ウッドコーンオーディオシステム・プレミアムモデルの試聴プログラムなど、ホームオーディオを展示している。

“原音探究“をコンセプトに、独自の木の振動板を採用したウッドコーンオーディオのプレミアムモデル「EX-HR10000」を、開発者の解説を聞きながら試聴できる。高級オルゴールなど、こだわりの「Victor」ブランド商品群を展示されていた。

ウッドコーンオーディオのプレミアムモデル

同社は、ガラス棟B1Fに用意された車載AVシステムブースにも出展。9型のHDパネル(1,280×720ドット)を搭載し、ハイレゾ音源も再生できる「彩速ナビ」TYPE Mの「MDV-M906HDL」を核とし、ハイレゾ音源対応カスタムフィット・スピーカーやパワーアンプ、チューンアップ・サブウーファーでシステムアップしたデモカーを用意。

また、暗所撮影の能力を高めたドライブレコーダー「DRV-MR740」や「DRV-MP740」などを紹介している。

デモカーに乗り込んでカーオーディオの試聴が可能
「彩速ナビ」TYPE M「MDV-M906HDL」
暗所撮影の能力を高めたドライブレコーダー「DRV-MR740」や「DRV-MP740」などを紹介

さらに、スピーカーを首にかけてサイクリングやウォーキング、家事などさまざまなシーンでスマホの音楽をワイヤレスで楽しめるウェアラブルワイヤレススピーカー「CAX-NS1BT」も試聴可能。

20×15mmのスピーカーユニットを2基備えるほか、低域を増強する20×15mmのパッシブラジエーターも2基内蔵。「定位に優れ、音楽に包まれるような新感覚の心地よいリスニングを楽しめる」という。

ウェアラブルワイヤレススピーカー「CAX-NS1BT」

なお、B1階のカーオーディオコーナーにはJVCケンウッドだけでなく、アルパイン、ハーマンインターナショナル、三菱電機もデモカーを用意している。

B1階ロビーギャラリーには、昨年12月に本放送が開始された8K放送の超高精細映像を、22.2chサラウンドで視聴できるNHKのコーナーも設けられている。

協同電子エンジニアリング

フェーズメーションのブースでは、昨年12月発売された、フォノバランス入力対応MC昇圧トランス内蔵フォノアンプ「EA-350」や、パッシブアッテネーター式コントローラー「CM-2000」などを展示している。