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6月末「OTOTEN 2019」は「若い人達も参加するイベントに」、日本オーディオ協会総会
2019年6月12日 18:23
一般社団法人日本オーディオ協会は12日、2019年通常総会を開催。2018年度の事業報告や収支決算報告などを行なったほか、2019年度の事業計画を発表。東京国際フォーラムで6月29日、30日に開催するイベント「OTOTEN 2019」や、“音の匠”の顕彰やイベントを行なう「音の日」、JASジャーナルなどの情報発信などを通じて、利便性や快適性の追求だけでなく、「良い音、心地良い音で、人生と生活に幸せをもたらす“新たなオーディオ文化の創造”」を、幅広い層に提案していくとした。
冒頭、小川理子会長は「ここ数年は、いかに良い音、心地良い音をお客様に届けるかという事で、業界全体でハイレゾの普及に努めてきた。伸びのあるヘッドフォン市場においては、(Bluetoothなどの無線オーディオ機器を対象に、ハイレゾオーディオとして十分な音質を満たす製品と定める)ハイレゾオーディオワイヤレスロゴの認定なども開始した。この活動はもっともっと活性化させていかなければならない」と説明。
さらに、AIや自動車の自動運転技術など、デジタルの力で世界が激変している中で、「日本のオーディオ業界として、どのように活性化するのかは喫緊の課題。音楽を楽しむ、その時代に対応するライフスタイルの提案をしていきたい。今月末のOTOTENでは、今までのオーディオマニアの方だけでなく、若い人達にも参加して欲しい。学生の方達にもコンシェルジュとして先導役を努めてもらうような、新しい試みも行なう。変化に対応できるオーディオ業界でありたい」と、2019年度に向けた抱負を語った。
具体的な活動としては、2019年は、オーディオ協会70周年となる2022年を見据えた年になる事から、「オーディオの楽しみ方を今一度まとめる」とし、ハイレゾや空間音響技術、PC技術アプリケーション、通信といった、様々な視点を加えて検討していく。
また、イベントなどに海外からの参加が増えている事から、国際化に対応できる組織を目指し、国外の企業・団体との交流拡大、開かれた団体として、組織や財政、活動も見直していく。
OTOTEN 2019では、マニアだけでなく、音楽愛好家や将来を支える若者にフォーカスした展示やイベントを実施。来場者の満足度を高める一方で、独立採算を目指した施策も実施。
「音の日」では昨年に引き続き、「音の匠」において、オーディオ業界関係者の中から顕彰する事を検討。「開催費用の割には知名度が低い」という指摘もある事から、費用対効果の高いイベントを目指し、実施場所の変更も視野に入れる。また、啓蒙活動の1つとして「休眠している旧来のオーディオユーザーの掘り起こし」もテーマとする。
定期的に発行している「JASジャーナル」や、協会のWebサイトを中心に、より多くの人に情報を伝える工夫や、会員サービスの観点での情報発信、交流の場を目指す。
ハイレゾオーディオのロゴに関しては、世界的な広がりに即し、ライセンス条件の公平化、明確化を検討。さらなる拡大を目指し、対象の拡大など、ライセンススキームの変更も検討する。なお、賛助会員にはこれまで、ハイレゾロゴ無償使用権が与えられていたが、当初の役割を果たしたとし、今後は年間15万円を賛助会員会費に加え、徴収する事などを発表。
組織は前期と同様とするが、マーケティング会議、技術会議には、課題に適したワーキンググループを設け、会員の考えに基づいた議論が反映できるようにする事なども説明された。