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アナログからハイレゾ、ガルパン5.1chまで「OTOTEN 2019」は6月29~30日開催

国内外のオーディオブランドが集結し、最新機種からハインド機まで実際に聴いて楽しめるイベント「OTOTEN 2019」が、今月末の6月29日~30日、有楽町の東京国際フォーラムで開催される。入場は無料。主催の日本オーディオ協会が開催に先立ち、見どころを紹介した。

OTOTEN 2019。キービジュアルも一新されており、アーティストのina takayuki氏がデザインを担当した

なお、事前登録がイベントの公式サイトで既にスタートしている。事前登録者には抽選で10人に日本オーディオ協会監修、究極の低音リファレンスUSB音源「音のリファレンスシリーズII」がプレゼントされる。

今年の出展社は76社。昨年の80社からは減少しているが、「ソフト関係の出展社が減っているが、ハードは逆に増加傾向。今年は、中国のESD ACOUSTICという、欧州や北米のイベントにも出ているメーカーがOTOTENに参加するなど、ハード的には熱いイベントになる」という。

初心者歓迎の「オーディオスタートコーナー」

オーディオイベントと聞くと、“機器に詳しいファンが集まり、高価なスピーカーを聴き比べる……”というイメージを抱きがちだが、OTOTEN 2019ではこれからオーディオを始めたい、また、昔楽しんでいたが、改めて始めたいので最新機器を知りたいといった層にもアプローチしていく。

そのために「オーディオスタートコーナー」をガラス棟B1F ロビーギャラリーに展開。テーマに沿った機器が用意されており、例えば、アナログレコードプレーヤーでは、ディスクユニオンの「ION Archive LP」、オーディオテクニカ「AT-LP5」、Technics「SL-1500C」が体験できる。

デスクトップオーディオとしてはTechnics「OTTAVA SC-C50」、Bluetoothスピーカーはクリプトン「KS-55」、オラソニック「IA-BT7」を用意。また、新しいオーディオの形として、AIスピーカーの「Google Home」、サブスクリプション音楽配信サービスの紹介コーナーも用意。ヘッドフォン/イヤフォンコーナーもあり、ソニーの「WH-1000XM3」、radius「HP-BTL01」、エレコム「LBT-HPC1000MPGD」などが用意される。

このオーディオスタートコーナーには、専門学校生がコンシェルジュとして参加。音響芸術専門学校第48基昼間部クリエーターズディビジョン87人がインターン参加し、説明員を担当したり、展示や公演のサポートも行なう。

「映画を聴こう」プロジェクト

「映画を聴こう」プロジェクトのブースにも各種コーナーを用意。「おうち映画館体験コーナー」では、メーカー7社のおすすめ製品を、「聴きたい映画総選挙」で上位になった映画のクリップで体験できる。

サウンドバー、5.1chホームシアター聴き比べコーナーでも、「聴きたい映画総選挙」上位映画クリップでの聴き比べが可能。新作公開映画の紹介コーナーも用意する。

29日には、モデルやラジオパーソナリティとして活躍する菅野結以のトークショー、30日には都内のクラブなどを中心にDJとして活動している鶴谷聡平、山崎真央、渡辺克己による「SOUNDTRACK BROTHERS」のトークショーも予定されている。

カーオーディオも体験できる

地下1階には、カーオーディオのデモカー6台も登場。アルパイン、JVCケンウッド、ハーマン、三菱電機による、最新カーオーディオの試聴体験ができる。

音のサロンで聴き比べ

D5ホールでは「音のサロン」が開催。オーディオ評論家によるナビゲートのもと、アナログ~ハイレゾまでの聴き比べや、話題のアンプ聴き比べ、アナログレコードの楽しさや奥深さを紹介するイベントなどが予定されている。

オーディオ専門誌セミナー

音元出版は「ボヘミアン・ラプソディ頂上決戦! NetAudio プレゼンツ『有形と無形のソノリティ』出張版 ~オリジナル盤からCD、ストリーミングまで~」を開催。

映画も大ヒットしたQUEENの「ボヘミアン・ラプソディ」だが、イベントでは、アナログ愛好家の小原由夫氏、ハイレゾやファイル再生を高く評価する土方久明氏の2人が登壇。オリジナルLPからストリーミングサービスまで、多くのメディアで登場した「ボヘミアン・ラプソディ」を聴き倒す。MQA-CDやデアゴスティーニ盤など、話題の「オペラ座の夜」も多数登場。メディアやフォーマットによる音の違いを楽しめる。

誠文堂新光社のセミナーでは、真空管とSiC MOS-FETをフル活用したハイドメイドのオーディオDCアンプシステムによる3ウエイマルチアンプシステムで、LPとハイレゾ音源の魅力を引き出す「最新オーディオDCアンプで楽しむアナログとハイレゾ再生」を、金田明彦氏が展開。

ステレオサウンドは「アナログレコードができるまで」と題して、ミキサーズラボ ワーナーミュージックマスタリング カッティングエンジニアの北村勝敏氏が登壇。現代のアナログレコード制作がどのように行なわれているか、動画・図説などを交えてやさしく解説。実例として、薬師丸ひろ子作品など、ステレオサウンドで制作した高音質レコードも聴ける。

音楽之友社は「高音質録音、変態録音を各種フォーマットでの聴き比べ」。CD、SACD、MQACD、ハイレゾ、LPの競演で、夢のセパレートオーディオプレーヤーも登場。炭山アキラ氏、生形三郎氏がナビゲートする。

各メーカーブースでは最新機種が登場

オンキヨーは、新作の最終章第2話が公開されている「ガールズ&パンツァー」の特別体験会を実施。オンキヨーが推奨する5.1chサラウンドシステムを使い、ガルパンのこだわりの音が楽しめるという。

既報の通り、オンキヨーブランドのハイレゾプレーヤー「DP-S1A」、パイオニアブランドのイヤフォン「SE-CH9T」の“ガルパンコラボモデル”が開発されているが、その実機もONKYOブースで展示予定。


ディーアンドエムホールディングスのブースでは、マランツの最新薄型AVアンプ「NR1710」を紹介。JVCケンウッドでは、シンプルな測定で、リアルなマルチチャンネル音場をヘッドフォンで再現できる、最新の「EXOFIELD」が体験可能。

協同電子エンジニアリングでは、新製品のパッシブアッテネーター式コントローラー「CM-2000」や、セパレートMC昇圧トランス「T-2000」の試聴と、開発逸話が聞ける。

MQAのブースでは、MQA-CD、MQAライブストリーミング、ポータブル機器での再生デモ、ヘッドフォンでの試聴などが可能。

オーディオテクニカのブースでは、AT-ART1000、AT-OC9X、VMカートリッジの試聴、Audio Tecnica Excellenceシリーズの魅力を紹介。

ノアのブースでは、伊Sonus faberのフラッグシップスピーカー「AIDA II」、同じブースに展開するアーク・ジョイアからは、スイスのメーカー、Soulutionのフラッグシップライン“7シリーズ”アンプ群という初の組み合わせで演奏。

完実電気は、PSオーディオの新製品「Stellar P3」を中心に、Stellarシリーズの魅力を紹介。ユキムブースでは、空中浮遊アナログプレーヤーとして話題の「MAGLEV」と、DS AUDIOの光カートリッジで、最先端アナログ再生を行なう。

NHK 8K放送も体験可能

昨年12月に本放送が開始された8Kの超高精細映像を、22.2chサラウンドと共に視聴できるコーナーも用意。

レコーディングエンジニアを目指す学生向けプログラムも

日本音楽スタジオ協会主催の、プロ養成セミナーも実施。「第30回 JAPRS/NHK技術交流会 墨田川高校吹奏楽部 録音セミナーレポート」を、高田英男JAPRS会長が司会、内沼映二JAPRS名誉会長が講演する。

スタンプラリーも

会場7カ所に、スタンプラリーを設置。4カ所のスランプを台紙に押して、アンケートを記入の上、G棟B1Fのスタンプラリー受付に持参すると、抽選の上、景品が贈呈される。

景品はSOULNOTEオリジナル木製CDスタンド、JVCケンウッドのワイヤレスステレオヘッドセット「HA-FD70BT-B」、立体ニッパー・スマホ・スタンド&スピーカー「VJB-10021」、ニッパー・ミニトート「VJB-10018」、MQA-CD、インターアクション(オラソニック)のBluetoothスピーカー「TW-BT55ST(W)」など。

「オーディオの楽しみ方をもっと多くの人へ」

日本オーディオ協会の小川理子会長は、「スマホでどんな事もできる時代だが、その反面、バーチャル以外の体験、リアルなフィジカルなものが求められている。そうしたニーズ・シーズを受け止めて、体験価値に結びつけていきたい。今回は出展ブースが取り合いになるくらいで、出展メーカーの入れ替えもあり、海外からの参加もある。上から下まで楽しんでいただけると思う」と説明。

日本オーディオ協会の小川理子会長

来場者層については、「従来はオーディオマニアが中心でしたが、若い方にもどんどん来ていただき、業界自体をどんどん活性化させたい。“映画を聴こう”プロジェクトなどのこれまでと違う体験を織り交ぜたり、学生のコンシェルジュを配置し、若い人にナビゲートしていただき、オーディオの魅力に触れてもらいやすくするなど、工夫していきたい。また、オーディオファンの皆様の製品を聴き比べたい、評論家の方の話を聞きたいとった要望にもしっかり対応していく。なんとかしてもっともっと、オーディオの楽しみ方を多くの人へ届けたい」と抱負を語り、来場者の目標は昨年よりも多い2万人とした。