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デノン、新デジタルアンプDDFAをBTL搭載、ネット再生も対応の小型コンポ「PMA-150H」

デノンは、コンパクトかつ多機能なデザインシリーズの新製品として、最新バージョンのデジタルアンプ「DDFA」を採用し、DACやネットワークプレーヤー機能も内包したプリメインアンプ「PMA-150H」を9月下旬に発売する。価格は12万円。カラーはプレミアムシルバー。

プリメインアンプ「PMA-150H」

DRA-100の後継モデルと位置づけられており、増幅回路にはPMA-60と同じ、Qualcommのデジタルアンプ「DDFA」の最新バージョンを搭載。クラスDアンプだが、高速かつ、高精度なデジタル・フィードバック・ループを備えているのが特徴で、クラスDアンプの課題である歪の多さや、電源変動による音質劣化を解消している。

また、新世代DDFAでは、従来PWMモジュレーターとフィードバックプロセッサが個別のチップで、2チップ構成だったものを、1チップ化。これにより、周辺回路がシンプルになり、より音質を優先した回路設計と部品の選択が可能になっている。

新世代DDFAの特徴

さらにPMA-150Hでは、スピーカー1台につき、2つのパワーアンプで駆動するBTL構成を採用。圧倒的な駆動力と、DRA-100と比べて-85%のノイズ低減を実現したとする。定格出力は35W×2ch(8Ω)、70W×2ch(4Ω)。

スピーカー1台につき、2つのパワーアンプで駆動するBTL構成を採用

電力増幅する出力段のゲートドライバーと、MOSFET、ローパスフィルターには、デノン独自のノウハウを投入したディスクリート回路を使用。サウンドマネージャーによるチューニングも施されている。

DDFAはデジタル入力型のクラスDアンプであるため、デジタルソースの再生時には、入力されたデータを、ビット拡張&データ補完によるアナログ波形再現技術「Advanced AL32 Processing Plus」で処理。ボリューム調整、トーンコントロール、増幅、フィードバック処理まで、すべてをデジタルドメインで行なっている。なお、Advanced AL32 Processing Plusは、PCM 384kHz/32bit信号の入力に対応。32bitへのビット拡張処理に加え、最大16倍のアップサンプリング処理も可能。

クロックは、44.1kHz、48kHz系、2系統のクロックを搭載。ジッターを排除している。音量は1dBステップで精密な調整が可能。左右チャンネルの音量差の原因となるギャングエラーや、クロストークも排除している。

ボリュームノブ
前面左には操作ボタン

電源部には、新たに低ノイズ、低損失、高効率などの特徴を持つ、ソフトスイッチング方式の回路を採用。ノイズを低減するとともに、最大出力電流を約86%アップさせ、高いスピーカー駆動力と、パワフルなサウンドを、余裕の電源供給能力で支えられるという。

ヘッドフォンアンプにもこだわっており、PMA-60と比べ、5.5倍の出力を実現。電圧増幅段には、ハイスピードかつローノイズな高速オペアンプ、出力バッファーにはディスクリート回路を採用。出力バッファー回路には、新たにトランスリニアバイアス回路を用いて、疑似A級動作とし、歪を大幅に低減。透明感の高いサウンドを実現した。

300Ωや600Ωなどのハイインピーダンスなヘッドフォンでも最適な音量が得られるように、3段階のゲイン切り替え機能も備えてる。

フルサイズコンポのNEシリーズにも採用されている、デノン専用のカスタムコンデンサーや、カスタム抵抗器、フィルムコンデンサーなども投入。特に重要なパワーアンプ回路とローパスフィルター回路には、サウンドマネージャーによる入念な試聴で選定されたパーツを多数投入。また、Hi-Fiオーディオ設計思想を取り入れ、ネットワーク、デジタル、アナログのセクションを、それぞれ独立基板とした設計に変更している。

USB DAC機能は、DSD 11.2 MHz、PCM 384kHz/32bitまでサポート。DSDの伝送方式はASIOドライバーによるネイティブ再生とDoPに対応。アシンクロナスモードにも対応する。PCから流入する高周波ノイズによる音質への悪影響を排除するために、高速デジタルアイソレーターも搭載。ICチップ上に組み込まれたトランス・コイルを介して磁気により音楽データのみを伝送し、繊細なオーディオ信号に影響を与えるノイズをシャットアウトした。

LAN内のNASや、USBメモリーに保存したハイレゾファイルの再生も可能。DSD、WAV、FLAC、AppleLosslessのギャップレス再生にも対応する。

音楽配信サービスの、Amazon Music、AWA、Spotify、SoundCloudなどの受信も可能。インターネットラジオにも対応する。

ワイヤレスオーディオシステムのHEOSテクノロジーを搭載。前述のストリーミングサービスやインターネットラジオ、LAN内の音楽再生、USBメモリーからの再生も、スマートフォンのアプリから制御できる。

AirPlay 2とBluetoothもサポート。スマートフォンなどから、手軽にワイヤレスで音楽再生が可能。

AmazonのAlexaもサポート。Alexa対応デバイスに話しかける事で、PMA-150Hから音楽を再生できる。

テレビやCDプレーヤーなどを接続できる光デジタル入力を2系統、同軸デジタル入力を1系統搭載。最大192kHz/24bitまでサポート。テレビからの入力信号を検出すると、自動で電源がONになり、入力ソースが切り替わり、テレビの音声が再生される。また、テレビのリモコンをPMA-150Hに学習させる事も可能。

FM/AMラジオチューナーを搭載。ワイドFMもサポートし、最大56の放送局をプリセット登録できる。無線LANも内蔵。

筐体には、PMA-60よりも2mm厚い、5mm厚のアルミニウムを使用。剛性と質量の向上により、外部振動による音質への影響を抑えた。表面はサンドブラスト加工。

入力端子は、アナログアンバランス×2、同軸デジタル×1、光デジタル×2、USB-B×1、LAN端子。出力端子は、サブウーファープリアウト×1、ヘッドフォン×1。アンテナを寝かせた状態の外形寸法は、280×337×104mm(幅×奥行き×高さ)、重量は5.6kg。消費電力は65W。

デザインシリーズで組み合わせたところ
背面