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NHK受信料、10月1日から実質2%値下げ。422億円規模を還元へ

NHKは、10月1日から受信料の実質値下げを開始。同日からの消費税率引き上げに伴う受信料の改定を行なわず据え置きとするため、地上契約と衛星契約の受信料額は実質2%の値下げとなる。上田良一会長が、9月5日の会見で説明した。

2020年10月からは、地上契約と衛星契約の受信料額をさらに2.5%値下げする予定。加えて、負担軽減策として既に実施している「社会福祉施設への免除拡大」、「奨学金受給対象などの学生への免除」、「多数支払いにおける割引」に加え、4つ目の「設置月の無料化」が'19年10月から始まる。値下げと負担軽減策を全て実施した場合、2018年度の受信料収入では6%相当、422億円規模を視聴者に還元することになる。上田会長は「こうした取り組みを含め、公共放送の役割や受信料制度の意義を視聴者・国民の皆さまに丁寧に説明していく」とコメントしている。

一方で「このところ、受信料制度について正確な理解に基づかない発言、たとえば、テレビを設置していても『NHKを見なければ受信契約はしなくてもいい、受信料は支払わなくてもよい』などの発言が聞かれること、また、視聴者の皆さまからも受信料制度についての問い合わせがある」と説明。そのため、「公共放送の役割やそれを支える受信料制度の意義について、NHKとしての見解をきちんと説明する必要があると考え、様々な取り組みを進めている」という。

その一つとして、NHKの公式サイトで「受信料と公共放送についてご理解いただくために」と題した専用のコーナーを用意。NHKの考え方をまとめた文書と動画を掲載している。また、8月には経営広報スポット番組を集中的に放送。この中で、「受信料制度や公共放送だからこそ実施できる様々な取り組みを通じて、信頼される『情報の社会的基盤』の役割を果たし、健全な民主主義の発達や文化水準の向上に資するよう努めていることなどを説明した」とし、今後も視聴者に対して公平に受信料を支払うことを求める意向を改めて示した。