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NHK、受信料を値下げ。地上波で月額59円、衛星で102円

NHKの経営委員会は27日、受信料の値下げを発表した。2018年度の受信料収入の4.5%程度の値下げを行い、既に一部実施している負担軽減策とあわせて、6%相当の還元を実施する、現3カ年経営計画の修正提案を議決した。

値下げは2回に渡って行なう。消費税率引き上げが行なわれる2019年10月に、受信料額の改定をしない事で、地上契約と衛星契約を実質2%値下げ。2020年10月には、地上契約と衛星契約を2.5%値下げする。これらをあわせた値下げ相当額は、継続振込で2カ月払いの場合、地上契約で月額マイナス59円(年間で708円)、衛星でマイナス102円(年間1,124円)となる。

値下げを含む還元の規模は、通期の値下げが年間328億円、負担軽減策の合計が年間94億円で、あわせて単年度で422億円規模、2018年度の受信料収入の6%相当を想定している。

NHKが公平負担の徹底に取り組んだことに加え、昨年12月の最高裁判決以降、自主的に受信契約を申し出る視聴者が増加した事などで、計画を上回る収入が確保できる見通しとなった。さらに、放送センターの建替え、2020東京オリンピック・パラリンピック対応、4K・8K本放送対応など、大型の支出に対する備えに一定程度の目処が立ったという。

その上で、「今後、世帯数やテレビ保有率の減少など、経営環境は一層厳しさを増す。このことを見据えつつ、NHKが果たすべき“公共の役割”、中長期的な事業計画や収支の見通しを真剣に検討した上で、収支相償の原則に則り、受信料の値下げを実施すべきと判断した」(上田良一会長)とのこと。

一方で上田会長は、「NHKが公共放送・公共メディアとして取り組んでいかなければならない事業は、豊かで良い放送番組を届けることはもとより、間もなく本放送が始まるBS4K・8K放送や2019年度からの実施をめざす常時同時配信を含むインターネット活用業務の充実、命と暮らしを守る報道の強化など、数多くある。こうした重点事項に対する予算を確保した上で、事業支出の規模については、適正な水準に抑えて管理することを基本としていく」と説明。

既存業務の見直しの徹底、業務改革を加速させ、NHKグループ一体で、より効率的・効果的で持続可能な業務体制を築く取り組みを実施。「値下げをしても、視聴者のみなさまから期待される、信頼される“情報の社会的基盤”の役割をしっかり果たし、6つの公共的価値の実現に努めていく」(上田会長)という。