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TOKYO FM、i-dio事業から撤退。「全体計画について抜本的な見直しが必要」

エフエム東京(TOKYO FM)は8日、2018年度決算報告書の中で、i-dio事業に今後、追加の投融資を行なわない方針を発表した。「事業環境の激変等により当初の計画通りの収益をあげることができず、全体計画について抜本的な見直しが必要となり、当社としては、投資能力等に鑑み事業からの撤退がやむを得ないと判断した」という。

エフエム東京

エフエム東京は2000年代の当初から、ラジオのデジタル化を目指し、2016年3月にi-dioの本放送を東京、大阪、福岡で開始。今年4月の札幌での放送開始で全国7地区での放送を実現した。

しかし、環境の激変などもあり、計画通りの収益を計上できず、エフエム東京が中心となり設立した持株会社であるジャパンマルチメディア放送(JMB/旧社名BIC)をはじめとするi-dio事業各社は「財政的に大変厳しい状況に陥っていた。JMBとしても、増資等の資金調達作業を進めていたが、現在までに思うような成果を挙げることができていない」という。

エフエム東京はi-dioの放送開始以前より、事業推進の中心となって積極的な投融資を行なってきたが、「投資能力を勘案した結果、当社として、これ以上、i-dio事業に対して追加の投融資をすることは困難であるとの結論に至った」という。

i-dio事業の主体であるJMBについては、「有力事業パートナー候補との交渉を中心に、引き続き、事業継続を検討している」とのこと。また、「i-dio事業の推進につきましては総務省をはじめ、出資参画頂いた各社等関係者のみなさまに一方ならぬご協力を頂いて参りましたが、このような結果となり、みなさまのご期待にお応えすることができず、関係各位には深くお詫びを申し上げます」とコメントしている。

2018年度決算報告では、当連結会計年度の決算において、i-dio事業に関連する特別損失として67億円余を計上している。

なお、エフエム東京は8月21日、i-dioの状況が芳しくない事から生じた子会社の赤字を隠すため、子会社を連結決算から外す不適切な株取引をしていたと発表。その不適切な株取引のキッカケとなったi-dio「TS ONE」は9月末で放送を終了。このチャンネルは、エフエム東京の子会社である、コンテンツプロバイダーTOKYO SMARTCAST(TS)が手掛けていた。