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'24年にスピーカーの97%にBluetooth、無線ヘッドフォンの38%がTWS。BT SIG予測

Bluetoothのオーディオに対応した製品が2024年には年間15.4億台出荷されると予測

Bluetooth Special Interest Group(Bluetooth SIG)は15日、2024年までのBluetooth対応機器の展望を発表。Bluetoothのオーディオに対応した製品は、2024年に年間15.4億台出荷され、同年までにスピーカーの97%がBluetooth技術を搭載、ワイヤレスヘッドフォンの38%が完全ワイヤレスになると予測した。

Bluetoothに対応するデバイス全体では、2020年に46億台が出荷され、2024年には年間62億台出荷されると見込む。2019年~2024年までは、年平均成長率8%になるという。

Bluetoothに対応するデバイス全体は、2020年に46億台が出荷され、2024年には年間62億台出荷されると見込む

トレンドとしては、これまではスマートフォンなどの携帯電話端末への搭載がメインであり、それ以外のデバイス(タブレット、PCなど)の割合は2015年に33%しかなかった。それが2024年には、スマホ以外のデバイスが66%を占めるようになり、スマホ以外の様々なデバイスへ、Bluetoothが広がっていくと予測。

次世代Bluetooth Audio技術「LE Audio」については、「オーディオシェアリングと商業オーディオソリューションにより、新たな市場を生み出す」としており、補聴器など、新たなデバイスにLE Audioが搭載されていくという展望を示した。

既報の通りLE(Low Energy) Audioは、従来のBluetoothオーディオの品質を向上するとともに、補聴器用の機能を追加している。さらに、「オーディオシェアリング」などの新機能も採用。コーデックは低ビットレートでも高音質という「LC3」を採用している。対応機器は早ければ今年中にユーザーが入手できるうようになるが、LC3コーデックについては現在複数のプラットフォームでテストされている段階で、対応製品が発売されるのは来年になる見込みだ。

Bluetooth SIGのマーケットデベロップメント シニア・ディレクター チャック・セイビン氏は、「LE Audioは耳の不自由な方を、様々な形でサポートできる。これはサプライヤーにとっても、ユーザーにとっても重要な点で、普及に向けた大きな牽引力になるのは間違いない。また、我々はブロードキャスティング機能にも大きな期待を持っている。これまでは、個人に即していた音楽再生を、他人と共有できるようになる。位置情報にもとづいて、例えば、同じコンサート会場、空港、駅などにいる人の間で、音楽を共有するという事も可能になる」と、LE Audioの可能性を説明した。

Bluetooth SIGのマーケットデベロップメント シニア・ディレクター チャック・セイビン氏

Bluetoothのデータ転送に対応したデバイスは、2024年に15億台出荷される見込み。家電やフィットネストラッカーをはじめ、体調管理センサーなどへ採用され、「その幅広い可用性を活かした新たな発明の誕生も後押しする」という。

チャック・セイビン氏は、IoTデバイスにおいて、現在Bluetoothを搭載している機器の割合が38%となっており、「その他の技術と比べても群を抜いている」と強調。2024年に、4億1,100万台のBluetoothウェアラブルデバイスが出荷され、同年に出荷される玩具の1億2,000万台にBluetoothが搭載されると予測した。

位置情報や、モノを探す際の技術、追跡・経路探索の技術としても採用が拡大。2024年までには年間5億3,800万台のBluetooth位置情報サービス機器が出荷され、2019年と比べて約4倍の成長になるという。

また、「どこにいるか」という情報だけでなく、最近では信号の方向を確定したり、到達角度や発信角度もサポート、RTLSと屋内測位システムの精度がcm単位まで向上し、距離の測定も可能になるなど、技術が進化。特に自動車業界などで、さらなる活用が期待できるとする。

デバイスネットワーク対応機器は、2024年までに年間8億9,200万台出荷される見込み。特に中国を中心とするアジア市場の需要の伸びが大きい。例えば、中国でのスマートスピーカーの導入数は、2024年までに現在の2.5倍に。中国の家庭におけるスマート照明/スイッチ/プラグなどの自動化デバイスの導入数は、2024年までに3倍になると予想。現在、Bluetooth meshの認証件数は、半年ごとに倍増しているという。