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次世代Bluetooth「LE Audio」は高音質LC3採用、ワイヤレスでシェアも
2020年3月3日 17:45
Bluetooth SIGは3日、ワイヤレスオーディオシェアリングや補聴機能などを採用した次世代Bluetooth Audio技術「LE Audio」の新機能などの情報を公開した。
LE(Low Energy) Audioは、従来のBluetoothオーディオの品質を向上するとともに、補聴器用の機能を追加。さらに、「オーディオシェアリング」などの新機能も採用している。コーデックは低ビットレートでも高音質という「LC3」を採用している点などが特徴。
LE Audioは、Bluetoothコア仕様v5.2で導入された新機能「LEアイソクロナスチャネル」によって実現。これはBluetooth LE無線でデータのアイソクロナス転送を可能とする技術で、低消費電力を特徴とするほか、Bluetooth LE無線のシングルモードで、ワイヤレスのデータ転送とオーディオストリーミングの両方に対応したデバイス開発ができるようになるという。
新コーデック「LC3(Low Complexity Communications Codec/低複雑性コミュニケーションコーデック)は、従来のSBCに比べて、低いビットレートでも高いオーディオ品質を実現できるという点が特徴。デバイスの省電力にも貢献する。なお、LE AudioではLC3対応は必須だが、他のコーデックをオプションとして用意することや、カスタムコーデックの使用は可能。
LE Audioの仕様では、1つの製品が(従来の)Classic Audio規格と、新しいLE Audio規格の両方に対応することも可能。ただし、接続する機器同士は同じ規格を使用する必要がある。
マルチストリームや、台数無制限のブロードキャスト機能も
LE Audioで新しく搭載されたマルチストリームオーディオ機能は、1つのオーディオソースデバイスと1つ以上のオーディオシンクデバイスの間で、複数の独立したオーディオストリームを同期して送信できるもの。これにより、完全ワイヤレスイヤフォンの性能を高め、「よりよい立体音像が得られるほか、音声アシスタント機能もさらにシームレスに利用できる」という。また、ヘッドフォンなどをスマートフォンとノートパソコンの両方に接続している時など、複数のオーディオソースデバイス間のスムーズな切り替えも実現するとしている。
同時にストリーミング可能な数は、アプリケーションや、オーディオ品質によって異なる。詳細な情報は、LE Audioの仕様リリース時に提供される予定。
「ブロードキャスト・オーディオ」にも新たに対応。オーディオのソース機器から、台数制限なくBluetoothオーディオシンクのデバイスにオーディオストリームを伝送できるもので、範囲内であればどのシンクデバイスでも参加できる設定と、定められたパスキーを入力したシンクデバイスのみが参加できる設定から選べる。
省電力や高音質、マルチストリームなどの特徴を活かした聴覚補助機能もサポート。Bluetoothのメリットを活用した補聴器の開発を可能にし、より多くの人がワイヤレス環境で通話や音楽、映像を楽しめるようになるという。