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Netflix、有料メンバーが2億人に迫る。アジア圏での収益66%増
2020年10月21日 16:30
Netflixは現地時間の20日、2020年第3四半期(7~9月)の決算を発表した。有料メンバー数は全世界で1億9,500万人を達成。ローンチ5周年を迎えた日本では、8月末時点で有料メンバー数が500万人に到達し、日本を含むアジア太平洋地域の収益は昨年比で66%増となっている。
第3四半期における全世界での新規有料メンバー数は、220万人増。昨年比では成長が鈍化しているというが、この背景には新型コロナウイルス感染拡大の影響で、上半期に新規有料メンバーが集中したことが挙げられるとのこと。Netflixは「困難な状況下ではあるが、メンバーに多様なジャンルの優れた作品をお届けし続けることに引き続き注力する」としている。
220万の新規有料メンバーのうち、46%はアジア太平洋地域が占め、他地域と比較してもっとも成長に貢献したという。アジア太平洋地域の収益は昨年比で66%増。特にローンチ5周年の日本は8月末時点で有料メンバー数が500万人、韓国では9月末時点で330万人に到達。両国ともブロードバンド普及世帯におけるNetflix利用率が10%を超えたとのこと。
新型コロナウイルスの影響で中断されていた作品制作は、安全・衛生基準に従い順次再開。「ストレンジャー・シングス未知の世界」シーズン4、「ウィッチャー」シーズン2、映画「レッド・ノーティス」などの制作が再開しており、3月中旬以降では50作品以上の現場撮影が完了。2020年末までに計150作以上の撮影が完了する予定とのこと。
第3四半期でよく視聴されたシリーズはNetflixオリジナルシリーズの「アンブレラ・アカデミー」シーズン2や「ルシファー」シーズン5など。配信後28日間で「アンブレラ・アカデミー」は4,300万世帯、「ルシファー」は3,800万世帯が視聴したという。シャーリーズ・セロンが主演を務めた映画「オールド・ガード」は7,800万世帯が再生し、第3四半期においてもっとも人気を集めた作品になったという。
第4四半期以降は、長編映画作品をさらに強化する計画で、ジョージ・クルーニー監督・主演の「ミッドナイト・スカイ」や、ロン・ハワード監督の「ヒルビリー・エレジー -郷愁の哀歌-」、デヴィッド・フィンチャー監督の「Mank/マンク」などの配信が予定されている。
今後も世界中でコンテンツを手掛けるとしているほか、「アニメは全世界のファンに届く重要なコンテンツのカテゴリである」として、ローカルコンテンツへの投資も継続。また「愛の不時着」など日本でも人気の韓国発のシリーズは、世界各地で好調に推移しているとのこと。
なお、依然として視聴時間と視聴者のエンゲージメントをめぐる競争は厳しいとし、従来のテレビ番組だけでなく、ゲームやユーザー自身が制作・投稿するようなユーザー生成コンテンツ(UGC)などと、デバイス占有時間を争っているという。
またアメリカでは、コムキャストが新たな動画配信サービス「ピーコック」をスタートさせたほか、事業再編を発表したディズニーが、動画配信型のエンターテインメントへ一層注力していく姿勢を示しており、Netflixは「今後もディズニーをはじめとする動画配信サービス事業者と競争し、より多くのメンバーに楽しんでいただける作品を届けることに引き続き注力する」とした。